9月16日、17日の両日、井手よしひろ県議は、"中之条ビエンナーレ"を視察しました。"中之条ビエンナーレ"は、群馬県の北部山岳地帯とその麓に広がる高原や里山を舞台とした現代アートの一大イベントです。茨城の「県北芸術祭」、新潟の「越後妻有・大地の芸術祭」や香川の「瀬戸内国際芸術祭」のようないくつもの市町村が広域で連携するイベントではありません。人口わずか1万6千人余りの小さな町の大きな挑戦です。いわゆるまちおこし型のイベントというよりも、アーティスト自らが創作と発表の場を求めて、地域住民の協力で作り上げてきた独自のイベントです。
JR中之条駅前、中心市街地「中之条伊勢町エリア」
台風18号の影響もあり、"中之条ビエンナーレ"の作品を鑑賞できたのは、16日午後と17日の午前中の正味一日でした。
まず、"中之条ビエンナーレ"の表玄関であるJR中之条駅と中之条の市街地にアート作品が点在するのが「中之条伊勢町エリア」を鑑賞。駅前のインフォメーションセンターや町の中心部にある「ふるさと交流センターつむじ」など、中之条ビエンナーレの玄関口となる場所です。
インフォメーションセンターで、期間中すべてのアートを何度でも鑑賞できるパスポート(1000円)、ガイドブック(1000円)、パスケースなどアートイベントの3種神器を購入しました。町民、高校生以下は無料で鑑賞できます。他の芸術祭に比べてもリーズナブルな価格です。このパスポートはスタンプラリーとなっていて、スタンプ15個以上で温泉入浴が無料になり、31個すべて制覇で記念品がもれなくもらえます。
JR中之条駅前、中心市街地「中之条伊勢町エリア」
台風18号の影響もあり、"中之条ビエンナーレ"の作品を鑑賞できたのは、16日午後と17日の午前中の正味一日でした。
まず、"中之条ビエンナーレ"の表玄関であるJR中之条駅と中之条の市街地にアート作品が点在するのが「中之条伊勢町エリア」を鑑賞。駅前のインフォメーションセンターや町の中心部にある「ふるさと交流センターつむじ」など、中之条ビエンナーレの玄関口となる場所です。
インフォメーションセンターで、期間中すべてのアートを何度でも鑑賞できるパスポート(1000円)、ガイドブック(1000円)、パスケースなどアートイベントの3種神器を購入しました。町民、高校生以下は無料で鑑賞できます。他の芸術祭に比べてもリーズナブルな価格です。このパスポートはスタンプラリーとなっていて、スタンプ15個以上で温泉入浴が無料になり、31個すべて制覇で記念品がもれなくもらえます。
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中之条伊勢町エリアは、古くからこの地域の中心市街地として栄えたエリアです。吾妻の山々を背後にゆるやかな坂の両側に商店街が並ぶ、情緒的な町並みです。中之条伊勢町エリアでは市街地の商店跡や料亭跡などの空家を舞台にしたものや、酒蔵や材木店などの建物やその室内を活かしたアートが展開されています。
「中田木材」は大正13年創業の木材店で、薄暗い木材置き場のところどころにさまざまな作品が仕込まれています。「旧廣盛酒造」は明治18年創業の蔵元で、最近まで日本酒が造られていた歴史ある重厚な建物がリノベーションされ、現在は素晴らしいアートスペースとなっています。この地域では、絶対に見逃してはいけないスポットです。
昔懐かしい廃校や古民家を利用した展示「伊参」「名久田」エリア
その後、「伊参(いさま)」「名久田(なくた)」エリアに移動。市街地から20分ほど車を走らせた場所に位置する美しい里山エリアです。廃校となった木造校舎や古民家を舞台としたアート作品が数多く展示されています。
伊参エリアにある「イサマムラ」は、平成25年に139年の歴史に幕を閉じた伊参小学校の校舎で、中之条ビエンナーレの総合案内所となっています。名久田エリアの「名久田教場」、伊参エリアの「旧五反田学校」「伊参スタジオ」など、この校舎で学んだ子どもちの歓声が今にも聞こえてきそうです。
