10月22日の衆議院総選挙の結果を受けて、公明党に対する著名な評論家・ジャーナリストの言葉引用します。今回の衆院選の結果は、持っていた議席を6議席減らすという厳しい結果でした。捲土重来を期す公明党にとって、貴重なアドバイスです。
10・22衆院選の結果についての短いコメント / 自民圧勝と今後の課題/求められる謙虚な政治姿勢
「蝋燭は身を滅ぼして人を照らす」役割を果たしたのだと私は思っています。
公明党が2012年12月の衆院選以後、国政選挙においても地方選挙においても、ほとんどパーフェクト勝利を実現してきました。それだけに、選挙戦略や広報活動全般について抜本的な反省・改革の機会がなかったのかもしれません。抜群の実績と自公連立政権における大きな役割を果たしているにもかかわらず、その実態を無党派層にまで押し広げてはいけなかった点を抜本的に見直すチャンスが到来したのではないかと、私は思っています。地道で真面目な公明党・支持母体の活動展開において、さらに新時代にふさわしい智慧を結集できる好機でしょう。
長い歴史の中には、浮き沈みがあります。順境だけではないのです。逆境もあります。逆境の時期こそ、真に成長する時だと思います。
10・22衆院選の結果についての短いコメント / 自民圧勝と今後の課題/求められる謙虚な政治姿勢
森田実「世界研究室通信156」
公明党が議席を減らしたことは淋しいことですが、本質的には、安倍自民党を救うために自らを犠牲にした、ということではないでしょうか。「蝋燭は身を滅ぼして人を照らす」役割を果たしたのだと私は思っています。
公明党が2012年12月の衆院選以後、国政選挙においても地方選挙においても、ほとんどパーフェクト勝利を実現してきました。それだけに、選挙戦略や広報活動全般について抜本的な反省・改革の機会がなかったのかもしれません。抜群の実績と自公連立政権における大きな役割を果たしているにもかかわらず、その実態を無党派層にまで押し広げてはいけなかった点を抜本的に見直すチャンスが到来したのではないかと、私は思っています。地道で真面目な公明党・支持母体の活動展開において、さらに新時代にふさわしい智慧を結集できる好機でしょう。
長い歴史の中には、浮き沈みがあります。順境だけではないのです。逆境もあります。逆境の時期こそ、真に成長する時だと思います。
政治は謙虚でなければなりません。公明党は謙虚な政治家の集団です。そして謙虚で真面目な支持者に支えられた政党です。自民党はおごりやすい体質をもった政党です。自民党が暴走する時は公明党がブレーキ役を果たさなければなりません。公明党の役割は、自民大勝だったからこそ、益々大きくなったと思います。私は、今まで以上に公明党に期待に期待しています。
希望の党と維新の時代は下降局面に入りました。立憲民主党・共産党・社民党は共産党が実質リーダーの「人民戦線」的勢力になる可能性があります。
自公連立政権が国民との強い結びつきを失うことなく謙虚な姿勢を貫くことが、とくに大切です。ことに憲法改正の暴走は厳に慎むべきです。もしも、自公政権がおごって暴走するようなことになれば、日本に共産党が主導する人民戦線政府が登場することも起こりえないことではないと、私は心配しています。
解散・総選挙と日本政治のゆくえ。
それは「権力の外側にいる限り、権力を変えることはできない」ということだ。権力の内部にいなければ、本質的には権力は変えられないのだ。これがかつて、権力の外側にいながら権力を変えようと夢見た私の教訓である。
この話を政治の世界に当てはめるならば、与党にいるからこ政治は変えられる。有権者の目には、野党の議員が与党を厳しく追及している様子は華々しく映るかもしれない。だが「批判のための批判」に終始する野合勢力では、最終的に政治を変えることはできないだろう。
そうした意味からも、政権内部における公明党の役割はますます大きくなっている。閣僚が問題発言を口にしたり不祥事を起こしたりしたとき、私たちジャーナリストが注目するのは「公明党はどういう意見を言うか」という点だ。それほどまでに公明党の存在感は増している。
政権内部にプレイヤーとして身を置きながら、自民党を中心とした政権運営を日々厳しくチェックする。この難しい仕事は、「与党内野党」公明党にしかできない。自民党内において、タカ派・ハト派といった派閥の影響力が弱まってしまった今、政権与党のチェック役を果たすのは公明党の大切な使命だ。
さらに、平和主義に基づく民衆勢力である創価学会を支持基盤にもつ公明党は、与党内にいながら中道政党としてのアイデンティティーがいささかも揺らぐことはない。自民党が右側に振れすぎたときには、中道政党・公明党が自民党を揺りもどしている。
自民党と公明党がお互いの良さを失わず、時に意見をぶつけあいながらも合意形成を図っていく。混じりあわないことがプラスに働き、今の政治に安定をもたらしているように思う。
希望の党と維新の時代は下降局面に入りました。立憲民主党・共産党・社民党は共産党が実質リーダーの「人民戦線」的勢力になる可能性があります。
自公連立政権が国民との強い結びつきを失うことなく謙虚な姿勢を貫くことが、とくに大切です。ことに憲法改正の暴走は厳に慎むべきです。もしも、自公政権がおごって暴走するようなことになれば、日本に共産党が主導する人民戦線政府が登場することも起こりえないことではないと、私は心配しています。
解散・総選挙と日本政治のゆくえ。
時事通信特別解説委員 田崎史郎(月刊「潮」11月号)
私は学生時代、全共闘運動に邁進した過去がある。あの当時を振り返ってしみじみ思うことがある。それは「権力の外側にいる限り、権力を変えることはできない」ということだ。権力の内部にいなければ、本質的には権力は変えられないのだ。これがかつて、権力の外側にいながら権力を変えようと夢見た私の教訓である。
この話を政治の世界に当てはめるならば、与党にいるからこ政治は変えられる。有権者の目には、野党の議員が与党を厳しく追及している様子は華々しく映るかもしれない。だが「批判のための批判」に終始する野合勢力では、最終的に政治を変えることはできないだろう。
そうした意味からも、政権内部における公明党の役割はますます大きくなっている。閣僚が問題発言を口にしたり不祥事を起こしたりしたとき、私たちジャーナリストが注目するのは「公明党はどういう意見を言うか」という点だ。それほどまでに公明党の存在感は増している。
政権内部にプレイヤーとして身を置きながら、自民党を中心とした政権運営を日々厳しくチェックする。この難しい仕事は、「与党内野党」公明党にしかできない。自民党内において、タカ派・ハト派といった派閥の影響力が弱まってしまった今、政権与党のチェック役を果たすのは公明党の大切な使命だ。
さらに、平和主義に基づく民衆勢力である創価学会を支持基盤にもつ公明党は、与党内にいながら中道政党としてのアイデンティティーがいささかも揺らぐことはない。自民党が右側に振れすぎたときには、中道政党・公明党が自民党を揺りもどしている。
自民党と公明党がお互いの良さを失わず、時に意見をぶつけあいながらも合意形成を図っていく。混じりあわないことがプラスに働き、今の政治に安定をもたらしているように思う。