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syo_e2  「消費税率の引き上げに反対する意見書採択を求める誓願」に対して、県議会の総務企画委員会は、全会一致をもって不採択としました。
 総務企画委員会は、自民党と社民党の議員だけで構成されているための結論です。
 県議会の最終日、この誓願の本会議での採決を前に、公明・新進クラブの代表である鈴木孝治県議は、委員会の不採択の決定に、反対する討論を行いました。

「消費税率引き上げに反対する意見書提出を求める請願」に関する討論

 公明・新進クラブの鈴木孝治です。

 「消費税率引き上げに反対する意見書提出を求める請願」の不採択に反対の討論を行います。

 国会は、第137回臨時国会を27日に召集し、橋本首相により所信表明抜きの衆議院冒頭解散が閣議決定、いよいよ政局も10月20日総選挙を控え、緊迫の度合いをまして参りました。

 政府は、住専処理国会の会期末の6月25日に、たったの4日間「身内の議論」だけで、又も国民の理解なしに、あっと言う問に、来年4月1日からの消費税率の引き上げを決定してしまいました。こうした現政府の決定に、多くの国民は怒りの声を上げており、各マスコミの世論調査でも7〜8割の人々が、国民的論議の全くない今回の消費税率5%への引き上げには反対しております。更に、私は大綱以下4点に絞って、今回の消費税率引き上げに対して断固反対するものであります。

 まず第1に、国民に増税を強いる時は、まず政府自ら徹底して公約通り行政改革に、汗を流して歳出削減に努めるべきであるという点です。94年11月に村山政権下で成立した消費税法付則の中にも、税率決定に際して、社会保障などの財源確保、行政・財政改革の推進状況などを総合的に勘案して検討することが明記されています。特に、行政改革の推進は消費税率の見直しの前提条件であり、村山政権時からの事実上の公約です。公約実行は政党、政治家の生命線であります。圧倒的多数を占める、村山・橋本政権の2年2ケ月、行政改革という名に価するものはほとんど見当りません。この経済不況の中、民間企業が懸命にリストラに励んで、少しでも歳出削減している如く、政府は増税の前に徹底した行政改革を断行すべきであります。

 2番目に、消費税率の2%アップは、経済企画庁の試算によれば、97〜98年度の実質経済成長率を0。9%押し下げ、物価を1.5%も押し上げるなど、せっかく明るい兆しの出てきた景気回復の足を引っ張り、経済に致命的な大打撃を与えるという」点です。すなわち、国民の買い控えや経済不安の増大により消費の停滞が懸念されます。消費の停滞は生産の縮小、雇用不安の深刻化をもたらし、景気を再び失速させてしまいます。日本経済全体を大きく左右している民間最終消費が伸が悩んでいるこの時期に、消費を冷え込ませるような税率アップを強行できる環境には、とてもありません。

 3番目に、年金・介護など高齢社会の福祉ビジョンを明確にして、そのサービスとコストの関係を国民に明らかにした上で、税率引き上げを提案すべきであったという点です。今回の税率アップ分の使い途については全く不透明であります。

 4番目には、年金生活者、低所得者、生活保護家族などの皆さんに与える影響を緩和するための生鮮食料品の軽減税率導入等の措置が講じられておらず、いわゆる逆進性対策が見られない点です。課税にあたって最も大事な点の一つが、公平感だと存じます。低所得者層に対しては政府も暖かみのある逆進性・防止の対応を取るべきであります。

 以上の点から、この度の政府の消費税5%引き上げに反対するものであります。

 なお、先週末に松浦議長名で自民党・社民党の共同で「消費税率5%実施に関する意見書」が提出されました。その中に、「消費税を巡る諸改革は、いまだ十分になされているとは言い難いものもある。そこで、県民の期待にこたえる税制改革とするために、下記について強く要望する」とあって要望されている点は、私どもの反対理由と良く似通ったものになっております。

 しかしながら、今回の税率引き上げに対して。「いまだ十分になされているとは言い難いものもある」ということを言いながら、「だから反対」とは言っておりません。「ノーと言える日本人」ではありませんが、何のためにこのような意見書を出されたのでしょうか。納得のいかない施策に対しては、私は県民を代表する県議会の一員として、きちんと「ノー」を言わなければならない政治責任があると考えます。

 東京都議会の如く自民党も社民党もきちんと「消費税率の引き上げを見合わせる」ように、何故要請できなかったのか残念でなりません。

 議員諸兄の賢明なご判断で、「消費税率引き上げに反対する意見書提出を求める誓願」に、ご賛成をいただけますよう期待いたしまして、反対討論といたします。




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