教育費負担の軽減
 10月5日、公明党の山口那津男代表は、衆院選の重点政策を発表しました。一つ一つの政策に生活者目線が貫かれている点に、公明党らしさが光っています。
 重点政策では、大きな柱として、教育負担の軽減、力強く伸びる日本経済、人を育む政治の実現、復興・災害対策の強化――などを掲げました。
 とりわけ注目されるのは、少子高齢化という日本が直面する重要課題に対し、さまざまな視点から具体策を明確に示していることです。
 端的な例が、幼児教育から大学までの大胆な「教育の無償化」です。
 具体的には、0歳から5歳まで全ての幼児を対象にした幼児教育の無償化、年収590万円未満の世帯を対象とした私立高校授業料の実質無償化、大学等の「給付型奨学金」の拡充をめざします。教育費負担の重さが少子化の一因になっている現状を、大きく転換させようとする提案です。
 必要な財源については、消費税率を10%に引き上げた際の増収分の使い道を見直すことで対応することにしました。
重点政策を発表する山口代表 高齢者支援にもしっかりと目配りしています。
 特に消費税率引き上げ時に予定していた低年金者への加算制度や、所得の低い高齢者の介護保険料の軽減拡大を、いずれも前倒しで実施します。
 日本の少子高齢化の未来を見据えたこれらの政策を実現するため、10月10日に公示される衆院選に断じて勝利しなければなりません。

無責任な“希望の党”の政策
 言うまでもなく衆院選は政権選択選挙です。日本の将来を託せるのは、どの党なのか。その重要な判断材料となるのが政策=選挙公約にほかなりません。
 この点で指摘しておきたいのが、衆院の解散前後から続く一連の野党の動きです。
 本来、政党の再編は政策本位で行われるべきはずです。ところが、実際はどうか。選挙で当選することを目的として離合集散が行われ、政策論議は一切行われていません。
 例えば、民進党はその前進である民主党時代に、自民党と公明党との三党合意で消費税を10%に引き上げることに合意したはずです。税の増収分は子育て支援にも使うべしとは、本来、民進党の主張でした。ところが民進党が候補者が多く移った希望の党は、その消費税の引き上げを否定しました。
 社会保障を充実させるための財源はどのように調達するのか、その具体策は示されていません。国会でプラカードを掲げながら、絶対反対を叫んだ民進党議員は、一夜にして平和安全法の容認者に変身しました。 私は、平和安全法制の成立によって、北朝鮮の蛮行への歯止めとして機能しており、賛成の立場です。多くの希望の党候補者に賛同していただいたことは良しとするところですが、一昨年のあの反対のパフォーマンスはいったい何んであったが、国民、有権者に説明する責任があります。
 2030年までに原発をゼロにするという政策も私は賛成です。しかし、それを憲法に明文化するという荒唐無稽の政策にはあきれるばかりです。
 さらに、原子力産業に関わる企業、労働組合が出身の希望の党候補者が、こうした党の政策に共感できるのか、一度問いただしてみたいと思います。
 こうした無責任な政策提示が、「選挙目当て」「政策は後回し」などとマスコミや国民から厳しく批判され、政治に対する不信を増幅させているのではないでしょうか。
 公明党は、自公政権の一翼を担う与党として、重点政策を掲げ、国民のための政策実現にまい進する決意です。
参考:2017衆院選・公明党重点政策https://www.komei.or.jp/campaign/shuin2017/manifesto/manifesto2017.pdf