
NPOねこだすけ工藤久美子氏を迎え、地域猫活動の基本を確認
6月10日、井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党が地域創生プロジェクトの一環として、地元の地域猫活動グループの皆さまと供に「いばらき地域猫活動セミナー」を開催しました。
地域猫活動を提唱し、20年以上にわたって東京を中心に活動してきたNPO法人ねこだすけ代表理事で工藤久美子さんを講師としても迎えました。開催地である日立市梶山副市長のごあいさつ、茨城県保健福祉部保健衛生部動物愛護担当渡邊真司副参事には、新たな茨城県の動物愛護の取り組みについて説明していただきました。
地元の地域猫活動グループは日立市のかみね公園を中心として、飼い主のいないねこを避妊・去勢、餌やりり、トイレの世話、週辺環境の美化などをボランティアで行い、猫と地域住民の共生を図り、結果的にその数を減少させようとする取り組みです。地域猫活動を本格的にスタートさせるにあたって、先進事例や留意すべき点を学ぼうとセミナーが企画されました。
この呼びかけに、多くのボランティアや市町村の職員、市町村議員が呼応して、用意した資料が足りなくなるほどの参加者が集まりました。熱の込もったセミナーとなりました。
そもそも、地域猫とは、ここ20年ほどで広まった言葉です。まだ行政担当者や地方議会議員の中でも、その正確な意味を理解している人は多くないのが現状です。
私達人間は、快適に生活することを望んで、居住環境を整備してきました。野山は次々と町として整備され、大変便利な都市が発展してきました。しかし、人間とともに存在していたネコは、習性や生理も、何も変えずに生きてきました。そのために、フンの存在や尿の強い臭い、旺盛な繁殖力など、ネコと人間との間に大きな軋轢が生じるようになってきました。
このような存在のネコを排除するのではなく、人間の生活環境を考慮し、地域の中で妥協点を探しながら共存していこうという考え方が「地域猫」なのです。
ネコと似た存在にイヌがいます。イヌは人間にとって非常に恐ろしい狂犬病の発生を予防するために、狂犬病予防法で飼い主の飼育管理、行政の対応が明確に決まっています。一方ネコは、明確な法規制がないために飼い主も行政も極めて曖昧な対応に終始してきました。
その昔、ネコには人間に害をあたえるネズミを捕るという価値がありましたが、衛生環境が改善した現代においては、その唯一の役割もなくなってしまいました。いわば人間にとって好き嫌いの対象物となってしまったネコに対して、法律での規制はかなり強引な手法といえます。
ネコの飼育にあたっては、安全屋内飼育を徹底させるべきです。ネコを外で飼うことは大変危険なことです。道で自動車に跳ねられて死亡しているネコの数は、殺処分されている数よりもはるかに多くなっています。フンや尿、病気の仲介など、他の人間に大きな迷惑をかけます。
それでは、外で暮らしている飼い主のいないネコはどのように対応すれば良いのでしょうか。すべてのネコを保護して、行政が税金で室内飼育することが出来れば良いのですが、それは税金を支出する目的として認められません。
また、飼い主のないネコにとっては、室内や施設で生活することが幸せな暮らしとはいえないかもしれません。野性の環境で育ったネコは、人間生活になじませる方がストレスになってしまいます。
そこで地域猫という考え方、活動が誕生しました。
単なるノラネコにエサを上げているだけでは地球猫とは言いません。地域猫活動とは、
地域猫活動は、なかなか踏み切ることが大変ですが、活動がスタートすると、ネコの数が増えず、行動範囲が狭まり、フンやエサの管理がしっかり出来れば2年〜3年後には必ず成果が表われます。特に乳飲みネコの保護数は激減するといわれます。言葉を変えれば、殺処分数減少に直結します。
茨城県の新規事業、TNRの費用を全額補助
茨城県では、今年度の新規事業として、「地域猫活動推進事業」を創設しました。市町村が介入し、地域住民の理解が得られ、地域猫活動を実践していく地域猫活動グループに対し、技術的支援(説明会への参加、啓発資材の配布及び猫の捕獲器の貸与等)及び不妊去勢手術の費用の支援を行うものです。
地域猫活動グループに対して、地域住民の理解を深めるために市町村が開催する説明会等への参加、県民に活動を周知するためのチラシの作成・配布、猫の捕獲器の貸与、生活衛生課又は動物指導センター職員による助言、事業を実施する市町村又はその近隣の市町村に所在する動物病院との調整、飼い主のいない猫の不妊去勢手術費用の全額負担などの支援を県が行うこととしています。特にTNRに対する費用を、県が全額負担することは全国的にみても画期的な事業です。
今回の地域猫活動セミナーでは、こうした基本的な考え方を確認した上で、地球住民への広報の重要性、具体的なトイレの作り方、餌やりの仕方など、工藤先生よりわかりやすい話しがありました。
