
公明党の推進で今年(2016年)5月に成立した改正児童福祉法の施行に基づき、増え続ける児童虐待に対応するため、都道府県や政令市などに設置されている児童相談所(児相)の体制が10月から強化されます。虐待の相談や指導に当たる児童福祉司の配置基準を見直し、心理職や弁護士などの専門職も配置が進められます。
2015年度に全国208カ所の児相が児童虐待相談として対応した件数は、過去最多の10万3260件(速報値)を数えています。この15年間で5.8倍に増え、児相の体制の質・量両面での充実が喫緊の課題となっています。
今回の改正を受け、人口4万〜7万人に1人だった児童福祉司の配置数は、4万人に1人以上が基本となる。全国平均より虐待相談対応が多ければ、業務量に応じて配置が上乗せされます。
心理の専門知識・技術を持つ児童心理司は児童福祉司2人につき1人以上、医師または保健師は児相に1人以上を配置するとしました。他の児童福祉司を指導・教育する児童福祉司(スーパーバイザー)の増員も図ります。

厚労省は今回の法改正も見据え、今年4月に児相強化プランを策定。19年度までに児童福祉司を15年度比2割増の3480人、児童心理司を3割増の1740人、17年度までに保健師を2.倍の210人に増やす目標などを掲げ、実現へ予算措置を進めています。弁護士の活用促進に向けても、今年度は弁護士を活用する児相に対する補助金を1カ所当たり年約56万円から308万円に引き上げています。
公明党は、今年3月の参院予算委員会で山本香苗さんが「(増加する)業務量に児相の職員体制が追い付いていない」として、専門職の拡充や弁護士の活用を訴えるなど、児相の体制強化を強力に推進してきました。
こうした動きを受けて、茨城県は来年4月からの弁護士の配置や児童福祉司の加配を進めていく予定です。