
第2回IT市民講座を開催
総務省と国土交通省の担当者を招き国のe-Japan計画の実行戦略を聞く
第2回IT市民講座
「日立IT市民の会」(野地均一代表)が主催する「第2回IT市民講座」が、2001年9月3日夜、日立市西成沢町の日立地区産業支援センターで開催されました。

日立地区産業支援センター大研修室で開催された第2回IT市民講座
講師に総務省関東総合通信局情報通信部情報通信振興課の内藤一郎氏と、国土交通省関東地方整備局企画部企画課の藤田浩氏を迎え、情報化に対する自治体の支援策や、関東地区の防災管理とIT戦略などが説明され、参加者との質疑応答も活発に行われました。
総務省の内藤氏の講座では、e−Japan重点計画の概要を説明し、日本の情報通信分野のレベルが主要国に比べ低い位置にある原因として、論理的に電話網とは別個のネットワークにより提供されるインターネット網が音声電話網の上に作られていることや、現在は解消されてきたが、従量制による高い通信料金などが考えられると語りました。

総務省関東総合通信局の内藤一郎氏
今後5年以内に整備される、超高速ネットワークインフラなどの形成推進では、電力線搬送通信設備に使用する周波数の拡大などの調査、検討に見られるように、日本独自の発展を目指していくことが示されました。
内藤氏は「情報通信分野の発展は、民間が主導的な役割を担うのが大原則であり、政府は電子政府の実現や基盤的技術の研究開発といった、民間主導では実現し得ない部分について積極的に対応していく必要がある」と官民の役割分担を強調しました。
また、教育や学習、人材の育成現場において、インターネットを利用した授業が有効であり、早急な基盤整備と人材の育成が必要であると語りました。
県や市町村への国の補助事業にも触れ、関東地方では一般的に行政の取り組みが遅れていることを指摘し、市民レベルでの運動の盛り上がりに期待を寄せました。
参考:関東総合通信局のHP
参考:関東地方都道府県別情報通信施策の展開状況
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一方、国土交通省の藤田氏は、「関東広域情報ネット」を中心に講演を行いました。

国土交通省関東地方整備局の藤田浩氏
関東全域の危機管理について、公共的な情報通信基盤として整備している、河川や道路の管理用光ファイバ網を地域のために有効に活用するために、関東広域情報ネット構想が計画され、進められています。
同構想は、関東全域の防災・危機管理の情報ネットワークの基盤の整備や多様なメディアを通した災害時と日常時の情報提供の高度化、市民参加の双方向コミュニケージョンの推進、広域の自治体情報をはじめとする広域連帯の促進を目的としています。
2005年までには、光ファイバ網により関東地方の全市町村の69%をカバーし、CATV網の活用により、そのエリアを76%まで拡大するとのことです。
災害時には、迅速・確実な情報を住民に提供し、河川解説者によるわかりやすい解説の実施や、水系ごとに情報サービスを体系し、リアルタイムの映像や自然・生物などの情報ライブラリーを提供できるようになる事が報告されました。
現在日立市も含め、茨城県内の「関東広域情報ネット」の活用法について市町村との協議・検討を行っています。
講演終了後質疑応答が行われました。
ウイルス対策や電子商取り引きなどに関する質問が出された。
その中でも、国道6号線の光ファイバの一般への解放への可能性について藤田氏は「従来、道路、河川を管理することを目的として整備されてきた、光ファイバ網はほかに利用することは、法律上難しい。しかし、同様の意見が多く出されたら今後の課題となるでしょう」などと回答しまた。
講座は予定時間をオーバーするほどの盛況ぶりで、参加者たちは、メモをとるなどして、熱心に講座に聞き入っていました。

参考:関東広域情報ネット構想のHP
参考:国土交通省関東地方整備局のHP
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上記の内容は、新いばらき新聞の記事を元に井手よしひろが一部解説、訂正を加えました。
このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。 |