パンフレット

 今年は茨城県内も4年ぶりの大雪に見舞われ、各地でスリップなどによる事故が相次ぐなど、道路交通網が大きく乱れました。
 普段降雪が少ない茨城県内では、スタッドレスタイヤを履いたり、チェーンを携行したりするなど、滑り止めの措置をとっていない車が多く問題になっています。
 県警交通総務課は、雪の影響があった「1月22日午前8時半〜24日午前8時」と「2月1日午後3時〜2日午後4時」に発生したスリップ事故についてまとめました。事故は計876件確認され、このうち、ノーマルタイヤの事故は642件で、全体の73%を占めています。スタッドレスタイヤを装着していた車両は234件でした。
 スタッドレスタイヤは雪や氷の上でも摩擦力を発揮するため、低温でも硬くなりにくいゴムを使い、細かい溝が刻まれているのが特徴です。日本自動車連盟(JAF)の検証によると、時速40キロで雪道を走った場合、制動距離はノーマルタイヤの29.9メートルに対し、17.3メートルと半分ほど短かく、威力を発揮しました。
 ただ、凍った道路の制動距離はスタッドレスタイヤでも78.5メートルと大きく、雪道に比べ4.5倍伸びました。スタッドレスタイヤでも慎重な操作を怠れば、スリップし事故につながります。条件次第では立ち往生したり、滑ったりするため過信は禁物です。
 あまり知られていないのですが、ノーマルタイヤで滑り止めを講じずに積雪した道路を走るのは、法令違反となります。
 運転者の義務を定めた道路交通法71条6号に基づき、沖縄県を除く各都道府県の公安委員会が積雪、凍結時のルールを決めています。
 降雪地帯だから厳しい、非降雪地帯だから厳しくない、というルールの差はあまりありません。たとえば、東京都は「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路において、自動車又は原動機付自転車を運転するときは、タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること」とあります。
 茨城県では「積雪又は凍結している道路において自動車(二輪のものを除く。)を運転するときは、雪路用タイヤを用い、 又はタイヤにチェーン取り付けるなど滑り止めの装置を講ずること」(茨城県道路交通法施行細則第13条第4号)とあります。
 いずれも、違反すると反則金(大型7000円、普通6000千円)が課さられます。
 降雪時や降雪が予想されるときはスタッドレスタイヤを装着するか、ノーマルタイヤでは外出しないことを徹底すべきです。