資料が足らなくなったり、時間の制約で質問が受けられなかったり、多くの反省もありましたが、茨城県の地域猫活動に大きな一石を投じることが出来ました。
参加者の皆さま、地域猫活動グループの皆さま、ご協力ありがとうございました。
私達人間は、快適に生活することを望んで、居住環境を整備してきました。野山は次々と町として整備され、大変便利な都市が発展してきました。しかし、人間とともに存在していたネコは、習性や生理も、何も変えずに生きてきました。そのために、フンの存在や尿の強い臭い、旺盛な繁殖力など、ネコと人間との間に大きな軋轢が生じるようになってきました。
このような存在のネコを排除するのではなく、人間の生活環境を考慮し、地域の中で妥協点を探しながら共存していこうという考え方が「地域猫」なのです。
ネコと似た存在にイヌがいます。イヌは人間にとって非常に恐ろしい狂犬病の発生を予防するために、狂犬病予防法で飼い主の飼育管理、行政の対応が明確に決まっています。一方ネコは、明確な法規制がないために飼い主も行政も極めて曖昧な対応に終始してきました。
その昔、ネコには人間に害をあたえるネズミを捕るという価値がありましたが、衛生環境が改善した現代においては、その唯一の役割もなくなってしまいました。いわば人間にとって好き嫌いの対象物となってしまったネコに対して、法律での規制はかなり強引な手法といえます。
ネコの飼育にあたっては、安全屋内飼育を徹底させるべきです。ネコを外で飼うことは大変危険なことです。道で自動車に跳ねられて死亡しているネコの数は、殺処分されている数よりもはるかに多くなっています。フンや尿、病気の仲介など、他の人間に大きな迷惑をかけます。
それでは、外で暮らしている飼い主のいないネコはどのように対応すれば良いのでしょうか。すべてのネコを保護して、行政が税金で室内飼育することが出来れば良いのですが、それは税金を支出する目的として認められません。
また、飼い主のないネコにとっては、室内や施設で生活することが幸せな暮らしとはいえないかもしれません。野性の環境で育ったネコは、人間生活になじませる方がストレスになってしまいます。
そこで地域猫という考え方、活動が誕生しました。
単なるノラネコにエサを上げているだけでは地球猫とは言いません。地域猫活動とは、
- 地域猫活動を行うボランテア(個人または団体)と実際に迷惑を被っている地域住民、そして市町村などの行政、またはそれに準ずる公的団体の三者が話し合い、連係を取る“場”をつくります。
- 飼い主のいないネコの実態を把握し、計画的にネコを捕獲します。
- 捕獲したネコは健康状態を検査し、避妊・去勢手術を行います。その処置が済んだネコは、耳にV字の切り込みを入れます。この耳の形がさくらの花びらに似ていることから、“さくらねこ”などとも呼ばれます。
- 健康診断や避妊・去勢、ある程度の病気治療が済んだネコは、もとの場所に戻されます。
- Trap/捕獲し,Neuter/不妊・去勢手術を行い,Return/元の場所に戻す、この一覧の活動をその頭文字からTNR活動といっています。
- 地域に戻されたネコには、餌やり、トイレの管理、週辺環境の美化などが、定期的・継続的に行われます。
地域猫活動は、なかなか踏み切ることが大変ですが、活動がスタートすると、ネコの数が増えず、行動範囲が狭まり、フンやエサの管理がしっかり出来れば2年〜3年後には必ず成果が表われます。特に乳飲みネコの保護数は激減するといわれます。言葉を変えれば、殺処分数減少に直結します。
茨城県の新規事業、TNRの費用を全額補助
茨城県では、今年度の新規事業として、「地域猫活動推進事業」を創設しました。市町村が介入し、地域住民の理解が得られ、地域猫活動を実践していく地域猫活動グループに対し、技術的支援(説明会への参加、啓発資材の配布及び猫の捕獲器の貸与等)及び不妊去勢手術の費用の支援を行うものです。
地域猫活動グループに対して、地域住民の理解を深めるために市町村が開催する説明会等への参加、県民に活動を周知するためのチラシの作成・配布、猫の捕獲器の貸与、生活衛生課又は動物指導センター職員による助言、事業を実施する市町村又はその近隣の市町村に所在する動物病院との調整、飼い主のいない猫の不妊去勢手術費用の全額負担などの支援を県が行うこととしています。特にTNRに対する費用を、県が全額負担することは全国的にみても画期的な事業です。
今回の地域猫活動セミナーでは、こうした基本的な考え方を確認した上で、地球住民への広報の重要性、具体的なトイレの作り方、餌やりの仕方など、工藤先生よりわかりやすい話しがありました。
資料が足らなくなったり、時間の制約で質問が受けられなかったり、多くの反省もありましたが、茨城県の地域猫活動に大きな一石を投じることが出来ました。
参加者の皆さま、地域猫活動グループの皆さま、ご協力ありがとうございました。