日立市消費生活センター
 1月8日、今日は成人の日です。成人を迎えたみなさんは、大人として社会的な契約に関しても親の同意の必要なく、自分の意思で自由に契約できるようになります。
 しかし、自由に契約ができるようになる反面、契約でトラブルになった場合の責任はみなさん自身が負うことになります。成人になったばかりのみなさんを狙い打ちする悪質な業者による消費者トラブルも多数発生しています。
 また、今や、スマートフォンやSNSが生活の一部になっていますが、ネット通販でトラブルになったり、SNSで知り合った人にマルチ取引や儲け話の勧誘をされてトラブルになったりすることもあります。
 様々な契約にあたって注意しなくてはならないことや、成人になると巻き込まれやすくなるトラブルについて、国民生活センターや日立市消費生活センターで提供されている情報をもとにまとめました。

日立市消費生活センター
新成人に多い消費者トラブルの主な事例
  • スマートフォンでダイエット用飲料を100円で購入できる期間限定モニターに申し込んだ。利用規約も読んだが定期購入の説明はなかったように思う。後日、申し込んだ覚えのない2回目の商品発送のお知らせがメールで届き驚いた。メールで問い合わせをしたらFAQを参照するようにという簡単な返信がきた。今回の契約は、4回の定期購入で支払総額は2万6000円になり、途中でやめるには1万円位かかるようだ。業者の電話がつながらないので、4回目でやめられるのか心配だ。
    脚を細くしたいと思い、人気ブロガーが行ったというエステ店で500円の体験を受けた。施術後に30万円の全身痩身のコースを勧められた。全身は望んでおらず、金額も高額であったため、「支払えない」と答えたところ、「分割もある。1万円位だったら大丈夫でしょう」と言われ、契約してしまった。
  • SNSで知り合った人から儲かる話があると誘われ興味を持ち、カフェで投資ソフトについて詳しい説明を聞いた。その後、社長の自宅のタワーマンションに呼ばれ、「価格は240万円だが半額の120万円にする。その内60万円は会社負担にするので60万円払ってほしい」と言われた。「お金がない」と断ったが、借り方は教えるので消費者金融で借りればいいと言われ、指示どおり、会社員として年収や借りる目的を偽って借りてしまった。人を勧誘すれば8万円もらえると聞いていたが、説明と異なり簡単には儲からないのでやめたい。
  • スマートフォンでSNSを見ていて、相談にのるだけで30万円もらえるという副業サイトを見つけた。すぐに会員登録し、運転免許証の画像を送信したところ、相談メールが入り、自分なりに回答を書き返信した。その後、「報酬を振り込む」とメールが届き、銀行口座番号を知らせたところ、振込手数料としてまず5000円を振り込むように指示があった。あり得ない話だと思いネットで検索したら、詐欺サイトだと書き込みがあった。運転免許証や銀行口座が悪用されないか心配だ。

新成人へのアドバイス
  • 軽い気持ちで契約しない!ネットの情報に流されない!
    悪質商法に限らず、日常の買い物も契約です。契約トラブルを防ぐためにも、契約することに責任を持ちましょう。契約前は契約書等をしっかり読み、内容が十分に理解できない場合には契約しないようにしましょう。また、通販などスマートフォンを通しての契約は手軽さの反面、多くの情報に惑わされがちなので、特に注意しましょう。
  • その場で契約しない!
    体験のつもりでエステに行ったら高額なコースを勧められるなど、思いがけず別の契約を勧められることがあります。「今すぐ決めて」、「この値段は今日だけ」などと契約をせかせて、その場での契約を勧めてくることもあります。後悔しないためにも、その場で契約せず、いったん帰宅して周囲に相談するなど、冷静に考えるようにしましょう。
  • もうけ話は信じない!
    成人になったばかりのみなさんは悪質商法のターゲットになりやすい傾向にあります。特に、20歳代では「友人も契約すれば紹介料がもらえる」等と誘われるマルチ取引に関する相談が多く、身近な友人や先輩、SNSで知り合った人にマルチ取引や儲け話の勧誘をされることもあります。また、自分自身も友人を勧誘する側になり、大切な友人を失うおそれもあります。簡単に大金を稼げるということはあり得 ません。儲け話をうのみにせず、不必要な契約は勇気を出してきっぱりと断りましょう。
  • 「お金がない」なら契約しない!
    「お金がない」と断っても、事業者から「クレジット契約をすればよい」「お金を借りればよい」などと言われ、高額な契約をさらに勧められることがあります。「お金がない」という断り方は相手につけ入る隙を与えてしまいます。断るときは「契約はしない」とはっきり伝えましょう。
    自分の支払い能力を超える契約をすると、支払いに困り、生活そのものが立ち行かなくなることもあります。クレジット契約や借金をしてまで必要な契約なのか冷静に考えましょう。特に借金をさせてまで契約を勧める事業者は信用しないようにしましょう。
  • 困ったら消費生活センターに相談する!
    契約の勧誘やその後の解約などについて不安になったら、消費者ホットライン「188」に電話し、最寄りの消費生活センターに相談しましょう。契約によっては取り消しや解約ができる場合があります。自分で抱え込まず、早め早めの相談が肝心です。
    消費者ホットライン:「188(いやや!)」お住まいの地域の市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。