99年10月27日の異常降雨では、日立市の南部・大沼町、東大沼町を流れる大沼川が雨水の処理能力を超え、床上浸水22件、床下浸水250件の被害が発生しました。
井手県議は、地元住民との連携の上、浸水地域の実態調査を行い、市ならびに県当局に抜本的な河川整備の必要性を訴えました。
大沼川は応急対策と抜本的な整備計画策定が必要
10月27日夜、日立地方を襲った集中的な豪雨は、時間雨量で88ミリを記録し、日立市内の中小河川の多くが、雨水の処理能力を超え氾濫しました。
住宅団地内を流れる大沼川では、床上浸水22件、床下浸水250件の大きな浸水被害を出しました。
この大沼川は、上流から河原内団地、大沼団地、海端団地の3つの団地を貫流する都市河川です。通常は、一般の雨水排水、生活排水路として機能しており、川幅も2m〜5m程度の小さな河川です。
しかし、流域の都市化に対応した治水施設の整備が遅れているために、1時間あたり30ミリ程度の降雨でも、浸水被害が発生するようになってきました。
下流域:海端団地地区の整備計画
日立市では、国と県の補助事業で下流部の海端団地内で、河道の整備と分水路を造る事業を平成9年度から始めています。事業区間は、720mで、総費用は15億円です。
この事業を完了するまでには、今後5年以上はゆうに掛かる状況であり、重点的な予算配分により、早期の完成を図る必要があります。
更に、現在の計画には入っていませんが、海端団地のもっとも海側にあたる現川のクランク部の解消も必要と思われますので、市、県に働きかけてまいります。
都市基盤河川改修事業(事業主体:日立市)
平成9年5月 | 分水路工事の事業認可 | |
平成9年度 | 実施設計及び測量調査実施 | 1800万円 |
平成10年度 | 設計・測量・用地買収 | 1800万円 |
平成11年度(計画) | 用地買収 | 2400万円 |
平成12年度(計画) | 用地買収・現河道護岸工事 | 1500万円 |
現河道のボトルネック部分の改修と分水路工事の両面で工事を進める。
現川の中間部200m区間を重点的に整備し、用地7件の内2件は買収を完了しており、平成13年から15年頃までには完成の予定。その後分水路工事に着手する。
中流域:河原内団地・大沼団地地区の整備計画
JR常磐線と日立電鉄線が横堤となっているため、河川の断面が狭いところで氾濫し、頻繁に被害を繰り返しています。特に、常磐線の山側地区では、時間降水量が30ミリを超えると床下への浸水被害が出てしまいます。
対策としては、抜本的な治水計画を地元住民との協議の上、策定する必要があります。また、常磐線よりも山側の地区に関しては、常磐線の盛り土を利用して他の河川や都市下水に放流することも検討すべきです。
また、さらに上流部への調整池の設置も提案しています。
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