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2002年サッカーワールドカップ日本韓国共同開催決定


kasima_1  ワールドカップ2002の開催国が決定する6月1日。鹿嶋市の卜伝の郷運動公園では、日本開催を祝賀する大会が開催される予定であった。
 しかし、おおかたの期待を裏切り、前日の午後9時には、事実上の日韓共同開催がスイス・チューリヒのFIFA理事会で決定された。
 当日は、開催候補地15自治体が次々にイベントを取りやめていく中で、鹿嶋市のイベントはスイス・チューリヒからの衛星生中継や「2002回の万歳」などが中止になるなど、縮小はあったものの盛大に開催された。
 鹿島神宮新地地区の住民らによる山車が予定通り午前7時、約三キロの道程をゆっくりと運ばれて、イベントはスタート。
 スポーツセンターに隣接して作られた、作られた特設会湖には午後になると、次々に市民が参集。午後三時前に、1000人が列をつくった。
 参加者は午後4時から、スホーツセンターメーンアリーナと特設舞台に設置された大型テレビで、Jリーグのアントラーズ対エスパルスを観戦した。
 午後6時40分、五十里 武 市長が壇上に上がり「2002年ワールドカップは、21世紀最初の国境を越えた大きなイベントとなる」と述べ、大きな拍手を受けた。
kasima_2 この後、ビックホーンズビー(米米クラブのホーンセクション)が演奏を繰り広げた。
 7時10分、ジーコがブラジルから衛星中継で画面に登場。「喜びは半分だが、鹿嶋にW杯をもってこられるよう全力を尽くす。鹿島のサツカーは市民の努力によって作り上げられたものだということを全世界の人たちに知らしめたい」と語った。
 このあと、祝福に駆けつけた橋本 昌 知事は、「残念ながら共同開催になった。しかしこれから難しい問題が山のようにある。本県としてはW杯をどのようにして鹿島にもってくるかに頑張ることになる。たとえFIFAが認めないといっても、我々は強くこの熱意を示していきたい。どんなに頑張ってきたか、これまでの鹿島のへ努力を伝えたい。まだまだ予断は許されないが共に頑張っていきたい」と決意を披露した。
 2002年ワールドカップの鹿島での開催を願いかがみ割り、乾杯と式は続いた。
 市民1万人が集い、「鹿島にワールドカップは必ず来る」との確信を深めた記念イベントとなった。

鹿島地域の開発とワールドカップ招致に関する所感

県議会議員 井手 よしひろ

サッカーワールドカップ2002年大会の開催地が、日本と韓国の共同開催で決定した。
 日本では全64試合から、せいぜいがその半分の32試合程度の開催にとどまり、国内開催地が削られる可能性も出てきた。
 しかし、鹿嶋市での開催は間題ない、というのが一般的な見方である。少なくても二試合を見込んでいる。共同開催ということで、一時の熱狂に水が差されたという考えもあるが、世紀のイベントが我が茨城で、鹿島で開かれることの意義は大きい。
 W杯開催国の義務とされる項目がFIFAにある。スタジアム、移動と交通手段、サッカーの地位向上、インフラ、通信システム、メディアのための施設、政府保証、国民の支持など。これらの基準を満たすために、国や県、鹿嶋市はこれまで努力を続けてきた。
 しかし、開催が具体化した今、その準備はこれからが本番であるといえる。
 サッカー場の改装、交通網の整備、財政問題、人的問題、さらには自然環境保全といった問題はまだ満足な青写真すらできていない。今後はハード面を中心に急ピッチで鹿嶋地域の整備が進められることになる。
 最も重要な問題であるスタジアム建設について、一部マスコミに、「県は現在の県立カシマスタジアムを鹿嶋市に売却し、収容能力4万人以上の新カシマサッカースタジアムの建設を進めていく考えをもっている」と報道されている。
 現在の県営鹿島サッカースタジアムを、市へは数十億円で売却し、その代わりとして200億円以上の工事費を投じ、W林基準に合った競技場を新築するという計画である。
 この計画は、茨城県サッカー協会の志村巌会長らが前々から提言していたもの。県の企画部では、こうした具体的な計画は一切ないと強く否定している。
 鹿嶋市側も公式にはこの提案を否定も肯定もしていない。
 一般には、こうしたスタジアムは二つも必要ない、とする強い批判も存在するもの事実である。果たして二つのサッカー専用スタジアムが必要なのかという根本的な疑問である。鹿嶋で開催が予想される二試合のために、県と市側を合計して、300億円近くの投資が許されるのかという論議である。
 また、ワールドカップ終了にいかにこのサッカー場を利用するか、維持費をどうするかという問題も大きい。
 町おこしのシンボルでもある県立カシマサッカースタジアムが、練習場に格下げになることに市民らが異論を唱えることも考えられる。
 このほか新しいスタジアムは神栖町へ誘致しようという動きも強い。
 駐車場の確保、練習用グランドの整備などもあり、スタジアム建設には難しい問題が控えている。
 憶測や願望での論議を廃して、具体的な論議の積み重ねが必要である。
 新聞等の報道機関も、責任ある冷静な報道が期待される問題だ。
 一つ都市で開催されるオリンピックとは違って、ワールドカップは、交通網整備も重要な課題である。サッカーの神様ジーコ氏も、4月のシンポジウムで、交通網の整備に関して強く注文を付けていた。訴えたのがこの間題だった。
 日韓共同開催となると、成田国際空港へのアクセス道路の整備が最重要となるだろう。東関東自動車道潮来ICとスタジアムを結ぶバイパス整備、国道124号の整備、北浦に架かる新神宮橋、さらに水戸方面からのアクセス道路の整備も含め、スタジアム周辺の道路改善を急ぐ必要がある。
 また、編成の長大化を含めてJR鹿島線の充実も必要となる。
 このほか選手、役員、観客の宿泊施設の確保も必要だ。鹿島セントラルホテルの新館建設だけで対応できるか総合的に判断する必要がある。
 さらに、大会を支えるボランティアの育成・組織化も大きな課題となってこよう。
 今後激化する国内の招致合戦を勝ち抜き、茨城の21世紀の最初の巨大イベントを成功させるためには、県民の自由な論議と、英知を結集する以外に方策はない。

