
1月17日は“防災とボランティアの日”。23年前のこの日、午前5時46分、淡路島北端を震源とする兵庫県南部地震が発生しました。いわゆる阪神・淡路大震災です。この災害ではボランティアが活躍し、1995年は日本の「ボランティア元年」といわれました。
井手よしひろ県議にとっても、この日は特別な日です。その前年の県議で初当選し、県議会議員として初めての議会に臨んだ思い出の日です。水戸の県議会に向かう車の中で、時々刻々と伝えられる神戸の惨状に耳をそばだて、「防災」をライフワークとして取り組む決意をした日でした。
昨年8月に当選した大井川和彦知事は、その新たな政策ビジョンの4本柱の一つに「新しい安心安全への挑戦」を掲げました。住民の生命と財産を守ることは、地方自治に関わる者にとって重い責任、使命です。
知事の掲げる「新しい安心安全への挑戦」に呼応して、防災対策の充実のため4つの具体的提案を行っています。
1番目はスマートフォンを活用した新たな情報伝達システム「クレバーメディア」の開発と県内市町村への展開。2番目は災害が起こった場合に、迅速に防災担当の自治体職員を派遣する「災害救援タスクフォース」の整備。3番目には、避難所やトイレとして活用するためのトレーラーハウス、コンテナハウスなど事前配備。そして4番目には、東海第二発電所の再稼働を止め東海・日立地区を原子力発電所廃炉技術の拠点として再整備することです。
自然災害を未然に防ぐことは出来ません。しかし、その被害を小さくすることや被害からいち早く復旧・復興させることは可能です。何時起るか予測不能の大規模災害に万全の体制で臨むべきです。
スマートフォンを活用した新たな情報伝達システム「クレバーメディア」の開発と県内市町村への展開
現在、鬼怒川の大水害をキッカケに、常総市と境町で、スマートフォンを活用した新たな防災情報伝達システムの実証実験が進んでいます。いずれも、スマホのもつ“双方向性”と“位置情報”を活用したものです。
常総市では、防災無線で流した災害情報を、スマートフォンで音声再生したり、テレビの画面に文字で表示したりする総務省の実証実験が1月21日に行われました。常総水害では、「防災無線が聞き取れなかった」との苦情が市に相次ぎました。その反省を踏まえた災害情報を確実に伝える対策で、新年度から運用する計画です。専用アプリをスマホにインストールすると、防災無線で流れた避難指示などが音声で再生されます。常総市には外国人も多く、英語、ポルトガル語、スペイン語でも情報を得ることが出来ます。
道路の陥没、土砂崩れなどの状況や画像を投稿することも可能です。市職員や消防団員、市民から投稿された内容は、市の判断でスマホ画面の地図に表示されます。
一方、境町は立教大と連携し新たなシステムの開発に取り組んでいます。このシステムは“クレバーシステム”と呼ばれ、簡単な操作で位置情報や救助要請などが住民から町に発信できる双方向型となるのが特徴です。境町は本年度、実証実験を行い、来年度からの本格導入を目指しています。
クレバーシステムは、町が発信した避難の呼び掛けや被災状況などの文字や音声による情報を、住民がスマートフォンやタブレット端末で受け取ります。住民は情報を受け取るとともに、文字を入力せずに簡単な操作で位置情報や救助が必要かなどを町に知らせる機能も備えています。境町は立教大学社会デザイン研究所と連携して専用アプリを開発中で、住民はそれぞれ住所、氏名、年齢などをアプリに登録した上で使用します。孤立した住民の迅速な救助などへの活用が期待されています。
このほか、町職員、消防の関係者など対象を限定して災害対策本部の招集情報を通知したり、地域を限定して住民に避難情報を提供したりすることも想定している。外国語による情報提供も行う方針です。
専用アプリを登録したスマホを持った住民の位置情報は、浸水ハザードマップを組み合わせた地図に表示される仕組みで、救助や各避難所の人数の把握などに役立てることができます。
平時には、インターネットラジオとして利用し、町の行政情報などを伝えることができます。
このクレバーメディアの導入にあたっては、井手県議が境町と立教大学との橋渡しをしました。
常総市や境町での実証実験を参考に、茨城県が新たな防災情報の配信システムをプラットホームとして開発し、県内44市町村に展開すべきと提案しています。開発のコスト縮減し、各市町村に適したシステムを県内全体に装備することが出来ます。
大規模災害時に、防災担当の自治体職員を相互派遣する「災害救援タスクフォース」の整備
タスク・フォースとは、緊急性の高い、特定の課題に取り組むために設置される特別チームのことです。もともとは軍事用語で「機動部隊」を意味し、通常は組織内の各部署から適任者を抜擢し、短期集中的に課題解決にあたります。
自治体における防災のスペシャリストを、平時から訓練と演習により専門家として育成します。そして、異動等に関わらず首長の兼務発令により招集できる体制を整えます。
応急対応期の指揮支援を行います。ポイントは3つ。1番目は、首長及び幹部職員の部分権限移譲による混乱の回避をはかります。具体的には、災害類型タイムライン(過去の経験に基づく資料)に沿った対応、省庁及び県庁との速やかな調整、職員の配置及び勤務スケジュールの策定などです。
2番目に、情報の収集と災害広報を担当します。被災状況の確認及び把握、被災状況及び支援情報等のクロスメディアを使った広報展開、避難場所及び物資状況の把握及び必要物資の手配などを行います。
3番目に、被災自治体の受援力を向上させます。支援組織との速やかな調整、他自治体からの支援職員の配置及び勤務スケジュールの策定、社会福祉協議会、NGO、NPO等民間組織(財団、社団、企業等)との連携の窓口となります。
茨城県では、2017年3月の県議会で井手県議の質問に答えて、橋本知事が被災自治体を支援する体制(総務,福祉医療のタスクフォース)の整備について言及しました。17年3月16日には、茨城県と防災科研とが「包括的な連携・協力に関する協定」を締結しました。この協定に基づき、防災科研は茨城県と県内市町村に研究成果及び災害対応の知見を提供します。今後、茨城県は防災科研との連携のもと、「災害救援タスクフォース」の整備を急ぐべきです。

