弾道ミサイル落下時の行動について
 4月21日、政府は北朝鮮のミサイル飛来に備えて都道府県の担当者向け説明会を開き、避難について住民への周知と訓練を呼びかけました。自分の身はまず自分で守る「民間防衛」。スイスの民間防衛は有名ですが、海外からの敵の攻撃を想定して備えを固めようとする初めての動きです。
 4月15日は北朝鮮の故金日成国家主席の生誕105年、そして今日25日は朝鮮人民軍創建85年の記念日を迎えています。金正恩朝鮮労働党率いる北朝鮮は、相次いで弾道ミサイルを発射。脅威が高まっています。
 現在の防衛システムで国民を守ることができるのか、万が一、「日本の領土に着弾」という事態に備え、身を守るための対応方法も知っておくことも重要です。
自衛隊はSM3とPAC3の2段階でミサイルを迎撃
 今年に入って、北朝鮮は弾道ミサイルを数多く発射しています。2月12日に新型の中距離弾道ミサイル「北極星2」を発射すると、3月6日には中距離弾道ミサイル「スカッドER」4発を日本海に向けて撃ち、このうち3発は日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾しました。3月22日、今月5日にも弾道ミサイルを発射しています。
 日本は、来襲するミサイルに対し、自衛隊は海上配備型迎撃ミサイル「SM3」と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の2段構えで迎撃する態勢を取っています。まず、日本海に展開するイージス艦がSM3を発射、ミサイルを迎撃します。撃ち漏らしたミサイルをPAC3が撃つという2段階です。1発ずつミサイルを撃たれたのであれば、9割以上の確率で撃ち落とせるといわれています。
 しかし、3月の事例のように同時に複数のミサイルが発射された場合には、自衛隊だけで対応できるのか疑問視されています。今後の防衛のため、THAADを日本に導入し3段階にすべき。THAADを6個部隊置けば完全に守ることができるなどとの発言が一部からは漏れています。

地面に伏せ、窓から離れて…政府HPにミサイル避難方法
 こうした迎撃態勢も、守れる範囲は国土のごく一部。万が一にもミサイルが着弾するようなことになったら、国民一人ひとりはどう行動すればいいのか。内閣官房の「国民保護ポータルサイト」へのアクセス数は、4月15日、過去の月間最高を超える45万8千件に達しました。
 ミサイルが来たら、その方向の地域に防災行政無線で緊急放送(Jアラート)が流れます。その際は、1.屋外にいたら頑丈な建物や地下街に避難。難しければ物陰に隠れるか地面に伏せ頭を守る、2.屋内にいたら窓から離れる。いずれも爆風による被害を抑えるためです。
 また、近くにミサイルが着弾したら、屋外にいた場合は、口と鼻をハンカチで覆い、現場から直ちに離れ、密閉性の高い屋内または風上に避難する。室内にいた場合は、換気扇を止め、窓を閉め、ま張りをして室内を密閉するとしています。放射能や化学物質、細菌兵器などから身を守るためです。
 国は都道府県の担当者に、こうした点を住民によく伝えた上で訓練をするよう要請。発射から10分以内で着弾するであろうミサイルに備え、「より実際に近い訓練にするため、どこに避難するか事前に決めないでほしい」と話した。政府が訓練の計画づくりに協力し、費用は全額負担すると促しました。