7月23日、日立製作所日立総合病院本館棟の竣工式が行われ、井手よしひろ県議も来賓として出席しました。
日立総合病院は、1938年(昭和13年)日立製作所の企業立病院として開業しました。以来80年、日立市を中心とする茨城県北地域の中核医療機関として重要な役割を担って来ました。
日立製作所は、2010年に創業100周年記念事業の一環として、茨城県北部地域では初となる救命救急センターの建設を決定し、2012年10月から運用を開始しました。そのような中、2011年に発生した東日本大震災により本館棟などの建屋に大きなダメージを受けたことから、入院治療や外来診療などの病院機能の復旧・改善・強化を図るため、2012年4月に、本館棟および診療棟の建て替えを決定しました。診療棟は、2013年5月に完成・運用を開始しました。今回の本館棟の完成をもって、計画していた日立総合病院の更新はすべて完了しました。
本館棟竣工記念式典での東原敏昭社長、橋本昌知事の挨拶
本館棟は、鉄筋コンクリート地下1階、地上11階建て。308床の入院病棟や茨城県北部地域で初の「ハイブリッド手術室」(手術室内にカテーテル治療機能を併せ持つ最先端医療空間)が設置されています。また、本館1階には「肝臓病・生活習慣病センター」が開設され、生活習慣病の対策として食事・運動療法から投薬治療、透析治療へと病気の進行や合併症対策に総合的に対応できるシステムを確立しました。
日立総合病院は、近くに送電線の鉄塔があるため病院敷地内にドクターヘリが発着できませんでした。本館棟の屋上にヘリポートが整備されたために、直接、ドクターヘリや防災ヘリが離着陸できるようになり、救急医療体制が飛躍的に充実しました。
【日製日立総合病院本館棟の特徴】
- 利便性の向上
病院玄関と受付・会計機能を集約し、外来エリアと直結したレイアウトとしたことで院内の動線など来院時の利便性が向上しています。また、病院玄関前には、バス停やタクシー乗り場を含む送迎用ロータリーの整備に加え、駐車場を増設(80台分)することで、駐車場の待ち時間の短縮、病院前の市道の渋滞緩和を図りました。病院システムのIT化を一段と進め、診療費支払機や自動再来受付機により待ち時間が大幅に短縮されました。 - 入院治療機能の充実
東日本大震災により減少した病床の回復・確保を図るとともに、個室の増床など入院治療機能の充実をめざします。また、将来的には最上階に「緩和ケア病棟」の整備も進め、主にがんの痛みや吐き気、食欲不振、不眠、息苦しさ、心の辛さなどが少しでも緩和されるように支援していく計画です。 - 救急医療や災害医療機能の強化
本館棟の屋上にヘリポートを設置し、救命救急センターと の連携を行うことで、さらなる救命率の向上に努めます。 - ハイブリッド手術室の整備
ハイブリッド手術は、手術治療とカテーテル治療の双方の強みを発揮できる安全かつ確実な次世代手術治療です。今回新設したハイブリッド手術室は、手術室内にカテーテル治療機能を併せ持つ最先端の医療施設です。 - 腎臓病・生活習慣病センターの新設
人工透析、腎臓内科、代謝内分泌内科、生活習慣病の診療を総合的・一体的に行う内科です。専門的な指導を提供できる医療チーム「腎臓病・生活習慣病サポートチーム」の参加によって、投薬治療だけでなく、食事・運動療法も取り入れ、病気の進行抑制や合併症予防などの治療を行います。また、透析ベッドを45床に拡張し、さらに充実した腎臓診療をめざしていきます。 - 手術支援ロボット「ダヴィンチ」導入
2011年9月より、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しています。国内で33台目、北関東では1台目(北関東以北では2台目)となる最先端の手術支援ロボットです。前立腺全摘除術を中心に大腸がん摘出手術も行っています。2015年8月現在、前立腺全摘術で通算220症例を達成しています。