「伊参スタジオ」は閉校となった中学校が改装され、映画の撮影スタジオに生まれ変わった場所。"中之条ビエンナーレ"の出発点ともいえる映画「眠る男」の撮影拠点として使用された木造校舎です。現在も「伊参スタジオ公園」として整備され、映画で使われたセットや関係資料が展示され、ビエンナーレはこの地で産声をあげました。
鄙びた温泉地がアートの拠点に「四方」「沢渡」エリア
翌17日は、「四方」温泉エリアからスタートしました。四万川の清流を望む一等地にある空家が、温泉街のゲームセンターに変身したのが「中屋」。旅館に泊まる人々が見た夢が、昔懐かしい射的や枕投げ、ボーリング、トランプ遊びなどのゲームになって並んでいます。名付けて「ドリーム四万」。「自由」「恋」「時間」など自分の願望が書いてある的を落とす射的には、大人げなくコルクの弾を込めて挑戦してみました。
温泉街から少し歩いて急な坂道を上った先にあるのが、旧第三小学校。国際交流企画展が開かれるなど展示拠点になっています。
40軒ほどの温泉旅館が立ち並ぶ四万温泉は、ビエンナーレ開催中の集客を期待します。町の統計によると、期間中の集客は通常期に比べ13%ほど増加しています。台風18号の影響で雨風の強い残念な天候でしたが、アートに魅せられた若者や外国人が訪れ、温泉街は華やいだ雰囲気に包まれていました。
この中之条ビエンナーレの最大の特徴は、観客とアーティスト、そして地域の住民の距離感がとても近いことです。その理由はアーティストが中之条の自然豊かな里山や温泉街に長期間住み込み、地域と一緒になってこのイベントを創り上げているからです。
各会場の受付に座る地域のお父さんやお母さんが気さくに話しかけてくれたり、作品のすぐ横にいるアーティスト本人が直接解説をしてくれたりと、とてもフレンドリーなアートイベントです。
続いて訪れた「沢渡」温泉では、アーティストのアーサー・ファンさんとお話しすることができました。普段は東京で脳科学の研究と並行しながら、繊細なドローイングを中心とした創作活動を続けているとのことでした。素人の質問に優しい語り口で、丁寧に答えてくれました。会場の並びにあるお蕎麦屋さんで、おいしいおそばを食べながら芸術談議に花を咲かせました。
その他、時間の都合で行けなかったのが、沢渡温泉の先の暮坂エリア。標高約1000メートル前後の高原地帯で、中之条ビエンナーレの会場で最も高い場所にあるのが「よってがねぇ館」です。浅間山を望む高台の建物の中からは雄大な高原の風景が望めます。
そして、今も残る養蚕農家の美しい町並みが広がる「六合(くに)エリア」。重要伝統的建造物群保存地区に指定されている赤岩の集落があります。ここは明治時代以前から養蚕が盛んで「サンカイヤ」と呼ばれる養蚕に適した頑丈な家が今もなお残り、幕末や明治時代の景観を今に伝えています。
「六合エリア」から30分強、「チャツボミゴケ公園」があります。酸性の水が流れる場所に生育するチャツボミゴケの鮮やかな緑が一面に広がる様子は隠れた絶景として、人気が高まっています。
「六合エリア」はもう長野原駅のほうが近い場所です。話題となっている八ッ場ダムの建設現場にもほど近い場所です。ダム建設現場の見学も楽しめます。
中之条伊勢町エリアは、古くからこの地域の中心市街地として栄えたエリアです。吾妻の山々を背後にゆるやかな坂の両側に商店街が並ぶ、情緒的な町並みです。中之条伊勢町エリアでは市街地の商店跡や料亭跡などの空家を舞台にしたものや、酒蔵や材木店などの建物やその室内を活かしたアートが展開されています。
「中田木材」は大正13年創業の木材店で、薄暗い木材置き場のところどころにさまざまな作品が仕込まれています。「旧廣盛酒造」は明治18年創業の蔵元で、最近まで日本酒が造られていた歴史ある重厚な建物がリノベーションされ、現在は素晴らしいアートスペースとなっています。この地域では、絶対に見逃してはいけないスポットです。
