長野県の空き家バンク
 2月2日、井手よしひろ県議は、茨城県宅建協会の幹部と「空き家対策の推進」などについて意見交換を行いました。
 空家には、管理不全となっている空家いわゆる特定空家と、利活用が可能な既存住宅が混在しており、それら空家の問題解決は、市町村単位の活動で解決できるものではありません。現在、県の対応としては、市町村に対する情報の提供と側面的なサポートが実施されていますが、今一歩踏み込んだ対応が求められます。
 具体的は、以下の5点について宅建協会から県行政に関して要望を受けました。
  1. 市町村が実施されている空家対策の活動を加速させるためにも、茨城県として各種補助金制度の創設(解体補助金等)や、市町村が空き家・空き地対策のために活用できる予算措置を講じる等、財政面のサポートが必要。
  2. 茨城県では、28年度、29年度に市町村が開催する空き家相談会へ専門家を派遣する事業を実施しています。相談で蓄積された内容を整理し、これからは一歩踏み込んで、空き家所有者が抱えている各種問題(相続関係、利活用の方法、取り壊し等)を解決するための具体的な施策を茨城県独自で策定し対応する必要がある。
  3. 空家等に関わるすべての業務を一元的に実施する専門部署の設置が必要(相続、登記、税制、解体など課題が多岐にわたりるため、ワンストップサービスが必要)。
  4. 空家に関する各種相談に対応する窓口の設置。
  5. 現在、空き家対策は市町村単位で対策に取り組んでいるところですが、空き家問題を解決するためには、茨城県が市町村を先導し、市町村が同一歩調で問題の解決に取り組むことが必要です。
 また、市町村に対しては以下の要望を受けました。
  1. 空き家に関する専門部署の設置は必要不可欠。
  2. 市町村では、 空き家対策への取り組みに温度差があります。空き家バンクは、既存住宅の利活用の促進には効果的な施策でありますので、空き家バンクの設置を促進していただきたい。
  3. 特措法に基づく作業(特定空家認定作業等)を実施する担当部署と既存住宅の利活用を促進するための活動(空家バンク等)を実施する担当部署の情報共有。
  4. 空き地を含めた「空き家・空き地バンク」の設置が望ましい。
  5. 空き家は、取り壊すと空地となるため、バンク制度としては対象物件を空き家に限らず空き地を含めることが重要になると考えます。
  6. 市場に流通していない空き家・所有者不明空家(相続未登記物件等)の流通促進を図る(例えば、税務担当課との連携により、固定資産税の納税通知書へ空家バンク制度の案内を同封し、物件所有者に対してバンクの周知徹底を図るなどの施策が有効です)

 空き家対策は、移住や二居地居住を進めるために重要な政策です。
 長野県では県・市町村・長野県宅地建物取引業協会が連携協力して「楽園信州空き家バンク」を設置しています。このホームページに掲載されている物件件数は、2月10日現在で642件です。長野県や県内市町村への移住促進への熱意と宅建事業者の地元のネットワークが見事に力を発揮しています。
 それに対して、茨城県の移住ナビに登録されている件数は、わずか64件です。茨城県宅建業協会のホームページには新築を合わせると1375件の物件がすでに登録されていることを考えると、優良な中古物件を厳選することで、移住ナビ登録件数は一挙に充実するはずです。
 さらに、最近注目されているのが、住宅要配慮者に対する支援活動です。茨城県でも居住支援協議会を設置し、県と宅建協会が協力をして支援活動を展開しているところですが、この住宅要配慮者に対して空き家バンクの物件を活用する仕組みを構築することは、空き家対策と居住支援の双方の事業にとって非常に有効と考えます。