北朝鮮の弾道ミサイル
 8月29日早朝、けたたましい警報音にたたき起こされました。この警報音は全国瞬時警報システム・Jアラートです。北朝鮮から弾道ミサイル1発が発射され、北海道の上空を通過したあと北海道の襟裳岬の東、およそ1180キロの太平洋上に落下したと推定されています。飛行距離はおよそ2700キロと推定され、防衛省は中距離弾道ミサイルの可能性があると見て詳しい分析を進めています。
 防衛省によると、29日午前5時58分ごろ、北朝鮮西岸のスナンから弾道ミサイル1発が北東方向に向けて発射されました。ミサイルは午前6時5分ごろから7分ごろにかけて、北海道の渡島半島や襟裳岬の上空を通過し、発射からおよそ14分後の午前6時12分ごろ、襟裳岬の東、およそ1180キロの太平洋上の日本の排他的経済水域の外に落下したと推定されるということです。
 日本国内への落下物は確認されておらず、船舶や航空機への被害の情報は入っていないということです。防衛省は、弾道ミサイルに対応できるイージス艦や地上配備型の迎撃ミサイル、PAC3を展開していますが、破壊措置は実施しませんでした。 
 茨城県では、Jアラートで北朝鮮のミサイル発射の情報が伝えられ、それぞれの自治体が防災行政無線などを通じて避難を呼びかけるとともに、情報収集など対応に追われました。
 茨城県庁では、危機管理の担当職員が早朝から次々と出勤し、各市町村と連絡を取り合いながら情報収集にあたりました。

Jアラートの情報
Jアラートで「北朝鮮ミサイル発射」の情報
 政府は人工衛星を通じて自治体などに緊急に情報を伝えるJアラート=全国瞬時警報システムで、午前5時58分ごろ「北朝鮮西岸からミサイルが東北地方の方向に発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」と伝えました。
 対象地域は北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県です。

Jアラートの時の行動
 日立市では6時過ぎに、防災行政無線が一斉に発報。スマホから流れるJアラートとともに、異様な雰囲気に包まれました。
 井手よしひろ県議のもとには、Jアラートが出された場合に、木造の自宅にいた場合にはどうすれば良いのか、学校や会社に通勤通学を続けたほうがいいのかなど、いつまで退避していればよいのかなど、生活でレベルでの対応策を問う、多くの質問が寄せられました。
 早朝や深夜など自宅でJアラートがなった際には、窓から離れるか窓のない部屋に移動することが求められています。万が一の着弾により、爆風により窓ガラスは割れることを想定しているからです。カーテンを閉めたり、雨戸を閉めることも有効です。2階より1階に移動したほうが良いかもしれません。
 近くにミサイルが落下した場合は、化学兵器や細菌兵器、さらには核兵器が使用されることも念頭に置き、換気扇を止め、窓を閉め、目張りをして室内をできるだけ密閉することが求められます。
 こうした退避措置はいつまで続ければよいのか決まりはありません。Jアラートが鳴ったら、テレビやラジオをつけて情報を得るようにします。ミサイルの動向がはっきりすれば、退避行動をやめることができます。
 また、Jアラートが発せられたときは、学校や会社への通学・通勤はどうするのかということです。
 茨城県総務部私学振興室によると、授業などを行う予定だった私立の小中学校と高校あわせて17校のうち、2校が休校、3校が授業の開始時間を遅らせる措置をとりました。
 休校としたのは、土浦市にある土浦日大高校と桜川市にある岩瀬日大高校です。また、水戸市の大成女子高校が始業式の開始時間を15分ほど遅らせたほか、かすみがうら市にある青葉台初等・中等学部では授業の開始時間を1時間ほど遅らせました。
 夏休み中だったので、公立小中学校に具体的な影響はなかったのすが、どのような対応をとるかしっかりと事前に検討しておく必要があります。