地域猫セミナーパンフレット(仮) 日立市の地域猫活動グループが、6月10日午後、「いばらき地域猫セミナー」を開催することになりました。
 平成29年度茨城県は、犬猫の殺処分ゼロを目指して、民間団体の活動費を支援するほか、野良猫の不妊・去勢手術をして地域で飼育する「地域猫活動」を推進するなど、積極的な動物愛護政策を展開します。
 2015年度に県動物指導センターで殺処分となった犬は1279匹、猫は2333匹で、 それぞれ全国で2番目、12番目に多いという不名誉な結果でした。
 その背景には、平地面積が広く、住宅の庭も広いため、逃げる可能性もある屋外飼育・放し飼いが多い、比較的温暖な気候なので、野良犬も冬が越せることなどが挙げられますが、飼い主の飼育放棄や多頭飼い崩壊などの問題も多い現状があります。
 こうした事態に茨城県議会は昨年12月、殺処分ゼロを目指す条例を議員提案し、全会一致で可決しました。さらに、平成29年度知事提出予算を増額修正し、適切な飼育の啓発や民間団体の育成に取り組むよう求めています。その結果、県は約6400万円を予算に盛り込み、具体的な対策をスタートさせることになりました。
 具体的には、犬猫の譲渡会を開くなどして殺処分減少に取り組む団体に最大30万円を補助。地域猫活動をしている地域を支援するため、猫の不妊・去勢手術費用を200匹程度まで補助するなどの新たな事業を展開します。
 また、殺処分を行う県動物指導センターに収容された犬猫を引き取り、飼い主を探そうとする個人・団体に、飼育費として1匹当たり1万円を補助することになりました。また、動物指導センターでも、不妊・去勢手術も行えるようにします。このほか、犬の放し飼いを減らすため、チラシを作るなどして啓発するほか、行方不明になった犬の情報を同センターと市町村で共有するなどのシステム作りにも取り組みます。
 動物愛護のモラルの向上と、不妊・去勢の支援拡大が車の両輪との基本的な考えに基づいた施策展開です。
 また、犬猫殺処分ゼロを目指す条例が制定されたことを受け、4月1日より、県はふるさと納税の「応援メニュー」に、「動物愛護」を追加しました。
 応援メニューは、子育て支援や震災復興など、寄付者が主な使途を指定できる仕組み。動物愛護を選択し場合は、民間団体への支援などに使われます。6月からは、民間のふるさと納税支援サイトで「いばらきの動物愛護推進」のメニューを掲載するために、準備を急いでいます。
【茨城県:地域猫活動への支援を重点的に行う】
 茨城県の動物愛護事業の中で、重点的に取り組むのが「地域猫」活動の支援です。地域で野良猫を適正に管理しながら、殺処分数を減らす「地域猫」活動が各地で広がっています。猫の愛護を進める個人や団体と地域、そして行政が一体となって、不妊・去勢手術を施して繁殖を抑え、適正な餌やりや環境美化・保全を行っていく取り組みが「地域猫」活動です。
 茨城県議会が昨年12月に制定した「茨城県犬猫殺処分ゼロを目指す条例」の第8条では、地域猫活動を念頭に「県は、所有者がいない猫を新たに生じさせないための地域住民等による人と猫との共生に配慮した取組を支援するよう努めるものとする」と明文化しました。
 これを受けて、平成29年度予算には、地域猫活動を支援するための具体的な予算措置が取られました。3月3日の県議会代表質問で橋本知事は「県といたしましては、犬猫の殺処分ゼロを目指す取組みをより一層推進していくことといたしました。まずは、喫緊の課題である猫への対策として、市町村と連携し、飼い主のいない猫に不妊去勢手術を行った後、地域全体で世話をし、一生を全うさせるという、いわゆる“地域猫活動”を支援することにより、猫の収容頭数の減少を図ってまいります」と答弁しました。

【県北地域で初の“地域猫”セミナーを開催
 地域猫活動の実践は、動物愛護を進める人たちと住民、行政、そして獣医師などの専門家のネットワークが不可欠です。
 まずは、地域猫活動の基本について先進地域の事例や具体的な進め方を、地域の中で確認することが重要です。
 日立市の神峰公園の駐車場をはじめとして、市内で地域猫活動を進めるボランティアグループは、「地域猫活動セミナー」を開催することになりました。
 茨城県の動物愛護に携わる皆さま方のご理解とご協力をいただき、“茨城県における、地域猫活動のファーストステップ”としてまいりたいと考えています。

いばらき地域猫セミナーを開催
  • 開催日時:2017年6月10日(土曜日) 午後2:00〜4:00
  • 会場:日立シビックセンター5階502会議室(日立市幸町1−21−1)
  • 内容:茨城県の動物愛護施策について(県生活衛生課動物愛護担当)、開催地首長挨拶(小川春樹日立市長:要請中)、講演(地域猫活動のファーストステップ:工藤久美子氏)
  • 講演者:工藤久美子氏(NPOねこだすけ代表理事)。工藤氏は、地域猫活動の草分け的存在。猫を愛する人と地域、そして行政の協働が何よりも重要と語る23年間の経験に基づいた講演は抜群の説得力があります。
  • 入場無料:定員は70名。