井手よしひろ県議の県議会代表質問
 3月は自殺予防月間、3月5日、井手よしひろ県議は県議会代表質問で、「子どものいじめ、自殺対策、LGBT相談の窓口の設置について」て、大井川知事に質問しました。以下、その内容をご紹介します。

【井手よしひろ県議の質問】
 子どものいじめ、自殺対策、LGBT相談の窓口の設置について提案します。
 SNSが中高生や若者に浸透しています。平成27年の総務省の統計から、10代の若者がどのようなメディアを活用しているかをみてみると、1日平均でSNSの利用が57・8分であるのに対して、メールが17分、ネット電話4・4分、携帯電話2・8分となっており、固定電話に至っては0分と全く利用されていない実態が明らかになっています。
 長野県が昨年9月に、LINEを利用したいじめ・自殺相談を試行したところ、1日あたり112.7件のアクセスがありました。これは、前年度1年間の電話相談、1日あたり1.8件の62倍の件数となります。
 SNSを活用したいじめや自殺、LGBTなどに関する相談窓口は、他のメディアに比べて敷居が非常に低いという特徴があります。さらに、SNSは高い匿名性も確保することが出来、24時間、いつでもどこでも利用できるというメリットもあります。さらに、相談を受ける側も、その受け皿を県内関係者に限定せず、全国の専門家に委託することも可能です。
 SNSを利用した相談は、若者に潜んでいる「相談したい気持ち」を掘り起こすことができます。若者の悩みを早期に把握し、解消し、深刻な事態に陥ることを回避することにも繋げられると期待されています。
 いじめや自殺対策だけではなく、先の12月定例県議会では、性的マイノリティ・LGBTに関しての支援のあり方が一般質問の俎上に上がりました。こうしたLGBTの方々にとっても、その悩みや課題をまず共有するために、SNSによる相談窓口を開設することは非常に効果的だと考えます。
 茨城県でも、SNSを活用したいじめや自殺、LGBTの相談窓口の創設を検討すべきと考えますが、知事いかがでしょうか?

【大井川和彦知事の答弁】
 子どものいじめ、自殺対策、LGBTの相談窓口創設についてでございます。
 現在、本県では、いじめの相談について、「いじめ・体罰解消サポートセンター」において、電話や来所及び、電子メールや電子掲示板への書き込みによる相談を受け付けているほか、「子どもホットライン」においても、毎日、24時間体制で電話やメール等による相談を行っているところでございます。
 また、自殺対策につきましても、「いばらきこころのホットライン」による電話相談や、保健所での自殺相談を実施しております。
 LGBTにつきましては、人権セミナーの開催や冊子の配布など、県民への啓発に取り組んでおります。
 議員ご指摘のとおり、昨年9月に長野県で実施した、LINEを利用したいじめ・自殺相談では相談件数が大幅に増加した実績がございます。こうしたことから、若者にとっては、気軽に相談しやすいSNSを活用することは、様々な悩みを広く受け止め、問題の深刻化を未然に防止できるものとして、大変有効であると認識しております。
 一方、SNSで受けた相談を電話や対面による相談窓口へいかにつなげるか、相手方へ寄り添う伝え方や、即応することができる相談員の確保といった課題もございます。
 今後、このような状況を踏まえ、いじめ相談や自殺対策につきましては、SNSを含めた相談体制の充実・強化について検討してまいります。
 また、LGBTに関する相談につきましても、SNSの活用について、当事者団体やSNS事業者などとも意見交換したところでありますので、今後、どのような形で窓口や、相談体制を整備していくか、あるいは、長野県のような取組みが試験的にできるかなど、総合的に検討してまいります。