県北芸術祭知事要望004
 11月18日、井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党議員会は、橋本昌知事に「茨城県北芸術祭の継続開催に関わる要望書」を提出しました。この要望活動には、県北6市町の公明党所属の地方議員の代表も参加しました。

 9月17日から11月20日までの会期で開催されている茨城県北芸術祭は、10月末まで45万9千人を動員し、目標の30万人を超える多くのお客様を迎えています。会期末には70万人以上の来場者を記録することが予想されます。県北地域の住民にとっても、明るい話題となっています。
 地域芸術祭については、様々な意見があります。現代アートの芸術祭が乱立するために、アートそのものの質が下がっているのではないかとの指摘があります。絵画や彫刻などの既存の芸術(クラシカルアート)家や団体の一部からは、一過性のイベントに公的な予算を出すことに批判もあることも事実です。
 こうした議論を乗り越えて、県北地域で芸術祭を行う意義は、第1にこの地域が持つ特殊性にあります。海と山の多様な自然、岡倉天心の事績や、クリストの作品が実現した歴史、この特徴を生かせば新たなアートの祭典が生まれるのではないかという挑戦です。第2に、都道府県別魅力度ランキングで4年連続全国最下位の茨城県にとって、県北地域の魅力を全国に発信できれば、茨城県のイメージアップにつながります。第3に地域創生、地域活性化という視点で見れば、県北地域を元気するためには、県北の住民が変わることが必要です。その方法はみんなが創造的に生きること、新たな価値を見いだすこと、これしかありません。芸術祭をきっかけに、昨日とは違うことをやってみようという発想を持つこと、違う生き方に挑戦してみること。それが人間を元気にして、新たな経済効果をもたらし、結果的にはその社会を活性化するのではないでしょうか。そのキッカケに今までやったことのない地域芸術祭という挑戦は大きな意味がありました。
 こうしたことから考えると、今回の県北芸術祭は様々な課題はあるものの、次につながる大きな結果を出せたでのはないかと考えています。というよりも、芸術祭一度だけではその本当の意義は伝わらないし、役割を果たせない。これは継続することが何よりも重要だとという結論に至りました。
 私ども公明党は県北地域の更なる活性化と芸術文化の振興を図るために、茨城県北芸術祭を3年に一度開催するトリエンナーレ形式で継続することを知事に提案しました。次回開催は3年後の2019年ということになりますが、この年は茨城国体の開催時期と重なりますので、1年遅らせて2020年とします。オリンピックイヤーの2020年に、東京オリンピック文化プログラムの一環として、第2回県北芸術祭を催すべきです。
 また、今回の県北芸術祭の最大の課題は、開催市町との話し合いが不十分で連携が充分にとれていなかったことです。4年後開催という目標を明確にし、市町の独自の企画や運営によるプログラムも充実させ、本当の意味で6市町と県が一体となった芸術祭を開催すべきと主張しました。
 こうした茨城県議会公明党の要望に対して、橋本知事は「県北芸術祭は県内外の方から高い評価を得ている。売上が良くなったという飲食店やお土産店の話しも聞く。70万人を超える来場があったことをみれば、評価できる芸術祭であったと思う。閉幕後、経済波及効果などもしっかりと分析し、開催市町ともじっくりと話し合って、今後の開催については決定していきたい」と語りました。

【橋本昌知事への要望項目】
  1. 茨城県北芸術祭を3年に一度開催するトリエンナーレ形式で継続すること。
    • 茨城県北芸術祭を3年に一度開催するトリエンナーレ形式で継続すること。
    • 次期開催は茨城国体の開催も加味して、4年後の2020年とすること。
    • 茨城県北芸術祭2020は東京オリンピック文化プログラムの一貫として開催すること。
  2. 次回の茨城県北芸術祭の開催にあたっては、以下の項目に留意すること。
    • 茨城県北芸術祭の開催地域は、現状の6市町(日立市、高萩市、北茨城市、常陸太田市、常陸大宮市、大子町)とすること。開催規模が大きすぎるとの指摘もあるが、宿泊客を確保するために海側と山側との同時開催とすること。
    • 開催市町との連携を強化し、各市町に専属の職員を配置した実行委員会を組織し、地域毎の独自性を活かした活動を継続すること。
    • アーティストファーストの発想から、会場の整備やメンテナンスの徹底を図ること。
    • お年寄りや障がい者に優しい会場整備を行うこと。
    • 県内アーティストの育成をより充実させること。
    • 新人アーティストの育成のため、鑑賞者の投票による「(仮称)茨城県北芸術祭大賞」などの創設を検討すること。
    • 教育現場との連携を強化し、子どもたちに一流の作家、作品に触れる機会を増やすこと。
    • 岡倉天心有縁のインドや今後の友好拡大が期待されるベトナムなど東南アジア各国との現代アートによる交流事業を拡大すること。
    • 肋骨方向の道路整備、バス・鉄道による周遊ルートの確保を行うこと。
  3. 企画部県北振興課に茨城県北芸術祭事務局機能を置き、持続的、継続的な芸術祭活動を行うこと。
  4. 公式ホームページはアーカイブ機能を充実させ、県北芸術祭の作品や歴史を後世にとどめること。
  5. 茨城県北芸術祭2016の経済波及効果などについては、詳細な調査を行い県民への説明責任を果たすこと。