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全国で2番目に小さな市・福岡県山田市が全世帯CATVによるFTTH化
1.2Mbpsの常時接続、IP電話網で市内通話無料化を実現

20030703_01 光ファイバー網の活用で、市民生活の向上を――。旧産炭地・筑豊地域にある福岡県山田市で、IT(情報技術)社会を先取りした夢のある事業が進められています。

 市内の全家庭をCATV(光ファイバー)網で結んで、行政サービスの向上を図るとともに、産業振興や福祉の充実などに役立てようというものです。2003年8月から本格サービスをスタートさせる予定です。

 山田市の人口は1万2000人あまり、全国の市の中で2番目に人口が少ない市です。しかも、高齢化率(65歳以上のお年寄りの全人口に占める割合)が27.15%(全国平均17.5%)と高く、そのうち、独り暮らしのお年寄りが約1000人を占めています。こうした状況もあって、お年寄りや障害者が快適かつ、安心して暮らせる生活環境をつくろうと、光ファイバーを活用したCATV網(有線テレビ)によるネットワークづくりに着手しました。

 この事業は国の補助を有効に活用した市の単独事業です。市役所の敷地内に平屋建て(174m2)の情報センターを建設し、情報センターと市内の全世帯(約5000世帯)、さらには公民館などの公共施設の間を結ぶ総延長約70キロの光ファイバー網を敷設します。各家庭のテレビ、電話、パソコンと結び、送信・受信が双方向にできるようにします。

 山田市では、このネットワークを利用し、防災情報を流す一方、在宅医療、教育にも活用する予定です。また、一人暮らしのお年寄りの安否確認、市域の4分の1にも上るテレビ難視聴地域の解消、テレビ会議による遠隔教育、学校間情報交流にも役立てます。さらには、市独自のコミュニティーチャンネルを設けて、自主番組や市民の手による番組を制作、行政情報や地域に密着した情報を市民に提供することも計画しています。

  この事業の中では、市内電話通話料の無料化が大きな話題となっています。光ファイバーの敷設に伴い、インターネット・プロトコルを活用した電話(IP電話)で、市内通話料が、使い放題・無料になっています。

井手県議山田市を現地調査(2003/7/3)
松岡市長と懇談、情報推進課担当者より事業の推進状況を聴取

20030703_02 2003年7月3日、井手よしひろ県議は、山田市役所を訪問。地元大久保法明市議(公明党)の案内で、松岡賛山田市長に面会しました。

 松岡市長は、「多額の税金や国からの助成を受けて行う事業であり、何としても成功させたい。事業を進めれば進めるほど、様々な問題も表面化しているのは事実。しかし、市民にも次第にこの事業の重要性や便利さが理解されてきた。最近では、台風情報で音声告知機能が大いに評価された。8月からの本格稼働を是非成功させていきたい」と、熱く語っていました。また「現在2市5町での広域合併の話が進んでいる。なぜ山田市民だけ市内電話が無料なのか?との話題が出るほどになってきている」と、合併議論の中で、一歩進んだ山田市の取り組みが語られている状況を説明してくれました。

 市長との懇談の後、情報センター内を視察。情報推進課・牟田口敏助課長、ケーブルテレビ担当・原田宣浩係長より、CATV事業の詳細説明を伺いました。事業の課題やIP電話の問題点、実際の利用促進の課題など現場の声を直接伺うことが出来ました。

 その中で、市民の最も関心が高いIP電話については、エコー音がひどいなどの苦情が局所的に寄せられたり、スタート当初大変苦労した模様を説明して頂きました。山田市では、機器の設置、利用者の管理(利用料金の徴収事務)、保守・点検、故障時の対応、CATVの独自番組作成、普及啓発事業など、全ての業務を外部委託せずに直接市職員が行っています。(情報推進課が担当)今後さらに効率的な事業推進体制について、検討が必要になるかもしれないとの感想を持ちました。

 さらに、市立図書館で一般市民を対象にしたCATV(インターネット)活用説明会(IT講習会)の模様を視察させて頂きました。家庭の主婦が、インターネットでのネット通販サイトをテーマに、活用法を勉強していました。こうした講習会を連日開催しているとのことで、整備されたインフラをどう市民が使いこなしていくかが、今後、最大の課題になりそうです。

030703yamada_webcam●全世帯に光ファイバー網を張り巡らせる
●山田市情報センターは、CATVの放送局、インターネットのプロバイダー、防災無線の基地局、テレビ電話の中継局、IP電話の中継局などの役割を担う。
●市内全家庭でCATVと一般のテレビを使ったインターネットとメールのサービスを無料で受けられる。
●セットトップボックスに電話機を接続すると、IP電話として使うことができる。市内電話が無料で利用できる。
●パソコンを別途購入すれば、常時接続のブロードバンド・インターネット回線として利用できる。接続スピードは1.2Mbps。月額使用料はプロバイダー料込みで2,500円の予定。
●セットトップボックスにはスピーカーが装備され、緊急時には防災無線の個別受信機として機能する。
●セットトップボックスにはCCDカメラを取り付けることができる。お年寄りの安否確認サービスなどにテレビ電話として活用する。
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福岡県山田市のCATV事業
事業主体市の直営で行う
事業費4億8269万円
財源内訳国庫補助金(新世代地域ケーブルテレビ施設整備費補助金)1億5771万円
過疎債(国からの地方交付税で70%充当される、山田市負担は30%)3億2250万円
一般財源9万円
運営費運営費4000万程度
収入見込みCSテレビ受信料1000万円(月額1000円×1000件)
インターネット接続料1250万円(月額2500円×500件)
付加サービスインターネット市内全世帯にセットトップボックス(STB)を設置し、無料でテレビインターネットが使用できます。パソコンでインターネットをする場合、有料(月額2500円程度)で1.2M常時接続の環境が提供されます。
IP電話(インターネット・プロトコル電話)IP電話は市内通話(0948ー52ー****、0948ー53ー****)間の通話を無料で提供します。
テレビ電話音声信号と映像信号をA/D変換し、インターネットのパケットとして送受信を行います。ひとり住まいのお年寄りの安否確認などのサービスに活用する予定です。
防災等などの緊急情報一斉告知放送防災無線網とCATV網を接続し、緊急告知用電波を受信するとSTB内部スピーカーで音声告知を行います。


山田市:
http://www.city.yamada.fukuoka.jp/

取材先
山田市情報推進課
〒821-8501 福岡県山田市上山田392
電話0948-53-1121

最終更新日:07/12/2003 09:16:25




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