平成13年10月県議会一般質問

5.IT技術を活用した地域の活性化(商工労働部長答弁)
(1)『いばらき情報ブロードウェイ』の民間事業者への開放
(2)インキュベータ施設の整備

質問:井手義弘
 次に、IT技術を活用した地域の活性化について、商工労働部長にお伺いいたします。

 IT基盤の整備の波及効果は、情報関連業種だけが恩恵を被るものではありません。

 高速大容量の光ファイバー網が県内に整備されれば、広い茨城県が瞬時に結ばれることになります。また、東京への専用線が整備されれば、県内どこからでも東京直結の産業基盤が作られることになります。

 卑近な例ですが、一例を挙げて申し上げたいと思います。私は年に数回後援会の新聞を発行いたしまが、その原稿をパソコンで作り、印刷業者にデータを送るとします。写真も含めると10メガ程度。フロッピーディスクで10枚程度の容量のあるデータとなります。これを、現在の通信環境で印刷業者に送信しようとすると、最低でも25分程度の時間がかかることになります。実際は、メールにこのような大容量のファイルを添付することは問題が多く、インターネットで送信することは不可能になります。

 しかし、光ファイバーを利用したブロードバンド環境が実現している岡山市内で、私が実際に計測したところ、この10メガのファイルを20秒から30秒で送ることが出来ました。

 この速度の差は、ビジネスに大きな革新を起こします。

 また、約10分弱のビデオを作成したとします。このビデオの容量は、約2ギガとなります。フロッピーディスクおおよそ2000枚分です。この映像を現在の環境で送るとすると3日と10時間かかる計算になります。それが、光ファイバーの環境では8分30秒程度で送ることが出来ます。

 このように印刷業者や映像処理業者にとって、光ファイバーによる基盤整備の恩恵は多大なものがあります。

 その他、機械産業や建設関連の産業でも、電子化された膨大な設計図や図面のデータを瞬時にやりとりすることが出来るようになります。医療機関でも、レントゲンやCT画像を、瞬く間に送受信できるようになります。

 そのことによって、人や物の移動コストは劇的に軽減され、企業の効率的な経営が可能となります。

 そこで、福岡県や岡山県はインターネット通信事業者や有線放送テレビ事業者をはじめ、県内のあらゆる事業者に、県の光通信網を無料で開放しています。

 私は、県の進める『いばらき情報ブロードウェイ』も、県内事業者に無料で使用させ、県内事業者の効率的な経営に役立てていただくべきだと思いますが、商工労働部長にお考えをお伺いいたします。

答弁:商工労働部長
 IT技術を活用した地域の活性化にづいてお答えいたします。

 まず、情報通信基盤の民間事業者への開放についてでございます。

 高速大容量の情報通信基盤の整備は、産業への波及効果が非常に大きいものがあると考えております。

 このため、「ITを活用した産業活性化プログラム策定」のための調査を行い、県内中小企業の情報通層に対するニーズを把握したいと考えております。

具体的には、製造業や流通業などの事業者が、高速大容量の情報通信基盤を活用して新たな事業展開を実現するために必要な、通信設備や回線容量、及び接続するための必要条件などを把握いたします。

 さらに、通信基盤の利用を促進し、県内中小企巣のIT化や、IT関連産業の育成・誘致に結びつけるための支援農を調査検討することとしております。

 県といたしましては、本県産業のさらなる発展のためには、県内の事業者に、この情報通信基盤を積極的に利活用していただくことが重要であると考えておりますので、議員からご提案を心ただきました、事業者への無料開放につきましても、この調査結果等を踏まえ、積極的に検討してまいります。

質問:井手義弘
 続いて、インキュベータ施設の整備についてお伺いたします。

 地域から創造性あふれる新たな企業を育てるためには、基本的な基盤整備や法律・制度に関してしっかりとサポートできる体制を整備する必要があります。

 情報通信分野では、日進月歩の研究開発によって、数多くのビジネスチャンスが生まれています。そこで、ベンチャー企業を支援するインキュベータ施設の整備を、県が中心になって行うことを、私は強く主張してまいりました。つくば地域に整備する方向と、お伺いいたしておりますが、その計画はどのように進んでいるのでしょうか。まずお伺いいたします。

 また、本年3月の環境商工委員会で、水戸や日立市などの市街地の空きビル対策として、まちかどインキュベータを提案させていただきました。その後のご検討の経過を、商工労働部長に、ご報告いただきたいと存じます。

答弁:商工労働部長
 次に、インキユベーターの設置についてでございます。

 県では、主要研究機関や大学、関係団体、行政機関等で構成する「つくば連絡会」などにおいて、官民の多様なインキュベーター間の連携方策やそれらの施設におけるソフト支援の充実などについて検討を進めて心るところでございます。

 特に、つくば地域へのインキュベーターの整備につきましては、これまで、地域振興整備公団に対して要望をし、現在、その施設内容や規模等について、公団との意見調整を行っているところでございますが、今後とも、公団に対し、早期整備を要請してまいりたいと考えております。

 次に、本年第一回定例会の環境商工委員会において、ご提案いただきました水戸市や日立市の空きビルを活用したインキュベーターの整備についてでございます。

 その後、水戸市や日立市に打診をしましたところ、日立市においては、市内事業者約100社の需要動向等の調査を行い、オフィス環境の整備に対する支援方策などについて、具体的な検討を進めていただいておりますので、今後、その結果を踏まえて、市と協議してまいります。

 また、空きビル等の利活用は、中心市街地の活性化方策の重要な課題の一つでもありますので、インキュベーターなどの活用について、県といたしましても、引き続き、地元自治体と検討してまいりたいと考えております。




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