平成10年 第4回定例県議会本会議 速 報

<平成10年11月10日 火曜日 午後1時開議>
平成10年 第4回定例県議会本会議 知事提案説明要旨

 
平成10年11月10日


 平成10年第4回県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。

最近の経済情勢等

 まず、最近の県内経済情勢は、景気の低迷状況が続き、雇用の面でも、9月の有効求人倍率が3か月連続で過去最低水準となるなど、引き続き極めて厳しい状況となっております。

 県では、これまで本県経済を回復軌道にのせるため、公共事業等の積極的な施行の推進に努めてきたところでありますが、上半期の契約率は過去最高の82.2パーセントとなり、目標率を上回ったところであります。

 また、厳しい雇用情勢に対処し、県内の新規求人開拓を図るため、先般県内企業約1万6千社に対し、雇用確保について協力を要請いたしました。

 今後は、国の動向に十分留意しつつ、9月補正において景気対策として追加した事業の早期発注に努めるなど、本県経済の1日も早い回復に向けて、適切かつ効果的な措置を講じてまいりたいと存じます。

 なお、現在、国では経済対策の一環として恒久的な減税の議論がなされておりますが、その内容如何によっては、本県の県税収入も大幅な減収となることが想定され、財政運営に甚大な影響を生じる恐れがあります。

 このため、去る10月8日、地方6団体の主催による「税制改正問題緊急全国大会」が開催され、地方の総意を結集した緊急決議が採択されるとともに、国会議員及び関係省庁に対し、今回の恒久的減税を地方の財政運営に影響を及ぼさないものとするよう、強く訴えてきたところであります。

 今後とも、地方の実情に十分配慮した税制改正が行われるよう、あらゆる機会を捉え、国に対し要請してまいりたいと考えております。

 県議会におかれましても、既に税制改正に関する意見書を提出されているところでありますが、地方税財源の充実確保を図るため、なお一層のご尽力をお願いいたします。

ゆうあいピック茨城大会の開催

 次に、去る10月17日・18日の2日間、高円宮同妃両殿下をお迎えし、「いい友、いい愛、いい心」をスローガンに、ゆうあいピック茨城大会を開催いたしました。

 初日はあいにくの悪天候で一部日程の変更を余儀なくされましたが、2日目には青空が広がり、無事全競技を終了し、2日間で選手、大会関係者、観客など約10万2千人のご参加をいただき、成功裡に幕を閉じることができました。

 ここに、競技団体などの関係者をはじめ、大会を陰で支えていただいた7千名のボランティアの方々、さらには温かい声援を送っていただいた多くの県民の皆様に対しまして深く感謝申し上げる次第であります。

 大会では、各競技会場ともハンディを乗り越えて懸命に頑張るひたむきな姿と健闘をたたえ合う爽やかな笑顔があちこちに見られ、私どもに素晴らしい感動を与えてくれました。 特に、本県選手団は、日頃の練習の成果を十分発揮し、金メダル43個を含む152個のメダルを獲得するなど、過去最高となる輝かしい成績を収めたところであります。

 今後は、大会期間中に育まれました友情とふれあいの輪がさらに大きく広がることを期待いたしますとともに、今大会を契機として、障害者の自立と社会参加の促進になお一層努め、稚もが健やかに暮らせる安らぎに満ちた社会づくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。

常陸那珂港の供用開始

 次に、国際海上コンテナターミナルを備えた中核国際港湾として整備を進めてまいりました常陸那珂港が、来月21日に供用開始の運びとなりました。

 常陸那珂港につきましては、常陸那珂地区開発の中核事業として平成元年に着工し、昨年から北埠頭の本格的な埋め立てに着手しておりましたが、この度北埠頭の内貿地区バースが完成し、第1船の入港を迎えることとなったものであります。

 さらに、来年末には外貿コンテナターミナルも供用を開始する予定となっております。

 こうしたなか、港の利用促進を図るため、去る10月19日から6日間にわたり、副知事を団長として、経済発展の目ざましい中国の上海.香港地域等を対象にポートセールスを実施し、現地の船会社、荷主企業等に対し、最新情報の提供と積極的なPRを行ってまいりました。

 今後、北関東自動車道等の準備と相まって、首都圏全体の物流体系の合理的再縮と北関東地域の経済発展に大きく寄与してくれるものと考えております。

県庁跡地利用

 次に、県庁跡地の利用についてであります。

 県庁跡地利用の基本的な方向につきましては、既に第3回定例会で申し上げたところでありますが、このうち本庁舎につきましては、暫定利用であることを考慮しつつ、できるだけ多数の利用者を見込め、賑わいを少しでも保てることを念頭に置きながら、その活用方策について検討を進めてまいりました。

