常陸多賀地区に誕生したシェアオフィス
 日立市は現在、駅前商店街の空き店舗や空きビルを創業支援施設に改装し、シェアオフィスとして安価な賃料で貸し出す事業を行っています。県と連携して創業や企業誘致を後押しし、商店街のにぎわいを再生する試みです。
 パン製造販売店やカフェなどが開業し、買い物客らでにぎわう創業支援施設市内のJR常陸多賀駅から徒歩1分の駅前商店街の一角に立つ築約80年の木造2階建て家屋が、県と市が改装費用を折半して整備した創業支援施設です。かつては、アイスキャンディー屋として市民らに長年親しまれてきた店舗「かどや」でした。2014年に閉店していましたが、8月上旬までに、パン製造販売店やカフェ、音楽プロダクションなど4事業者が新たに入居しています。
 「黒糖あんパンを2個ください」―。訪問した日、パン製造販売店は、店内で焼き上げたパンを買い求める親子連れでにぎわっていました。店長の森基至さんは「希望だった生まれ故郷での店を開けた。腕を磨いて商店街の活性化に役立っていきたい」と笑みを浮かべながた抱負を語っています。
 この施設の共用スペースには、テーブル席が設けられ、腰を掛けて談笑を楽しむ女性グループの姿も見られます。
公明党市議団が調査
 多賀駅前の商店街は、かねてから多くの買い物客が訪れる市内有数の商店街の一つ。しかし、後継者不足などから店舗数が減少し、シャッターが下りたまま営業していなかったり、入居者を募る空き店舗が目立つようにようになりました。
 そこで市は、空き店舗の活用に着手し、創業支援施設として整備。入居期間3年(希望により更新可能)として事務所や店舗スペースを格安で貸し出すことにしました。対象は、創業希望者と創業5年未満の事業者、県北6市町(日立市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、常陸大宮市、大子町)外から進出する企業です。

県の施策とタイアップし、備品購入費の補助も
 また、県が実施している開業時に必要な備品などの購入費用の補助(最大100万円)に加え、市が最大50万円の補助を上乗せし、支援しています。さらに、日立商工会議所や日本政策金融公庫などと連携して、創業に関する相談にワンストップ(1カ所)で応じる体制も整えました。
 この商店街内には、5階建ての空きビルも創業支援施設として整備され、今後、入居が進む予定です。
 市担当者は「入居者が商店街内で連携できるようサポートしていきたい」と語っていました。
 市議会公明党は、市街地の活性化を一貫して推進。2014年6月定例会では、薄井五月議員が多賀駅前商店街のにぎわい再生について取り上げ、誘客を促す拠点整備を求めていました。
(このブログは、2016年8月29日付けの公明新聞の記事をもとに掲載しました)