2017/2/25付けの公明新聞 茨城県水戸市で2月17日から3日間、多彩な分野の専門家たちで構成されたボランティア集団「エンジン01文化戦略会議」 主催の公開講座(オープンカレッジ)が開催されました。エンジン01文化戦略会議のメンバーを中心に、 ジャーナリストの田原総一朗氏などの著名人を含む150人以上の有識者が講師と して集結し、110を超える講座が展開されました。各界の英知に触れる機会を求めて県内外から延ベ1万8000人が来場しました。この水戸でのイベント開催は、3年前の県議会で公明党の高崎進県議が提案したものです。(2017/2/25付けの公明新聞より引用しました)

 初日(2月17日)は、「みつめる歴史 明治維新は水戸から始まった!」と題してオープニングシンポジウムが、県立民文化センターで開催されました。歴史学者の磯田道史氏や水戸徳川家15代当主で公益財団法人徳川ミュージアム理事長の徳川斉正氏らが出席し、水戸に徳川家が生まれた背景や徳川慶喜が大政奉還を決断した歴史などについて白熱した議論が展開されました。
 2日目は、茨城大学の各教室を会場に、地域活性化や文化・芸術、経済、防災・減災など多彩な講座が4時限に分けて行われました。「みつける 水戸の新観光アイデア」と題する講座では、専門家たちがドイツ東部の ドレスデンや埼玉県川越市など国内外の有名な観光地を例に挙げ、景観の整備が観光振興と街の誇りにつながることを語り、参加者を 引きつけました。
 最終日には、「寿命125歳時代の人生設計・恋愛設計」をテーマに開かれたクロージングシンポジウム で、田原総一朗氏を交えて充実した生き方や恋愛観について議論が展開されました。
 このほか、中・高生を対象としたプロのマンガ家やピアニストなどによる特別授業や、有識者と夕食を共にしながら語り合う交流会『夜楽』も行われました。
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 茨城県小美玉市から参加した高校1年生の女子生徒は、「将来の進路について迷っていたけど、プロの人たちから夢を実現するまでのエピソードを聞いて勇気が出た」と瞳を輝かせていました。
 今回のオープンカレッジでは、約300人の市民ボランティアが大学構内の道案内などで活躍。初めて茨城大学の構内に入った水戸市在住の70代の女性は、「いろんな世代の人たちが充実した顔で教室から出てくる
姿を見て元気をもらっている」と語りながら生き生きと活動していました。

公明・高崎県議が 招致を提案
 「エンジン01文化戦略会議 」は、文 化、行政、経済など異なる分野の専門家たちが「円陣」を組んで新時代の文化を創造する「エンジン」になろ うと、2001年に発足しました。各分野の専門家が会員で、公開型のセミナーを定期的に行うほか、毎年、地方都市などで地域活性化を視野に入れたテーマを掲げて大規模なオープンカレッジを開催しています。
 こうしたエンジン01が展開しているイベントについて、公明党の高崎県議は、2014年6月定例会で取り上げ、「茨城の魅力発信と文化・芸術を核とした地域活性化のためにも水戸で開催すべきだ」とイベントの招致を提案し、県から前向きに取り組む意向を引き出していました。