 その結果、利用機関といたしまして、中央児童相談所など福祉関係の相談機関を集約した(仮称)福祉総合相談センター、水戸生涯学習センターの講座室、茨城大学の公開講座、県関連団体の高度情報化推進協議会、大好きいばらき県民会議、ボランティア活動支援のための(仮称)県民交流サロンなどを見込んでおりますほか、現在パスポートセンター及びカルチャーセンターについて調整を進めているところであります。

 今後は、これらの機関と使用面積や改装工事の内容等についての協議を進め、県庁移転後、極力空白期間が生じないよう対応してまいる所存であります。

首都機能誘致

 次に、首都機能誘致についてであります。

 去る9月29日、政府の国会等移転審議会による茨城中北部地域の現地調査が行われ、当地域の持つ災害に対する安全性、東京との連携の容易性、さらには本県が考えております「公園の中の国際政治都市」づくりの方向等につきまして強くアピールいたしました。

 一方、審議会の石原会長代理には、記者会見で、他の候補地と比べ、起伏が少なく平坦部が多いこと、緑が多くほとんど連坦した市街地がないこと、土地取得の面で好条件を有していること、といった評価をいただいたところであり、本県候補地の優位性について、審議会の皆様方にご理解をいただけたものと考えております。

 また、先の北東地域5県知事会議において決議した共同アピールに基づき、明日、5県知事により国土庁長官等への要望を行うことといたしております。

 審議会におきましては、移転候補地全ての現地調査を終え、来年秋頃には移転先候補地の選定を行う予定となっておりますので、県といたしましては、引き続き、県議会や誘致組織、さらには北東地域の各県とも連携を図り、より一層積極的な誘致活動と県民の合意形成に努めてまいりたいと考えております。

公的介獲保険制度への対応

 次に、平成12年度から導入される公的介護保険制度への対応についてであります。

 まず、現在、平成11年度を初年度とする第3次茨城県保健医療計画の策定作業を進めておりますが、介護保険制度の導入を間近に控え、同制度における施設サービスの柱の一つである療養型病床群の整備が急務であることから、その整備目標を先行して設定するとともに、計画の基本となる二次保健医療圏の見直しを行い、去る10月5日に公示いたしました。

 今後は、介護保険制度の円滑な導入を図るため、この計画に基づく整備目標の達成に向けて療養型病床群の整備を積極的に促進してまいります。

 また、介護サービス計画の作成などに当たる介護支援専門員に係る実務研修受講試験を、去る9月27日、県内7会場において実施いたしましたが、予想を上回る3,440人の方々が受験され、介護保険制度に対する関心の高さが窺われたところであります。

今月16日に合格発表を行い、合格者に対しましては、12月から実務研修を実施することといたしております。

 さらに、介護保険制度導入の事前準備として、全市町村において、要介護認定や介護サービス計画作成等に係る試行的事業を9月30日から11月30日まで実施しておりますが、この結果を実務に生かし、要介確認定のための調査や介護認定審査会の運営が円滑に行われるよう市町村の体制整備に万全を期してまいります。

ダイオキシン対策

 次に、龍ヶ崎地方塵芥処理組合城取清掃工場周辺のダイオキシン問題についてでありますが、これまでその実態を把握すべく、土壌や水質等の環境調査を進めてまいりましたが、先般調査結果がまとまり、去る10月23日に地元新利根町で説明会を行い、公表いたしました。

 今回の環境調査に当たりましては、調査過程の透明性を確保する観点から、調査地点等の地元説明会を開催し、試料の採取に際して住民の立会いを求めるとともに、分析結果の信頼性を高めるため、同一試料を2回測定する二重測定や2つの調査機関によるクロスチェックを実施したところであります。

 調査結果につきましては、平成8年度に県等が実施した調査結果や環境庁等が実施した全国の調査データと同じく、施設周辺の環境中におけるダイオキシン濃度は一般的な環境濃度レベルであることを確認いたしたところであります。

 なお、血液中におけるダイオキシン類の濃度検査等の健康調査につきましては、先般専門家等による検討委員会において、調査の対象や内容、方法等を決定し、調査対象者の公募を始めたところであり、今後健康珍断等を経て、12月中旬には採血し、専門機関に分析を依頼する予定となっております。

