みなしご救援隊終生飼養ハウス 2月8日、井手よしひろ県議は、広島市安佐北区のNPO法人「犬猫みなしご救援隊」(救援隊)の終生飼養ホームを訪ね、ホームの責任者・郷原妙美さんから救援隊の様々な活動についてご説明をいただき、施設を視察させていただきました。
 救援隊は、中谷百里理事長により1995年に設立され、2005年NPO法人格を取得しました。2007年に総床面積742平方メートルの終生飼育ホームを建設しました。救援隊の活動は、【終生飼養】と【譲渡活動】を基盤に、動物愛護の啓発活動を行い、動物の適正飼養の推進と生命尊重の情操教育を広め、ひいては動物と人間が共生する明るい社会の構築に寄与することを目的としています。
 人間の身勝手によって捨てられたり、虐待を受けたり、傷病を負っている等、一般家庭では飼養が困難な、引き取り手のない犬猫たちを積極的に保護し、終生飼養ホームで、“小さな命が尽きる時まで”責任を持って育てる【終生飼養】を行っています。
 また、それと平行して、2013年度からは広島市動物管理センターに持ちこまれた殺処分対象の猫全頭と、一般譲渡が難しい老犬・咬みつき犬・野犬等の引き出しを開始し、2015年度からは呉市動物愛護センターに持ちこまれた殺処分対象の猫全頭の引き出しを開始。さらに、2016年8月から広島県動物愛護センターに持ちこまれた殺処分対象の猫全頭の引き出しを開始し、これにより広島県内にある殺処分機の稼働を停止させました。
 東日本大震災や熊本地震などの大規模災害時には、飼い主を失った動物の保護に被災地に赴くなど積極的な活動には、全国から大きな反響が寄せられています。テレビや新聞などマスコミにも数多く取り上げられています。
 2015年には、栃木県那須に大規模な保護施設を稼働させ、事前に井手県議が中谷代表と電話でお話をした際は、「月に10日間は広島で、10日間は那須で、残り10日は全国で、犬猫のために働いています」と語っていました。

終生飼養ハウスの猫たち
 みなしご救援隊は、昨年8月から広島県動物愛護センターに持ち込まれる殺処分対象の猫を、全て引き取っています。平成28年12月の実績は、殺処分対象の608頭の猫のうち、413頭を引き取りました。
 終生飼養ホームとそれに隣接した施設では、これらの猫や東日本大震災や熊本地震の被災地からも引き採った犬など、現在、約千匹以上の猫や犬、タヌキ、カラス、牛、ポニー、ヤギなども一緒に暮らしていました。
 飼養に関する費用は、一切公的な支援を受けず、支援者の寄付や様々なグッズの販売の利益などで捻出しています。

広島県動物愛護センターから引き取られた猫たち
 井手県議が視察した2月9日も、十数頭の猫がセンターから引き取られてきていました。寄生虫対策などの薬剤はセンターで対応済みです。救援隊では、しばらく専用の部屋で経過を観察して、その後、原則すべての猫に去勢不妊手術を行っています。「猫の自身の幸せのためにも去勢不妊は最低限行わなくてはなりません。その費用と手間は、莫大なものになりますが、獣医師の協力も得てすべて行っています」と、郷原さんは説明してくれました。
 センターで殺処分されるはずの猫を全頭、民間団体が引き取っているわけですので、譲渡の際に避妊の費用(全部またはその一部)を自治体が負担してもよいのではないかと考えました。
 去勢不妊処置が終わると、多くの猫がくつろぐ飼養施設に移されます。清掃が行き届き、排泄のしつけも徹底して、さらに去勢不妊処置が行われているために、においが驚くほど少ないのが特徴です。
 また郷原さんは、「一時的に持ち込まれる猫が増えることも覚悟しています。譲渡活動に一層力を入れるとともに、地域猫活動の普及など県民の意識も変えて幾取り組みに力を入れたい」と明るく語ってくれました。

参考:NPO法人犬猫みなしご救援隊のHP http://www.minashigo.jp/