動き出すイラク復興支援
陸上自衛隊本隊第1陣がサマワ到着
陸上自衛隊本隊第1陣がサマワ到着
自衛隊の支援活動は、イラク支援の足場づくり
政府は1月26日、陸上自衛隊本隊イラク派遣を決め、人道復興支援が動き出しました。今日(2月8日)には、陸上自衛隊の本隊第一陣が陸路サマワに入りました。
イラク人道復興支援については、自衛隊の業務に注目が集まりがちですが、復興支援全体を100だとしたら、自衛隊の派遣の占めるウエートは、避けることのできない最初の段階の10%ぐらといわれています。自衛隊は、民間主導の復興支援のための足場をつくる役割を果たすのです。
公明党は、人道支援に加えて、雇用対策や文化遺産の保護、環境保全など、イラクの未来を見据えた幅広い支援も訴えています。わが国が行う支援策についてまとめてみました。
(写真はNHKのテレビニュースからキャプチャー)
自衛隊は何をするのか
イラク人道復興支援特別措置法(イラク支援法)で定められた自衛隊の活動は、人道復興支援が中心であり、治安維持活動はしません。
自衛隊は戦後の混乱にあえぐイラク国民の日常生活を回復するために、当面のインフラ(社会基盤)整備をすることが主任務です。
基本計画によると、自衛隊の主な活動として、病院の運営・維持管理や地域住民への医療支援、浄水・給水活動、学校や病院、道路などの公共施設の補修・復旧などが挙げられています。
現在のイラクでは、旧フセイン政権の圧政下で、電力施設や上下水道などの生活基盤が未整備のまま放置されてきたため、飲料水ですら満足に供給できない状況です。そのような所では、飲料水や食料、生活物資などを自力で確保できる自己完結型の組織である自衛隊しか支援活動を行うことができません。
また、テロの恐れもあるイラクで、万が一、攻撃を受けた場合、自己防衛できるのも自衛隊だけです。
さらに、防衛庁は、(1)公共施設の修復整備(2)通訳や警備員(3)現地住民に直接配る給水支援――など自衛隊の補佐として、現地住民の雇用を行う予定です。
政府が実施予定のイラク支援策
政府は、公明党の主張を受け、本格的復興支援に向けた次のような幅広い貢献策を検討しています。
【雇用対策】
政府は、国連人間居住計画を通じた学校や住宅などの再建事業の早期実施をめざしています。同事業に現地住民を協力させることで、一日当たり500〜600人の雇用が見込まれています。
【文化協力】
国連教育科学文化機関を通じたイラク国立博物館の復旧のほか、スポーツ振興のための支援として、サッカー用具などの供与も行います。
【環境対策】
サマワを含め、イラク全土で廃棄物の放置が見られ、環境汚染が進んでいます。政府は、国際機関と連携し、イラク環境省の能力強化などを検討しています。
【市場経済化対策・女性支援】
市場経済社会への変化にイラク国民が適応できるよう、政府は、イラク国民への職業訓練の実施などを検討中です。また、イラクでの女性の生活向上のための教育支援の検討も進められています。
このほか、イラク人警察官がパトロールで使用するためのパトカーが略奪され、不足している状況に配慮し、パトカー600台を提供するほか、救急車や給水車なども供与します。
公明が主張する復興協力
公明党は、イラクの豊かな未来を構築するための支援を提案しています。
その中心は雇用対策です。フセイン政権下では労働者の6割が公務員だったため、政権崩壊により失業者が急増し、社会不安の要因にもなっているからです。 そこで公明党は、自衛隊がイラクへの生活支援事業を実施する際、補助的な仕事に現地住民を雇用するだけでなく、失業者への技術教育や職業訓練、イラク人技術者などの来日研修の支援、日本へのイラク人留学生の特別枠設置といった本格的支援も提唱しています。
また、フセイン政権によって破壊されたイラク南部のメソポタミア湿原の復元事業は重要課題です。この肥よくな地の復元に成功すれば、かつてここに住んでいた難民も帰還して生計の道が確保でき、さらに、中長期的な雇用創出の効果も大きいと指摘されています。
一方、イラク国民による政府を着実に構築していくには、中立的立場にある国連の果たす役割が重要になります。公明党は、国連がもう一度現地に戻って活動できるよう政府の外交努力を求めています。
このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。 |