イメージ 今夏の参院選から、公明党が長年推進してきた「18歳選挙権」が導入される予定です。日本の未来を担う若者の声を政治に反映させることが期待されています。新たに有権者となる18、19歳の未成年者は約240万人。日本の政治課題は若者の未来と直結しており、政党や議員も若者の声に耳を傾けて政策を決めることになります。
 国際的にも見ても、日本の選挙権年齢はようやく世界水準に達しました。国立国会図書館が調べた199カ国・地域のうち、9割以上(176カ国・地域)で、18歳までに(16、17歳も含む)選挙権を付与しています。
 「政治的な判断ができるのか」と、10代で投票することを不安に思う声も聞きます。初めて選挙を経験する若者のためにも、社会と地域の問題を自分の問題と捉えて主体的に関われるようにしていく「主権者教育」が大切です。
 昨年、高校生に政治や選挙について学べる副教材を配布しました。これに基づいた模擬選挙や討論など、体験的な学習を通じ、主権者教育の充実が期待されます。
 公明党は、選挙権を得た直後に就職や進学などで引っ越した人が投票できなくなる「投票権の空白」の解消も実現。引っ越し前の住所地で、選挙権年齢に達する前も含めて3カ月以上住んでいれば、旧住所地で投票できるようにしました。
 また、若者の投票率向上に向けて、大学内や駅構内など利便性の高い場所に投票所の設置を訴えています。
 選挙に立候補できる「被選挙権年齢」の引き下げについても、若者の政治参加を進めるため、重要な政策として、しっかりと議論していきます。
 これまで若い世代と積極的に懇談し、奨学金の充実やブラック企業対策など、さまざまな取り組みを行ってきました。18歳選挙権の実現を機に、若者目線に立った政策の推進にさらに力を入れていきます。

 さらに、若者が政治家など実際の政治と接点を持つことが非常に重要だと思います。
 私事で恐縮ですが、県議会議員になって21年、一度も欠かさず高校の入学式、卒業式には出席しています。政治に携わる者が、積極的に若者に語ることは大事だと思うかからです。
 大学生にもなると議員インターンシップなど、政治の現場に接点を持つプログラムもります。政治や議員に対して悪い印象を抱いている学生も多いの現実ですが、この議員インターンシップを体験すると、政治に対するイメージ「良い」「どちらかといえば良い」が50.8%から82.0%に上がるという統計もあります。こうした体験によって、「必ず選挙に行く」とした学生も65.2%から79.1%まで高まります。
 アメリカやヨーロッパでは、政治家が頻繁に学校にやって来るといいます。選挙になれば、各党の議員をパネリストに政策討論会などを行っています。
 今回の18歳選挙権導入で、茨城県内の高校では入卒業式に議員を来賓として呼ぶかどうかの議論が起こったといわれています。議員を学校に呼ぶこと自体が、タブー視されているところもあるようです。
 たしかに、教育基本法第14条には「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」という規定があります。しかし、この条文もよく読んでみると見てみると、禁止されているのは、特定の政党を支持または反対するための「政治教育」と「政治的活動」だけなのです。その前段には「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」と記されていることを再確認したいと思います。
 政治家は勇気をもって、寸暇を惜しんで若者に接することを肝に銘じたいと思います。

未来を担う私たち 〜責任ある一票を〜
政治や選挙等に関する高校生向け副教材等について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shukensha/1362349.htm

質問です。
 「政治」と言われて、何を考えますか? あなたにとって、「政治」はどのようなものですか?
 学校でどのような教育を行うかといった皆さんの身の回りの教育に関することをはじめ、経済、農林水産、国土交通、雇用・労働、福祉、税、外交や防衛など、私たちの周りにはたくさんの国や地域の「政治」に関わることがあります。他方、外国に出て、皆さんの安全な航行を外国政府に要請する自国の旅券(パスポート)を手にした時、国の役割や存在を感じたことがある人もいることでしょう。
 ただ、「政治」とは個別の課題の解決策であると同時に、次のような仕組みにつながるものなのです。
 すなわち、「政治」とは、私たちが国家や社会について重要と考えるものを、国家や社会としてどのような状態であることが良いのか、優先順位をつけて決定することであり、現在の日本では、選挙を通じて私たち有権者に訴えられた候補者や政党の考えや公約を議会の議論を通じて意見集約していく、つまり、議会で決定される法律・条例や予算などにより決めていくということなのです。このようなプロセスにより、国家・社会の秩序を維持し、その統合を図っていくことが可能となるのです。
 このプロセスに関与する方法が「選挙」なのです。 

もうひとつ、質問です。
 皆さんは、政治は難しいとか、自分の力では政府の決定に影響を与えられないと思ったことはありませんか?
 ある調査によると「私個人の力では、政府の決定に影響を与えられない」という考え方について、日本の高校生の80.7%が「全くそう思う」若しくは「そう思う」と答えています。この調査は、韓国(55.2%)、中国(43.8%)、米国(42.9%)の回答と比べ高い割合となっています。
 このようなことが、若者の投票率が他の世代よりも低いことに影響を及ぼしていると指摘する声もあります(平成26年(2014年)12月に行われた第47回衆議院議員総選挙の投票率を年代別に見ると、60歳代68.3%に対し、20歳代32.6%、30歳代42.1%と、20〜30歳代の投票率は他の世代よりも低く、特に20 歳代は平均よりも20 ポイント以上も低い水準となっています)。
 こうした状況を背景に、「若者は政治に関心が低く、選挙に行かない」という声もあります。20歳代の低投票率は30年以上前から言われ続けているのですが、子供や若者は政 治に関心が低く、判断できないというのは本当なのでしょうか。様々な課題について調べ、 自分なりに理解し、判断し、自分たちの声を社会に届けたくないのでしょうか。
 先ほど紹介した調査では、「社会や政治問題への参加についてどう思うか」という問いを聞いています。この問いについて「参加すべきだ」・「参加した方が良い」と答えた高校生は72.2%います。この割合は他国と比べてもそれほど低くはありません(韓国81.5%、 中国83.5%、米国76.9%)。
 日本の7割を超える高校生が「社会や政治問題へ参加すべきだ・参加した方が良い」と考えている中、今回の選挙権年齢の満18歳以上への引下げにより、そのような皆さんの思いと制度が近づいたといえます。