12月11日、浜田昌良復興副大臣は、大井川和彦知事への表敬と意見交換のため、茨城県庁を訪れました。大井川知事は、東日本大震災や福島第1原発事故からの復旧復興に関する要望書を浜田副大臣に手渡しました。
 井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党議員会の田村けい子県議、八島功男県議も同席しました。
 要望書は、復興財源の確保▽原発事故の早期収束▽放射線の不安解消▽風評被害対策−など11項目が盛り込まれました。大井川知事は、中国(台湾)や韓国で農産物の輸入制限措置が続いている点に触れ、「インフラなどハード面の復興は進んでいるが、茨城は農業大県。農業と観光は非常に大きな柱だ。風評被害対策をお願いしたい」などと支援を求めました。

浜田復興副大臣への要望書提出
 2度目の副大臣就任となった浜田氏は「輸入制限措置に関しては、外務省と連携して大臣らが直接海外へ要望に出ている。今までと違う形で新たな基軸を打ち出したい」と答えました。
 知事との面会後、浜田氏は大洗町や鹿嶋市で津波避難道路や液状化対策工事の現状を視察。潮来市日の出地区では、全国に先駆けて完了した地下水位低下工法による液状化対策工事で、地下水排出作業を行っているポンプ場の説明を原浩道市長らから受けました。浜田氏は「これだけの面的な液状化対策は日本最大。今後の対策のモデルになる」と語りました。

東日本大震災に関する要望

1 被災地における復旧・復興に関すること【復興財源の確保】
(1)復興交付金について
復興交付金制度について、地域ごとの実情を十分に配慮のうえ、復興が完了するまでの間、引き続き必要な予算を確保すること。特に、液状化対策事業については、対策工法の選定や住民同意の取得、工事の施工などに相当の期間を要すること、さらには事業費が極めて多額にのぼることから、長期的な支援を行うこと。
(2)社会資本整備総合交付金(復興)について
社会資本整備総合交付金(復興)について、復興が完了するまでの間、必要十分な予算額を確保し、その地方負担について、引き続き地方財政措置を講ずること。
(3)地方財政措置の継続について
復旧・復興事業については、被災自治体の過度な負担にならないよう、引き続き震災復興特別交付税等による地方財政措置を講ずるとともに、震災復興特別交付税について、通常の地方交付税とは別枠とする措置を継続すること。
(4)国が行う復興事業について
国が行う復興事業について、より一層の整備促進を図るとともに、それに係る直轄事業負担金については、震災復興特別交付税による地方財政措置を継続すること。

2 原子力災害に関すること【福島第一原子力発電所事故対策】
(1)原発事故の早期収束について
国の責任において、廃炉作業を安全かつ着実に進め、一刻も早く原発事故 の収束を図ること。
特に、放射性汚染水については、絶対に海洋放出させないよう、国の責任において厳格に管理するとともに、早急に抜本的な対策を講ずること。
(2)放射線に関する不安の解消等について
国において、幅広く疫学的な調査を実施するほか、「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針に規定する支援対象地域、準支援対象地域に応じた必要な施策を講ずるとともに、放射線モニタリング調査の継続及びその結果の丁寧な説明など必要な対策を強化し、放射線に関する不安の解消に努めること。
(3)除染対策について
除染により発生した除去土壌の処分基準の策定や、河川や森林等における実効性の高い除染技術の確立など、除染活動に関する技術的検討を早急に進めること。
(4)放射性物質を含む廃棄物の処分について
本県では、現地保管継続・段階的処理の方針が決定したが、8,000ベクレル/kgを超えた焼却灰などの指定廃棄物等の保管から全量処分に至るまで、国は責任を持って次の一連の対応を速やかに行うこと。
ア 指定廃棄物等については、安全性を十分確保しながら、保管施設の整備を推進するとともに、維持管理費用等も含め、経費は、すべて国が負担すること。
イ 8,000ベクレル/kg以下に減衰した後の指定解除の仕組やその後の処分方法については、住民等の理解が得られるよう、安全性について十分説明するとともに、処理・処分に要する経費は、すべて国の負担とすること。
ウ 国の責任において、風評被害対策に万全を尽くし、地元市町村等の要望を反映した地域振興策を着実に実施するとともに、地方の取組に対する十分な財政支援を行うこと。
(5)全ての損害の早急な賠償について
原発事故と相当因果関係が認められる損害については、全て賠償の対象とするとともに、早急に賠償金全額を支払うなど、国と東京電力の責任において万全の対応を行うこと。
(6)風評被害対策について
観光業や農林水産業などに対する風評被害の解消に積極的に取り組むとともに、地方の取組に対する十分な財政支援を行うこと。
また、中国、韓国、台湾等諸外国・地域が、科学的根拠に基づき、速やかに輸入規制措置を撤廃するよう強く働きかけるとともに、我が国の農林水産物等の安全性に関する正確な情報を発信し、信頼の回復を図ること。
(7)中国人個人観光客向け「数次査証」の発給要件の緩和について
中国人個人観光客向け「数次査証」の発給対象となる地域として、本県を東北6県と同様に扱うこと。