避難所やトイレとして活用するためのトレーラーハウス、コンテナハウスなど事前配備
2016年に発生した熊本地震では、井手県議らの働きかけもあり、福祉避難所として“トレーラーハウス”が初めて活用されました。
障がい者やその家族にとって、一般の避難所での生活は負担が大きい上、医療機関も被災により受け入れに限りがあるため、特別な対策が望まれます。トレーラーハウスやコンテナハウスには、キッチンやトイレ、お風呂、ベッドなどが完備され、可搬性高いことから、大規模災害時の福祉避難所などに有効に活用できます。井手県議らは、市町村毎にトレーラーハウスやコンテナハウスを常備を提案。平時は公園などの付帯施設などに活用し、発災時には、速やかに被災地域に運搬し、避難所としての使用することを想定しています。
同じように、仮設トイレの不便さやQOLの低さを解消するために、トイレ・トレーラーやトイレ・コンテナも整備し、県内市町村に配備することを訴えています。

東海第2原発の再稼働を中止に
現在、東海第2発電所を運営する日本原電は、1700憶円の巨費を投じて、原子力規制委員会に再稼働を申請しています。安全対策が強化されても、絶対に事故が起こらないという確証はありません。東海第2原発の30キロ圏内には、96万人もの茨城県民が住んでいます。その過酷事故が万が一にも起こった場合の被害は、福島第1原発の比ではありません。
また、現在、30キロ圏内の各市町村では過酷事故が発生した場合の広域避難計画をまとめていますが、実効性のある計画はできていません。
東海第2原発は、今年11月28日、稼働から40年を迎えます。原則通り40年で運転を終了し、廃炉を選択すべきだと強く主張しています。

