日本てんかん協会全国大会 10月21日、井手よしひろ県議は日本てんかい協会第44回全国大会(茨城大会)に参加しました。水戸市のJR水戸駅前駿優教育会館で開催されたこの大会は、茨城では初めての全国大会の開催です。
 日本てんかん協会には、47都道府県全てに支部があり、日々さまざまな活動をおこなっています。
 毎年「てんかんのある人々とその家族、医療・福祉・教育等の分野の専門職や関係者、市民が広くつどい、相互に交流を深め、てんかんに関する問題を学びかつ語り合うことによって、てんかんについての正しい知識の普及をともに推進し、てんかんのある人々やその家族の保健・医療・福祉・教育などの向上を図ること」、「地元におけるてんかんへの啓発運動を盛り上げるとともに他の障害者団体等との親睦・連帯を深めること」などを主な目的として、その仲間たちが日本中から集まるイベント「全国大会」を開催しています。
 茨城大会のスローガンは、1.<啓発>てんかんを正しく理解してもらう政策を、2.<医療>てんかん地域診療体制の充実を、3.<福祉>てんかんがあっても安心して暮らせる支援体制を、4.<労働>働く場とチャンスを拡げて、5.<教育>学校でもっと適切なてんかんの知識を、6.<交通>交通安全に向けた先端技術の提供を、の6点です。現在置かれているてんかん患者の課題を端的に表現しています。
 てんかんは、100人に1人が発症するとされており、医療体制や社会的支援などが十分に整備されているとは言えません。
日本てんかん協会全国大会
 WHO(世界保健機関)がまとめた"てんかん辞典"によると「てんかんとは、種々の成因によってもたらされる慢性の脳疾患であって、大脳ニューロンの過剰な発射に由来する反復性の発作(てんかん発作)を特徴とし、それにさまざまな臨床症状及び検査所見がともなう」とあります。大脳の神経細胞(ニューロン)は規則正しいリズムでお互いに調和を保ちながら電気的に活動しています。この穏やかなリズムを持った活動が突然崩れて、激しい電気的な乱れ(ニューロンの過剰発射)が生じることによって起きるのが、てんかん発作です。
 このため、てんかん発作はよく「脳の電気的嵐」といわれます。
 また、てんかん発作は繰り返しおこることが特徴です。そのため、1回だけの発作では、ふつうはてんかんという診断はつけられません。

 厚生労働省は2018年度から始まる第7次医療計画で、各都道府県1カ所以上の、てんかん専門医療機関を明確にするなどして、患者を支える体制の整備を全国的に推進する方針を決めています。
 公明党てんかん対策推進プロジェクトチームなどが、今年(2017年)5月に政府へ申し入れた提言を踏まえた対応です。
 厚労省は、第7次医療計画における、てんかん対策として(1)専門医療機関の明確化(2)多施設連携の拠点となる医療機関を明確にした上での医療機関のネットワーク化―などを盛り込みました。計画推進に当たっては、現在、モデル事業として全国8カ所で整備されている地域てんかん診療拠点病院の取り組みを参考にします。
 また、患者の就労や社会復帰に向けた医療機関、自治体、雇用事業者、ハローワークなどの連携について厚労省は、日本医療研究開発機構が研究を始めており、円滑な連携のための指標やガイドラインの作成をめざしています。
 一方、文部科学省は、公明党提言の「小・中学校は最もてんかん発作に触れる機会が多い」との指摘を踏まえ、教育職員免許法施行規則を改正し、2019年度から教員養成課程に、てんかんなど『特別の支援を必要とする幼児、児童、生徒に対する理解に関する事項』を独立して必ず含めるよう見直しを行う予定です。