殺処分と譲渡数の推移
譲渡数が増加し、殺処分減少、炭酸ガスでの処分を昨年10月以降中止
 2月13日、井手よしひろ県議は、茨城県動物指導センターに松本徹センター長を訪ね、犬猫の処分状況を聴取するとともに、動物愛護の推進について意見交換しました。これには、動物指導センター愛護推進課高藤義彦課長、保健福祉部生活衛生課理崎清士課長補佐も同席しました。
 動物指導センターでは、県内外のボランティアの協力を得て、犬猫の譲渡頭数が大幅に増えています。譲渡の実績は、昨年4月から本年1月までに犬が769頭(平成27年の同時期対比で+164頭)、猫が569頭(+259頭)となっています。その結果、殺処分頭数は、犬が549頭(▼552頭)、猫が1676頭(▼621頭)と減少しています。
 このままの傾向で推移するとすると、犬の譲渡数は900頭となり前年を143頭上回り、猫は600頭で251頭増加するとみられます。殺処分数は、犬660頭で前年から619頭減、猫は1750頭で583頭減、犬・猫の合計は2410頭で前年に比べ1202頭少なくなる見込みです。これは、前年比で66.7%と3分に2に減少することになります。
茨城県動物指導センター
 まだまだ殺処分数としては多いのが現状ですが、各ボランティア団体の皆さまの献身的なご協力や動物愛護推進委員などの懸命な努力で、茨城県の殺処分の状況も大きく改善してきています。
 指導センターも松本センター長のもと、様々な取組を行っています。例えば、犬舎内の感染症対策について、昨年6月30日から、ジステンパーやパルボウィルスなどの対策として収容される全ての犬に対し混合ワクチンを接種を開始しました。また、 センターに収容された飼い主のいない犬猫の公示(公表)期間を、昨年8月1日から、条例で定められた4日間から1日延長し5日間としました。さらに、今年2月1日からさらに1日延長し6日間としました。土日祝日はカウントされませんので、1週間以上は処分されずに収容されることになりました。
 さらに、画期的なことに昨年10月以降、多くの自治体が採用している二酸化炭素(炭酸ガス)による処分を中止することが出来ました。現在は、麻酔薬による処分を行っています。センター職員の負担は多くなっていますが、処分すべき犬猫の総数が大幅に少なくなったことにより実現しました。
 今後は、譲渡を受けている各ボランティア団体との連携を去らに深め、収容される犬猫の頭数それ自体を少なくさせる入り口対策を強化しなくてはいけません。そのためには、市町村との連携による動物愛護に関する啓発活動の強化や犬猫の販売業者の指導強化、地域猫などの取組の拡大などに力を入れていく必要を、松本センター長との意見交換では確認しました。
 井手県議は、犬猫殺処分ゼロ条例に盛り込まれた基金の充実や、県の動物愛護担当部署の人員や組織の充実も必要との考えを述べました。

殺処分と譲渡数の推移