常総市では、防災無線で流した災害情報を、スマートフォンで音声再生したり、テレビの画面に文字で表示したりする総務省の実証実験が1月21日に行われました。常総水害では、「防災無線が聞き取れなかった」との苦情が市に相次ぎました。その反省を踏まえた災害情報を確実に伝える対策で、新年度から運用する計画です。専用アプリをスマホにインストールすると、防災無線で流れた避難指示などが音声で再生されます。常総市には外国人も多く、英語、ポルトガル語、スペイン語でも情報を得ることが出来ます。
道路の陥没、土砂崩れなどの状況や画像を投稿することも可能です。市職員や消防団員、市民から投稿された内容は、市の判断でスマホ画面の地図に表示されます。
一方、境町は立教大と連携し新たなシステムの開発に取り組んでいます。このシステムは“クレバーシステム”と呼ばれ、簡単な操作で位置情報や救助要請などが住民から町に発信できる双方向型となるのが特徴です。境町は本年度、実証実験を行い、来年度からの本格導入を目指しています。
クレバーシステムは、町が発信した避難の呼び掛けや被災状況などの文字や音声による情報を、住民がスマートフォンやタブレット端末で受け取ります。住民は情報を受け取るとともに、文字を入力せずに簡単な操作で位置情報や救助が必要かなどを町に知らせる機能も備えています。境町は立教大学社会デザイン研究所と連携して専用アプリを開発中で、住民はそれぞれ住所、氏名、年齢などをアプリに登録した上で使用します。孤立した住民の迅速な救助などへの活用が期待されています。
このほか、町職員、消防の関係者など対象を限定して災害対策本部の招集情報を通知したり、地域を限定して住民に避難情報を提供したりすることも想定している。外国語による情報提供も行う方針です。
専用アプリを登録したスマホを持った住民の位置情報は、浸水ハザードマップを組み合わせた地図に表示される仕組みで、救助や各避難所の人数の把握などに役立てることができます。
平時には、インターネットラジオとして利用し、町の行政情報などを伝えることができます。
このクレバーメディアの導入にあたっては、井手県議が境町と立教大学との橋渡しをしました。
常総市や境町での実証実験を参考に、茨城県が新たな防災情報の配信システムをプラットホームとして開発し、県内44市町村に展開すべきと提案しています。開発のコスト縮減し、各市町村に適したシステムを県内全体に装備することが出来ます。
大規模災害時に、防災担当の自治体職員を相互派遣する「災害救援タスクフォース」の整備
タスク・フォースとは、緊急性の高い、特定の課題に取り組むために設置される特別チームのことです。もともとは軍事用語で「機動部隊」を意味し、通常は組織内の各部署から適任者を抜擢し、短期集中的に課題解決にあたります。
自治体における防災のスペシャリストを、平時から訓練と演習により専門家として育成します。そして、異動等に関わらず首長の兼務発令により招集できる体制を整えます。
応急対応期の指揮支援を行います。ポイントは3つ。1番目は、首長及び幹部職員の部分権限移譲による混乱の回避をはかります。具体的には、災害類型タイムライン(過去の経験に基づく資料)に沿った対応、省庁及び県庁との速やかな調整、職員の配置及び勤務スケジュールの策定などです。
2番目に、情報の収集と災害広報を担当します。被災状況の確認及び把握、被災状況及び支援情報等のクロスメディアを使った広報展開、避難場所及び物資状況の把握及び必要物資の手配などを行います。
3番目に、被災自治体の受援力を向上させます。支援組織との速やかな調整、他自治体からの支援職員の配置及び勤務スケジュールの策定、社会福祉協議会、NGO、NPO等民間組織(財団、社団、企業等)との連携の窓口となります。
茨城県では、2017年3月の県議会で井手県議の質問に答えて、橋本知事が被災自治体を支援する体制(総務,福祉医療のタスクフォース)の整備について言及しました。17年3月16日には、茨城県と防災科研とが「包括的な連携・協力に関する協定」を締結しました。この協定に基づき、防災科研は茨城県と県内市町村に研究成果及び災害対応の知見を提供します。今後、茨城県は防災科研との連携のもと、「災害救援タスクフォース」の整備を急ぐべきです。

避難所やトイレとして活用するためのトレーラーハウス、コンテナハウスなど事前配備
2016年に発生した熊本地震では、井手県議らの働きかけもあり、福祉避難所として“トレーラーハウス”が初めて活用されました。
障がい者やその家族にとって、一般の避難所での生活は負担が大きい上、医療機関も被災により受け入れに限りがあるため、特別な対策が望まれます。トレーラーハウスやコンテナハウスには、キッチンやトイレ、お風呂、ベッドなどが完備され、可搬性高いことから、大規模災害時の福祉避難所などに有効に活用できます。井手県議らは、市町村毎にトレーラーハウスやコンテナハウスを常備を提案。平時は公園などの付帯施設などに活用し、発災時には、速やかに被災地域に運搬し、避難所としての使用することを想定しています。
同じように、仮設トイレの不便さやQOLの低さを解消するために、トイレ・トレーラーやトイレ・コンテナも整備し、県内市町村に配備することを訴えています。

東海第2原発の再稼働を中止に
現在、東海第2発電所を運営する日本原電は、1700憶円の巨費を投じて、原子力規制委員会に再稼働を申請しています。安全対策が強化されても、絶対に事故が起こらないという確証はありません。東海第2原発の30キロ圏内には、96万人もの茨城県民が住んでいます。その過酷事故が万が一にも起こった場合の被害は、福島第1原発の比ではありません。
また、現在、30キロ圏内の各市町村では過酷事故が発生した場合の広域避難計画をまとめていますが、実効性のある計画はできていません。
東海第2原発は、今年11月28日、稼働から40年を迎えます。原則通り40年で運転を終了し、廃炉を選択すべきだと強く主張しています。