10月15日、日本最古とされる組み立て式の農村歌舞伎舞台「西塩子の回り舞台・第6回定期後援会」が盛大に開催されました。
西塩子の回り舞台は、常陸大宮市西塩子地区に伝えられてきました。江戸時代後期、文政年間の道具も残る組立式の歌舞伎舞台です。舞台を組立てては、村の祭りに歌舞伎や人形浄瑠璃を行ってきましたが、戦後は行われなくなってしました。旧常陸大宮町が行なった調査をきっかけとして、平成9年、半世紀ぶりに復活しました。その後、地芝居の一座を結成、地元の小学生も歌舞伎に取り組み、原則として3年に一度の秋、舞台の組立と地芝居の公演を行われています。
今年組み立てられた舞台は間口、奥行きともに約20メートル、屋根の高さは約7メートル。西塩子の回り舞台保存会(大貫孝夫会長)が、約150本の木材と青竹約300本を使い、1カ月以上かけて組み立てました。屋根や舞台回りをこもで覆い、ちょうちんや舞台照明を取り付けて仕上げられています。青空の下、美しいアーチ型の屋根が美しい舞台が見事に出来上がりました。
午前中からはじまった公演は、大宮北小学校児童による常磐津「子宝三番叟」、子ども歌舞伎「白浪五人男・稲瀬川勢揃の場」、舞踊劇「鏡岩」などが演じられました。トリは地元歌舞伎愛好家による「吉例蘇我対面・工藤館の場」。三次真一郎市長らも特別出演し、おひねりが飛び交い、大いに盛り上がりました。農民歌舞伎の古き良き伝統が脈々と流れる舞台となりました。
保存会の大貫会長は、「深刻な高齢化や人口減少のため、この回り舞台の存続は大変厳しい状況です。多くの皆さまのお力を借りて、次回も立派に開催してまいりたいと思います。ご協力よろしくお願いいたします」と挨拶しました。
なお、井手よしひろ県議も幕間で来賓を代表して挨拶。「茨城県北芸術祭がこの地域で盛大に開催されています。ぜひ次回は、この回り舞台と芸術祭を連携させ、より多くの方々に楽しんでいただけるようにしたい」と語りました。
常陸大宮市・西塩子の回り舞台2016