2002年ワールドカップを迎えるカシマの計画

 以下は、月刊「レジャー産業」3月号に掲載された2002年ワールドカップ日本開催候補都市レポートをもとに、鹿島地域のワールドカップ招致計画の概要を紹介するものです。
 一部新聞紙上では、新スタジアムの新規建設等の情報も流されておりますが、県の公式の見解は以下の内容です。計画の変更も踏まえ、今後の議論の参考にしていただければ幸いです。

 4年前にスタートしたJリーグとともに、国内で最も有名な「町」となった鹿島町は、昨年9月に北部に隣接する大野村と合併して鹿嶋市となり、人口約6万人、面積もほぼ倍の広さとなった。
 91年に茨城県は、旧鹿島町、神栖町、波崎町の三町を中心とした開発地域に対して「鹿島地域楽しい街づくりプラン」を掲げた。そのプランとは、鹿島地域にふさわしい機能をそれぞれにもたせ、旧鹿島町にはスポーツ文化施設などを中心とした「スポーツ文化コア」、神栖町にはSCやコンベンションセンターを中心とした「商業業務コア」、波崎町には海辺や河川を利用した「リゾート・レクリエーションコア」という三ゾーンを形成していくもの。
 そして開発の勢いとして最も入きかったのは当時、地元企業の住友金属工業がブロサッカーチームをもつ計画を進めていたことを契機に、サッカー場の整備などによるサッカータウンづくりの推進を打ち出したことであった。
 こうして93年に鹿島アントラーズのホームスタジアムとして、茨城県立カシマサッカースタジアムを建設。旧鹿島町が地域コミュニティの場として、また地域間交流の拠点施設として整備を進めていたト伝の郷(ぼくでんのさと)運動公園内に、サッカー専用施設として日本一を誇るスタジアムが誕生し、限りなく可能性のある新生「鹿嶋市」が浮上してきた。