昔懐かしい廃校や古民家を利用した展示「伊参」「名久田」エリア
その後、「伊参(いさま)」「名久田(なくた)」エリアに移動。市街地から20分ほど車を走らせた場所に位置する美しい里山エリアです。廃校となった木造校舎や古民家を舞台としたアート作品が数多く展示されています。
伊参エリアにある「イサマムラ」は、平成25年に139年の歴史に幕を閉じた伊参小学校の校舎で、中之条ビエンナーレの総合案内所となっています。名久田エリアの「名久田教場」、伊参エリアの「旧五反田学校」「伊参スタジオ」など、この校舎で学んだ子どもちの歓声が今にも聞こえてきそうです。
「伊参スタジオ」は閉校となった中学校が改装され、映画の撮影スタジオに生まれ変わった場所。"中之条ビエンナーレ"の出発点ともいえる映画「眠る男」の撮影拠点として使用された木造校舎です。現在も「伊参スタジオ公園」として整備され、映画で使われたセットや関係資料が展示され、ビエンナーレはこの地で産声をあげました。
鄙びた温泉地がアートの拠点に「四方」「沢渡」エリア
翌17日は、「四方」温泉エリアからスタートしました。四万川の清流を望む一等地にある空家が、温泉街のゲームセンターに変身したのが「中屋」。旅館に泊まる人々が見た夢が、昔懐かしい射的や枕投げ、ボーリング、トランプ遊びなどのゲームになって並んでいます。名付けて「ドリーム四万」。「自由」「恋」「時間」など自分の願望が書いてある的を落とす射的には、大人げなくコルクの弾を込めて挑戦してみました。
温泉街から少し歩いて急な坂道を上った先にあるのが、旧第三小学校。国際交流企画展が開かれるなど展示拠点になっています。
40軒ほどの温泉旅館が立ち並ぶ四万温泉は、ビエンナーレ開催中の集客を期待します。町の統計によると、期間中の集客は通常期に比べ13%ほど増加しています。台風18号の影響で雨風の強い残念な天候でしたが、アートに魅せられた若者や外国人が訪れ、温泉街は華やいだ雰囲気に包まれていました。
この中之条ビエンナーレの最大の特徴は、観客とアーティスト、そして地域の住民の距離感がとても近いことです。その理由はアーティストが中之条の自然豊かな里山や温泉街に長期間住み込み、地域と一緒になってこのイベントを創り上げているからです。
各会場の受付に座る地域のお父さんやお母さんが気さくに話しかけてくれたり、作品のすぐ横にいるアーティスト本人が直接解説をしてくれたりと、とてもフレンドリーなアートイベントです。
続いて訪れた「沢渡」温泉では、アーティストのアーサー・ファンさんとお話しすることができました。普段は東京で脳科学の研究と並行しながら、繊細なドローイングを中心とした創作活動を続けているとのことでした。素人の質問に優しい語り口で、丁寧に答えてくれました。会場の並びにあるお蕎麦屋さんで、おいしいおそばを食べながら芸術談議に花を咲かせました。
その他、時間の都合で行けなかったのが、沢渡温泉の先の暮坂エリア。標高約1000メートル前後の高原地帯で、中之条ビエンナーレの会場で最も高い場所にあるのが「よってがねぇ館」です。浅間山を望む高台の建物の中からは雄大な高原の風景が望めます。
そして、今も残る養蚕農家の美しい町並みが広がる「六合(くに)エリア」。重要伝統的建造物群保存地区に指定されている赤岩の集落があります。ここは明治時代以前から養蚕が盛んで「サンカイヤ」と呼ばれる養蚕に適した頑丈な家が今もなお残り、幕末や明治時代の景観を今に伝えています。
「六合エリア」から30分強、「チャツボミゴケ公園」があります。酸性の水が流れる場所に生育するチャツボミゴケの鮮やかな緑が一面に広がる様子は隠れた絶景として、人気が高まっています。
「六合エリア」はもう長野原駅のほうが近い場所です。話題となっている八ッ場ダムの建設現場にもほど近い場所です。ダム建設現場の見学も楽しめます。