ibarakiIT

いばらきのIT戦略<私の提案>
いばらきブロードバンドネットワーク構想
地域IXの誘致(整備)が不可欠

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地域IX整備の重要性

 インターネットの基本的な構造は、WEBという言葉に象徴されるように網の目の構造になっていると言われています。

010623internet_old_2 しかし、日本の現状は、首都圏、特に東京への一極集中が顕著であり、例えば茨城県の住民が茨城県庁の情報を得ようとすると、契約しているプロバイダー(ISP)から東京都内のインターネットエクスチェンジ(IX:NSPIXP2やJPIX)を経由して、再び茨城県内に戻り、県庁にアクセスするという形になっています。日立市に住んでいる人が、水戸市の県庁に行く時に、東京までわざわざ出かけていって、水戸まで戻ってきているのと同じ事になってしまっています。

 こうした現状の構造は、3つの点から早期の是正が必要だと考えます。

 その第一は、情報の地域格差が生まれるという点です。

 県内のインターネットプロバイダーや情報を発信しようとする人は、最寄りのIXまで専用線を使用する必要があります。

 2001年6月現在での150Mbpsの専用線使用料は、東京都内では月額75万円(NTTのATM網)であるの対し、茨城県内では、月額360万円(CWCの専用線借上料)と費用面で5倍近くの格差があります。地方の情報格差を無くすためには、途中の専用線使用料を限りなくゼロに近づける努力をしなくてはなりません。

 第二は、情報の流通量(トラフィック)の増大によって、ブローバンドサービスが支障なく提供できるかという問題です。

 ブローバンドの進展により、インターネット放送局などによる映像配信などの新たなサービスが期待されています。全国で唯一県域テレビがない茨城県では、もっともこのサービスが要望されているところです。

 こうしたブローバンドサービスが立ち上がるにつれて、現状の東京一極集中のIX体制では、ごく近い将来、限界に達することも予見されます。

 第三番目は、情報基盤の安全保障、リスク管理の必要性です。

 東京に集中する情報通信基盤は、いったん大きな自然災害や不測の事態が起こった際、非常な脆弱な体制になっています。本来、リスク分散の通信システムがインターネットであったはずです。直線上のシステムを一刻も早く網目状に整備する必要があります。

 こうした、現状の不備を改善するためには、地域ごとにIXを整備していくことが重要です。

 地域IXの目的は、地域の情報を地域でルーティングして、インターネットの負荷を軽減する事にあります。また、地域IX整備とともに、県内の光ファーファイバー整備が進めば、地域のプロバイダーや情報発信者の費用負担は劇的に軽減されることになります。

 繰り返しになりますが、地元の地域情報を、東京経由ではなく地域内でスムーズに交換しあい、かつ中央のボトルネックを軽減する地域IXの存在は、今後のインターネット社会の発展に不可欠になります。

 さらに、茨城県のように東京に近い特性を一層活かすとすれば、茨城地域IXと東京のNSPIXP2やJPIXと直結する大容量専用線を確保することが一番だと提案します。

 茨城県のインターネット環境=IT環境を劇的に進めるためには、「県内光ファイバー網の整備」「茨城地域IXセンター」「地域IX間の大容量専用線」この3点セットを整備する必要があります。今この時期に、具体的な整備計画を策定し、他地域に先駆けての環境整備を行っていくべきです。

茨城県議会議員 井手よしひろ




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