W杯開催に向けた都市基盤の整備が進行中

 2002年W杯に向けたカシマサッカースタジアムの改築計画は、現段階では基本設計までだが、6月1日に日本開催が決定すれば、実施設計が97年度に行なわれる予定である。また、スタジアム建設時の施工は竹中工務店・住友建設・常総JVが請け負ったが、改築工事は一般競争入札で業者決定するとしている。なお工事は98年度には着工し、2000年度の完成を目指すという。
 事業費約200億円を投じて、現在の3階建てから4階建てに拡張、スタジアム総収容人数1万5000人から4万3340人の規模に生まれ変わる。屋根面積も2万400屬縫螢縫紂璽▲襪掘■藤稗藤全霆爐鯔たす観客席2万9000席を覆う改築が行なわれる。
 また、日本が提案するバーチャルスタジアム等のマルチメディア関連諸設備の対応にも万全の態勢を図りたいという。
 ただし建設資金は、ト伝の郷運動公園が市の所有であり建設省の都市公園事業ではないため、財政支援がそれほど多くを期待できず、一般財源と起債等によって捻出することとなる。
 一方、W杯に向けてインフラ整備も着々と進行している。「スポーツ健康都市づくり」を掲げる鹿嶋市は、ト伝の郷運動公園整備事業として、スタジアムと隣接して総工費40億円をかけた中核施設のスポーツセンターを建設中。メインアリーナ・サブアリーナ(最大2800人収容)、弓道場、柔剣道場、レストラン等で構成され、W杯時には雨天練習場とプレスセンターとして利用する見込み。
 さらに宿泊施設として、第三セクター方式で管理・運営されている鹿島セントラルホテル(神栖町)が、W杯用に新館建設の計画も立てている。
 アクセス面をみれば、W杯開催時には全世界から外国人が訪れるが、鹿嶋市はなんといっても日本の玄関口である成田空港にほど近いという大きな利点がある。また、東京からは高速バスで1時間30分、特急で約2時間の距離でもあり、日帰り圏内の立地にある。現在、鹿嶋臨海鉄道大洗鹿島線の水戸〜鹿島神宮間の輸送量は一回当たり1000人程度だが、W杯時にはその約5倍の5000人にし、短時間の輸送力をアップしたいとも考えているようだ。つまり、スタジアム観戦者4万人のうち、5000人は電車利用という計算をはじいている。
 さらに国道51号(千葉〜水戸間)のバイパス工事が進行中。すでにスタジアム前の道路工事は完了し、あとは神宮橋などの橋梁工事の計画のみとなっているが、これはW杯開催決定如何によるため現在は計画決定されていない。

アントラーズ人気とW杯で真のサッカータウン目指す

 地元サポーターの熱気はもちろん、県内全域で鹿島アントラーズの人気が定着してきた。県側は、カシマサッ力ースタジアムが鹿島アントラーズの試合となると、チケット購入申込みが常に10倍以上の倍率となる現況をみて、W杯後の4万人収容規模でも、Jリーグの試合は満席になるものと確信している。
 さらに昨年、県大会の決勝、準決勝の計3試合がカシマサッカースタジアムて行なわれ、しかも全国高校選手権入会に茨城県代表として鹿島高校が初出場するなど、鹿嶋市に新しいサッカーの歴史がまた一つふえた。こうした勢いを踏まえ、これまで以上の規模で高校・大学、JFL、トヨタチャレンジカッブ、国際試合等を実施する計画をもつ。ただしサッカー専用ということで他のスタジアムよりメンテナンスは重視することを前提に、一週間に一試合の割合で年間50〜60試合の利用を想定している。
 ほんの5年前は、鹿島神宮と鹿島臨海工業地帯のイメージが強かった街が、Jリーグによってサッカーが根付き、真のサッカータウンに変貌を遂げるかは、まさにW杯開催しだいである。

◇日本で予定されている15会場◇

15自治体スタジアム計画一覧表〔第3次計画書より〕
自治体
施設名称
区分
形態
場所
総事業費
収容人数
札幌市ホワイトド−ム(仮称)新設球技場札幌市360億円
43,000人
青森県青森県営サッカ−スタジアム(仮称)新設サッカ−専用青森市
150億円41,716人
宮城県宮城県スタジアム
(愛称:グランディー21スタジアム)
新設陸上兼用利府町
200億円49,281人
茨城県茨城県立カシマサッカースタジァム改修
サッカー専用鹿嶋市248億円43,340人
埼玉県埼玉県営スタジアム新設
球技場浦和市未定
63,000人
千葉県千葉県立スタジアム(仮称)新設
球技場市原市206億円
48,500人
横浜市横浜国際総合競技場新設
陸上兼用横浜市600億円
70,000人
静岡県小笠山総合運動公園スタジアム(仮称)新設陸上兼用袋井市
未定49,730人
新潟県新潟県総合スタジアム(仮称)新設
陸上兼用新潟市300億円
43,000人
豊田市豊田市スタジアム(仮称)新設
球技場豊田市250億円
62,300人
京都府京都スタジアム(仮称)新設
球技場城陽市未定
43,000人
大阪市長居陸上競技場改修陸上兼用大阪市401億円
42,988人
神戸市神戸総合運動公園陸上競技場
(愛称:ユニバ−記念競技場)
改修陸上兼用神戸市
300億円42,020人
広島市広島広域公園陸上競技場
(愛称:広島ビックアーチ)
改修陸上兼用広島市
799億円(公園全体)41,806人
大分県大分県スポーツ公園メインスタジアム(仮称)
新設陸上兼用大分市
250億円43,000人




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