4月16日、共楽館の創建100年を記念して、「ふるさとの芸能を楽しむ集い『未来へつなぐ郷土の芸能 in 共楽館』」が、盛大に開催されました。 常陸大宮市立北小学校5年生による「白浪五人男・稲瀬川勢揃いの場」などが上演され、熱気あふれるイベントとなりました。
共楽館は、ちょうど100年前の大正6年(1917年)、 発展著しかった日立鉱山の従業員福利厚生施設として建設されました。大規模な妻入の劇場で、歌舞伎座を模したといわれています。正面入り口の左右に2階建、唐破風屋根の階段室が際立っています。内部1階は、コンクリート製の土間に8人掛けの畳付きの長椅子が設置され、2階部分は全て桟敷席となっていました。舞台に向かって左側には花道があり、必要に応じて右側にも仮設の花道を設けることが出来ました。定員は980名とされていましたが、約4000名もの入場者を集めたこともあったといわれています。舞台には、2カ所に役者のせり上がりが設置され、直径約9.7メートルの回り舞台が作られていました。
共楽館は、鉱工業都市として発展を続ける日立市を見つめ続け、地域住民の皆様とともに戦災や震災の危機を乗り越え、今日まで歴史を重ねてまいりました。
昭和42年に、日本鉱業から日立市に寄贈され、それ以降は日立市の武道の拠点施設として活用され、柔道・剣道をはじめとした多くの大会や各種武道・卓球などの室内スポー ツ活動に利用されてきました。
平成23年には耐震補強工事等が完了し、現在においても、年間約1万5000人の市民が利用されるなど、 広く活用されています。
また、 市内に現存する近代工業の発展を支えた施設でもあることから、「日立武道館(旧共楽館)」として、平成11年に国登録有形文化財に登録され、日立市においても、平成21年に市の指定文化財として指定を受けました。
今年、日立市では中央体育館(日立池の川さくらアリーナ)が完成しました。共楽館は、武道館としての役割から、今一度、日立の文化発信の拠点として再整備すべきだと提案します。日本の産業発展を支えた産業遺産群の中核施設として、共楽館を再生すべきだと考えます。
ふるさとの芸能を楽しむ集い『未来へつなぐ郷土の芸能 in 共楽館』