メディアパークシティ整備事業の推進

 次に、伊奈町の東部丘陵地区に予定しているメディアパークシティ整備事業の推進についてであります。

 これまで第1期事業として、歴史公園「EDO・テック(仮称)」の事業化に向けて取り組んできたところでありますが、この度、町と一体となり、歴史公園の整備・運営を行う第3セクター「株式会社メディアパークつくば」が、多くの企業のご賛同、ご協力により役立の運びとなりました。

 歴史公園「EDO・テック(仮称)」は、江戸時代の歴史やマルチメディアの体験学習施設等を備える、伝統と先端技術を融合させた地域交流拠点として整備を図るものであり、平成12年春のオープンを予定しております。

鹿島地区共同再資源化センターの整備

 次に、鹿島地区共同再資源化センターの整備についてでありますが、これまで鋭意地元住民との話し合いを進めてきたところでありますが.この程概ね地元の方々のご理解を得られ、今月中にも整備・運営主体となる第3セクターが役立される運びとなりました。

 本施設は、鹿島地域1市2町の一般廃棄物と立地企業の産業廃棄物を共同処理するとともに、そこで発生した熱エネルギーを電力、蒸気等のエネルギーとして回収・再利用しようとするものであり、全国的にも類例のない先駆的な試みとなるものであります。

 これにより、鹿島地区における効率的な廃棄物処理が図られるのみならず、地球環境問題や地域振興にも大きく寄与するものと考えております。

筑波西部地域石材産地活性化対策

 次に、筑波西部地域石材産地活性化対策についてであります。

 海外石材製品の輸入の増加や消費の低迷によって厳しい経営環境にあります筑波西部地域の石材業の活性化を図るため、策定を進めておりました「特定中小企業集積活性化計画」が、9月28日付けで国に承認され、笠間市など4市町村が特定産業集積活性化法の対象地域に指定されました。

 また、この活性化計画の趣旨に基づき、石材製品の販路開拓を図るため、県、地元市町村の支援の下、石材組合が中心となって第1回の「いばらきストーン・フェスティバル」が、去る10月31日から4日間、笠間芸術の森公園で開催されましたが、首都圏などから多数の入場者があり、成功のうちに終了したところであります。

 今後とも、新技術や新製品の開発など活性化計画に基づく各種事業を進めるに当たって積極的に支援を行い、当地域の石材業の振興に努めてまいります。

県立施設等の整備

 次に、県立施設等の整備についてであります。

 まず、2002年ワールドカップの会場となるカシマサッカースタジアム改修工事に係る起工式が去る10月14日に行われ、2001年春の完成を目指し、工事に着手いたしたところであります。

 この改修工事により、収容人員が現在の15,870席から41,800席と大幅に増加するほか、大型映像装置を設置し、また外観も波状の屋根を載せた楕円形になるなど、スタジアムは大きく生まれ変わることとなります。

 次に、本県における小児心臓疾患の治療体制を整備するため、本年、県立こども病院に、小児の開心手術ができる心臓血管外科を開設し、準備を進めてまいりましたが、去る10月12日に開設後第1例日の開心手術を実施したところであります。

 今後は、年間50件程度の開心手術を予定しているところであり、少子化が進むなか、安心して子どもを産み、育てられる医療環境の整備に一層努めてまいります。

 次に、行方地域住民の長年の悲願でありました「(仮称)土浦協同病院行方分院」の建設工事が、去る10月12日、行方郡玉造町地内の建設予定地で着工の運びとなりました。

 同病院は、総合病院として平成12年春の開院を目指しており、県といたしましても地元5町とともに積極的に支援し、整備を促進してまいります。

 次に、大子町の国道118号沿いに整備を進めてまいりました、県内5番目の道の駅「奥久慈だいご」が10月23日にオープンいたしました。

 この施設は、駐車場.トイレ、レストラン、売店、情報コーナ等のほか、道の駅としては県内で初めての温泉入浴施設を備えており、観光客をはじめとする多くの方々の憩いの場として利用され、地域の振興に役立つものと期待いたしております。

提出議案等

 次に、提出議案等についてご説明申し上げます。

 今回の提出議案は、条例その他11件、報告1件であります。

 条例は、改正するもの4件であり、規制緩和の観点から営業許可対象の削滅等所要の改正をしようとする「茨城県食品衛生条例の一部を改正する条例」などであります。

 条例以外の議案といたしましては7件で、県有財産の売却処分などであります。

 報告は、専決処分の報告であります。、

 以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお、詳細につきましては、お手元の議案書等によりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。




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