私立高校無償化のイメージ
 公明党は先の衆院選で、年収590万円未満世帯を対象とした私立高校授業料の実質無償化を独自の公約として掲げ、実現に向け、党を挙げて取り組んでいます。
 子どもが高校に通う年収約910万円未満の世帯には、少なくとも公立高校授業料相当分(年間11万8800円)の「就学支援金」が助成されており、公立の授業料は実質無償化されています。しかし、それでは、全国平均で年間39万3524円(2016年度)に上る私立の授業料を賄えず、家計の大きな負担につながっているのが現状です。
 わが国の高校進学率は99%近くに上りますが、公立に希望者すべてが進学できるわけではありません。多くの生徒がさまざまな事情で私立に通っています。特に所得が低い家庭では、塾に通えないなどの理由で学力が追い付かず、公立に入れないケースは少なくありません。特色ある私立で学びたくても、経済的な理由で選択肢に入れられない生徒もいます。
 どこに住み、どの高校に通っても、経済的事情に左右されず、安心して学べるようにするため、一定の所得要件の下で国が支援することは必要です。
 貧困や格差の連鎖を断ち切るため、政府・与党は、低所得世帯を対象に大学などへの進学支援を大幅拡充しようとしていますが、前段階となる高校に、経済的な心配なく通えるようにすることは極めて重要です。

家計の負担重く支援さらに、年収590万円未満対象に 「就学支援金」引き上げを
 公明党が訴える制度の内容は、私立高校に子どもを通わせる年収590万円未満の世帯を対象に、授業料が実質無償化となるよう、国の就学支援金の上限額を引き上げます【表参照】。全国の私立高校に通う約120万人の約4割に当たる約50万人が対象で、予算規模は約640億円と試算しています。
 国の就学支援金を拡充すれば、独自に無償化や授業料軽減などを行う自治体の負担は減ることが想定されます。その分は、各自治体の判断で、支援の対象拡大や内容充実に使えます。
 安倍晋三首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表は、10月23日に交わした連立政権合意に「保育・幼児教育の無償化をはじめとする教育費の負担軽減」と明記し、その中には私立高校授業料の実質無償化を検討する趣旨が含まれることを確認しました。これを受け、政府内でも検討が始まっています。実現を勝ち取れるよう全力で頑張ります。
茨城県と近県の就学支援金制度