ワークショップで作られたみとちゃんの貼り絵

平成26年第2回定例県議会【高崎進県議の一般質問】
 エンジン01文化戦略会議オープンカレッジの誘致についてお伺いをいたします。
 昨今、文化・芸術を核とした地域の活性化に取り組む自治体がふえております。文化・芸術の香りが漂い、人々の生活に豊かさと潤いを与える取り組みは、大変歓迎すべきことと思っております。
 本県においても、今まで以上に県民に喜びや感動と潤いを与えることができるような環境を整え、文化・芸術の継承を担う人材育成を図ることは、ますます重要であります。さらに、文化・芸術を核とした地域の活性化に取り組むことも必要であると考えております。
 先日、山梨県庁を訪れ、昨年11月に開催されたエンジン01文化戦略会議オープンカレッジin甲府の事業内容を調査してまいりました。
 エンジン01文化戦略会議は、作曲家の三枝成彰氏や作詞家の秋元康氏、本県出身のオペラ歌手中丸三千繪氏など、日本を代表する文化人、知識人、芸術家などが、日本文化のさらなる深まりと広がりを目的に参集したボランティア集団であります。
 そのエンジン01文化戦略会議の最大規模のイベントであるオープンカレッジは、毎年1回、会員のうち150名程度の講師が地元都市に集結し、3日間にわたって地域の人たちと知の交流を行います。市民向けに、文化人たちによるさまざまな趣向を凝らした数多くの講座やイベントが繰り広げられるとともに、開催2日目の夜には、講師陣が市内の飲食店舗20会場ほどに分かれて市民と懇談する「夜楽」を実施いたします。甲府市で開催されたエンジン01文化戦略会議オープンカレッジには、全国から延べ1万9000人の来場者がありました。
 私は、文化・芸術を核とした地域の活性化、さらに、県民に喜びや感動と潤いを与えるとともに、文化・芸術の継承を担う人材育成を図る上でも有効なエンジン01文化戦略会議オープンカレッジを水戸で開催すべきと考えております。
 ことしは富山市で開催されます。来年以降の開催地はまだ決定されておりませんが、多くの自治体が誘致活動に動いております。
 そこで、茨城の魅力発信と文化・芸術を核とした地域の活性化や、さらに、原発事故による風評被害を払拭するためにも有効な事業として、エンジン01文化戦略会議オープンカレッジを本県の水戸に誘致することについて、知事の御所見をお伺いいたします。

【橋本知事の答弁】
 次に、エンジン01文化戦略会議オープンカレッジの誘致についてお答えいたします。
 エンジン01文化戦略会議オープンカレッジにつきましては、議員御指摘のとおり、日本文化のさらなる深まりと広がりを目的に、さまざまな分野の第一線で活躍している数多くの文化人が地方都市に集結し、多彩な講座やミニコンサートなどを開催しますほか、地元の方々と酒食をともにするなど、参加者の感性に訴え、新たな価値観や発想を生み出す契機となる、非常に独創的で刺激的なイベントとなっております。
 これまで甲府市を初めとする多くの地方都市で開催されてきたところでありますが、約2万人の一般来場者があるなど、地域振興の点でも大変有益であると考えております。
 水戸市については、偕楽園や弘道館を初めとした歴史・文化に恵まれておりますほか、近年は水戸芸術館を核として質の高い文化・芸術活動が行われていることなど、文化・芸術環境は過去の開催都市と比べても大変すぐれており、加えて、宿舎のホテルを1カ所で140部屋以上用意できること、1500人以上を収容するホールがあることなどの開催条件も満たすことができますところから、開催場所として大変ふさわしいのではないかと思われます。
 一方、これまでの例を見ますと、誘致は市町村が主体となって行われてきたところであります。このようなことから、一昨年、メンバーであるオペラ歌手の中丸三千繪さんから、オープンカレッジを誘致してはどうかという話をいただいた際、私から水戸市につなぎ、市と一緒になって誘致に向けた取り組みを進めているところであります。
 このオープンカレッジが本県で開催されますと、最先端の文化に触れることにより、県民の新たな文化の創造に対する理解が深まり、文化の担い手の裾野を拡大しますとともに、交流の促進による地域活性化、地域の魅力発信などが図られ、大変有意義であると考えております。
 議員も御存じのとおり、そのメンバー、大変すばらしいものがございます。現在、多くの地方都市が候補地として手を挙げている状況ではございますが、県といたしましては、今後も引き続きエンジン01文化戦略会議における本県ゆかりの会員の方々の御協力もいただきながら、水戸市と一体となり、オープンカレッジの早期実現に向け取り組んでまいります。