SNSを活用したいじめ・自殺相談に関する勉強会
 公明党大阪府本部青年局はこのほど、「SNSを活用したいじめ・自殺相談」に関する勉強会を開催しました。これには、公明党の大阪、奈良、和歌山の3府県本部所属の地方議員のほか、自治体関係者約20人が参加。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ったいじめ・自殺相談を推進してきた国会議員、地方議員、カウンセリング関係者、IT事業者などが一堂に会し意見を交換しました。
 勉強会では、長野県と滋賀県大津市で試行されたLINEによるいじめ・自殺相談の事例を踏まえ、各講師らが、(1)電話に比べ気軽に相談しやすい(2)圧倒的に相談件数が増えた(3)啓発動画の一斉配信など紙媒体に比べ低コストで効果的に注意を喚起できる――など、LINEによる相談事業の利点を提示。現状の課題と今後の展望について、講演を行いました。

LINEで気軽に投稿 低コストで啓発活動も
 相談に当たっている関西カウンセリングセンターの古今堂靖理事長は、電話や対面による相談では、相手から「つらいんです」と言われると「つらいんですね」と返す感情反射の傾聴技法が有効ですが、LINEのやりとりでは逆効果で、相手から「くどい」と思われてしまうと指摘。表情やしぐさが見えないSNS相談では「対話をリードする質問や共感的ではっきりした言葉のメッセージが有用」と語りました。

 相談システムを開発したトランスコスモス株式会社の三川剛・上席常務執行役員らは、長野県の相談事例を通じて、複数名への同時対応や過去の相談履歴の参照などカウンセラーをサポートする仕組みを紹介しました。

 LINE株式会社の公共政策室主席政策担当の村井宗明氏は、今どきの子どもは電話を使わず、LINEなどのSNSが主なコミュニケーションの手段となっているとし、時代の変化に対応したSNSの積極的な活用が子どもたちの命を救うことにつながるとの思いを吐露。昨年3月、公明党の浮島智子衆議院議員が文部科学大臣にSNS相談の実施を要請したことが公明新聞に掲載され、その記事を見た各地の公明党議員が議会で質問し、多数の自治体の担当者が具体化に動き出している様子を語り、「公明党のネットワークの力と実現力、公明新聞の影響力は本当にすごい」と評価しました。

ネットワーク、機関紙生かし 公明のチーム力で推進
 文科省の初等中等教育局児童生徒課長の坪田知広氏は、子どもたちの相談体制の構築と神奈川県座間市で起きたSNSを悪用した殺人事件の再発防止策の観点から、公明党の強力な推進があって、SNSによる相談体制が前進したと指摘。2017年度補正予算と18年度予算案を合わせて2億5000万円の予算額(1カ所上限1000万円、全国で25カ所分)が確保される見通しを示し、「今回の実証実験を次の全国展開へのステップにしていきたい」と語りました。

 あいさつに立った杉久武衆議院議員は、山口那津男代表の国会での代表質問に対し、安倍晋三首相がSNS相談の強化を約束したことに言及し、「公明党のチーム力を生かして実現したい」と強調。浮島さんは、文科省や厚生労働省が連携し、財務省もしっかりと相談事業を支えていく流れができているとし、「来年には全国ネットワーク化を進めたい」とし、参加者に積極的な関わりを促しました。
 なお勉強会では、進行役の藤村局長(府議)が大阪府でも公明党の推進で、1月から2月にかけて高校生を対象にLINEを使った相談事業を試行していることを紹介。緊急対応やカウンセラーの確保、補助事業の公募時期などを巡って活発な質疑応答も行われました。

茨城県ではSNSを活用したいじめ・自殺相談、LGBT相談を提案
 井手よしひろ県議か代表を務める茨城県議会公明党では、3月5日行われる県議会代表質問で、大井川地に対してSNSを活用した「いじめ・自殺相談」、「LGBT相談」を提案する予定です。関係するSNS事業者や国の補助事業採択に向けての準備をお行っています。