茨城県議会の選挙区・定数 4月25日、第5回茨城県議会改革推進会議(田山東湖座長:いばらき自民党)が開催され、県議会の定数・選挙区の見直しについての議論がスタートしました。
 現在、茨城県議会の定数は63人。議員一人当たりの人口は、4万6135人。これは、全国の都道府県議会では11番目となります。ちなみに政令指定都市のない県では37県では最も多い議員数となっています。(国勢調査の速報値:茨城県の人口291万7857人、定数63人、県議一人当たり人口4万6315人)
 茨城県は、人口が集中する政令指定都市などがなく、広い可住地に県民が偏在せず居住しています。そのために、選挙区(選挙区数は36)が多く、1人区(一つの選挙区で定数が1人)が多いのが特徴です。茨城県の1人区は22あり全国で4番目に多くなっています。
 議員一人当たりの人口の格差は、最大で2.90倍です。一番多いのが牛久市(人口8万4454人・定数1)一番少ないのが潮来市(人口2万9105人・定数1)となっています。格差が2倍以上になっている市町村は龍ヶ崎市(2.69倍)、鹿嶋市(2.33)、守谷市(2.23)、稲敷郡北部(美浦村、阿見町・2.18)の4選挙区です。反対に、議員一人当たりの人口は少ない選挙区は、潮来市に続いて、高萩市(1.02倍)、鉾田市(1.12)、猿島郡(五霞町、境町・1.15)、行方市(1.23)、常陸太田市(常陸太田市、大子町・1.25)、日立市(1.27)となっています。
 人口と議員数が逆転している選挙区(逆転現象選挙区)は以下の10通りあり、全国的にも北海道、東京に次いで3番目に多くなっています。
 つくば市(定数4・人口22万7029人)と日立市(定数5・18万5149人)。龍ヶ崎市(定数1・7万8368人)、牛久市(定数1・8万4454人)と石岡市(定数2・7万6030人)、常陸太田市(定数2・7万470人)、笠間市(定数2・7万6766人)、鉾田市(定数2・6万5047人) 。鹿嶋市(定数1・6万7885人)と鉾田市(定数2・6万5047人)。
茨城県議会の選挙区と定数見直しの4つの視点
 こうした現状を冷静に分析すと、今回の定数、議席配分の見直しの視点がいくつか明確になってきます。井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党としては、以下のような具体的な視点で議論を進めていきたいと考えています。
  • 定数の総枠に関しては、深刻な人口減少社会の中で、地方創生の重要性が叫ばれており、県議会議員の量的質的な拡充が必要になっていると考えます。当然、茨城県の総人口がこの5年間でも5万人近く減少していることを考慮すれば、それに比例した議員定数の削減は必要ですが、過大な定数減は将来的に禍根を残す懸念があると考えます。
  • 定数見直しの優先順は、何といっても人口と議員数の逆転区を解消するという視点です。人口と議員数が比例することは民衆主義の大原則です。茨城県では10通りの逆転区があり、全国的にも多くなっています。逆転区は解消する必要があります。
  • 1票の格差については、2倍以下を目指すべきです。平成25年12月に公職選挙法が改正され、市同士の合区が一定の条件下で認められるようになりました。具体的には、一つの市の区域の人口が議員一人当たりの人口の半数以上で議員一人当たりの人口に達しない時は、隣接する市町村と合区することができるようになりました。(配当基数が0.5以上1未満、これを“任意合区”といいます)
    こうした規定を活用して、大胆な選挙区の見直しを行い、一票の格差を2倍以内に収めたいと考えます。
  • 茨城県は地理的な特徴から、1人区が多いことは先に述べました。住民の多様な意見を県政に反映させるためには、できるだけ複数区にするほうが望ましいと考えます。しかし、公職選挙法は配当基数が1以上の市の合区を認めていませんので、ブロック制などの導入は法的にできません。できるだけ、1人区を少なくする方向で検討を進めるべきと考えます。