東京ガス日立LNG基地竣工披露
 5月11日、東京ガス株式会社(広瀬道明社長)の「日立LNG基地」竣工披露パーティーが、日立市内で盛大に開催されました。
 東京ガスのLNG基地としては、東京湾内以外では初めての拠点となり、世界最大の地上型LNGタンクが設置されています。さらに、新たに敷設した高圧ガスパイプライン「茨城〜栃木幹線」の供用もスタートしています。
 祝賀会で広瀬社長は、「東京ガスは、2020年に向けた天然ガスの需要の増加に対応した製造・供給インフラの柱として、LNG船やLPG船の受入設備となる大型桟橋、容量23万kl のLNGタンクや熱量調整用のLPGタンク、ガス製造設備などを備えた日立エネルギー基地と、既存のパイプラインである“栃木ライン”と接続する本パイプラインの建設工事を、2012年より進めていました。東日本大震災など大変厳しい時期もありましたが、茨城県や日立市、地元住民の協力のもと、無事に日立LNG基地が竣工できました。今後は、2020年までに「日立LNG基地2号タンク」の建設を目指します。さらに、既存の「鹿島臨海ライン」と今後建設を目指す「茨城幹線」を接続し、高圧ガスパイプラインのループ化を更に図ることにより、関東圏全域のエネルギーセキュリティ向上に貢献していまります」などと、語りました。
 また、来年にはアメリカからシュールガスの輸入も始まることも明らかにしました。
東京ガス日立エネルギー基地 一方、県庁で行われた記者会見では、広瀬社長が「タンク増設と茨城幹線の整備で、計画は2フェーズに入る」と強調。一方、日立市〜鹿嶋市の鹿島灘沿いに総延長約87キロの「茨城幹線」を整備することを表明しました。2020年までの完成を目指します。藤本正之茨城事業部長は「南北をループ状に結ぶ大きなパイプライン網ができる。首都圏に向けたLNGの供給安定性が増す」と説明。着工には関係自治体や住民との合意形成が必要として、新たに水戸市内に事務所を開設し、準備を本格化させるとしました。
 東京ガス日立エネルギー基地を巡っては、エネルギーの安定供給の側面と共に、県北地域の発展の起爆剤としても大いに期待されます。すでにパイプラインで結ばれた栃木県真岡市で最新のガス発電施設が建設されます。
 神戸製鋼所は発電能力が120万kWに達する大規模な火力発電所の建設計画を進めています。日立基地で製造されたLNGを燃料に使って、最先端のコンバインドサイクル発電方式を採用します。1基あたり60万kWの発電設備が2基の構成。1号機を2019年後半に、2号機を2020年前半に稼働させる予定です。この発電所の電力を東京ガスが全量買い取り販売します。
 また、燃料電池を核とする“水素社会”を構築するためにも、LNG基地は大きな役割を果たします。LNGから水素ガスを製造し、燃料として使用する水素タウンを建設する可能性が大きく膨らみます。

東京ガスの供給エリア概要図