井手よしひろ県議の予算特別委員会での質問
 3月19日、井手よしひろ県議は予算特別委員会での質問に立ちました。1.いばらき農産物の輸出促進について、2.県収入証紙の見直しについて、3.中学校の部活動の在り方につい、4.動物愛護の推進について、5.原子力安全協定の範囲拡大について、6.消防団活動について、など6項目にわたって、大井川知事、教育長、担当部長に質問しました。
 このブログでは、「いばらき農産物の輸出促進」に関連した、大井川知事とのやり取り(概要)を掲載します。なお、質問原稿やインターネット中継よりの文字起こしのため、正式な議事録とは異なりますので、ご了解いただきたいと思います。

【井手よしひろ県議の質問】
 大井川知事が掲げる政策ビジョン「新しい豊かさへの挑戦」から、茨城農産物の輸出促進について伺います。
 昨年1年間の農林水産物や食品の輸出額は、和食ブームなどを追い風にアメリカやアジア向けの牛肉や緑茶の輸出が好調で、平成28年より7%余り増えて初めて8000億円を超えました。農林水産省の発表によりますと、去年1年間の農林水産物や食品の輸出額は、前の年に比べ7.6%増えて、8073億円でした。
 茨城のコメ農家の中にも、輸出を一段と増やそうという生産者もいます。茨城県産米輸出推進協議会は、平成28年産米は、8名の生産者により60トンの輸出に止まっていましたが、平成29年産米については、35名の生産者に拡大。約240トンを輸出予定です。11月に生産者自らによる現地小売店での試食販売も実施しました。
 今年は、去年を上回る輸出を計画しているということです。
 ベトナム向けなしの輸出も好調です。平成29年1月ベトナム向けのなしの輸出解禁を受け、8月から輸出がスターとしました。現地約30店舗での試食販売等の継続実施などにより、9月末までに約100トンを輸出しました。
 常陸牛は、平成26年度からベトナム、平成27年度にはタイにおいて海外販売推奨店を開拓し、平成29年7月にはアメリカでの第一号店を指定しました。現在では、アメリカ、タイ、ベトナムに合計17店舗に拡大されています。
 このほか、民間の事業者の挑戦も顕著です。つくば市にあるみずほの村市場(みずほジャパン)は、この4年間で独自のルートを開発し、タイの富裕層向けに、イチゴやメロン、ぶどうなどの輸出を手がけています。
 日本第2の農業県である茨城が、輸出促進を目指すことは3つの意味で非常に意義があります。一つは、より品質の高い農産物の生産・輸出により農家の収入が向上するということです。二つ目として、国内だけでなく世界を相手に農業に取り組むことで、農家には自信が生まれ、後継者が育ちます。三つ目として、海外で選ばれる農産物を生産する茨城県という評価が高まれば、茨城のブランド力向上に直結します。
 さて、大井川知事は、旧通産省に奉職されていた際、初代シンガポール事務所の所長を務められた経験があると伺っています。外資系の企業で活躍されたご経験もあります。
 その経験から、茨城の農産物で海外、特に東南アジア圏で有望な作物はどのようなものと考えられているか伺います。さらに、輸出先としてもっとも有望な地域、国はどこと考えられているかお尋ねします。

井手よしひろ県議の予算特別委員会での質問
【大井川和彦知事答弁】
 私はシンガポールに平成10年から2年半程赴任しておりまして、当時から同国はASEANの経済・情報発信の中心であるとともに、日本産食品を取り扱う小売店なども多数存在しており、周辺国を含めた東南アジアは、今後魅力的な経済圏になっていくものと肌で感じておりました。
 その東南アジア向けへの有望な品目としましては、本県において生産量が多く継続的な輸出が見込めることや、現地バイヤーの要望などから、かんしょ、なし、常陸牛と捉えております。
 また、輸出先として最も有望な地域、国としましては、距離が近く市場が大きい東アジア地域と考えておりますが、香港、中国などは、依然として原発事故による本県産農産物に対する輸入規制が継続されておりますので、現在のところは、タイやベトナムなどの東南アジアが最も有望であると考えております。
 さらに、世界経済の中心である北米につきましても、検疫や衛生基準などの輸入条件が厳しく、市場開拓は容易ではないものの、高い購買力、そして大きな市場を有することから、チャレンジしていくべき地域と考えております。

【井手県議質問】
 そのうえで、茨城農産物の輸出促進のために、来年度の予算編成の中ではどのような戦略を執ろうとされているのか、知事にお伺いいたします。

【大井川知事答弁】
 来年度につきましては、新たな国への販路開拓・販路定着についても積極的に取り組を進めるよう予算措置をいたしました。
 まず、北米での取組につきましては、アメリカの高級レストランにおいて、常陸牛を中心に、本県産の米や水産物なども併せて提供するメニューフェアを開催し、メディア関係者を招待したお披露目会を行うなど、海外に県産品の魅力を直接発信する新たなブランド力強化の取組を実施し、輸出拡大に繋げてまいります。
 また、米につきましては、アメリカの日本食レストランやスーパーから好評を得ており、出荷量の増加を要望されておりますことから、今後さらに生産者を募集し、生産拡大に努めるとともに、生産者が自ら行う現地スーパーでの試食販売活動等を支援し、輸出促進を図ってまいります。
 次に、東南アジアでの取組につきましては、タイ向けのかんしょやベトナム向けのなしなどの輸出が、着実に進展してきているところで御座います。
 今後は、競争が激しいシンガポールもターゲットに加え、品目や市場の拡大に意欲的な産地が輸出事業者とコンソーシアムを組んで、自ら企画し実施する現地でのプロモーション活動などの支援を行ってまいります。
 また、輸出の進展に伴い、海外で模倣品などが出回らないよう、本県で育成したオリジナル品種の商標権を輸出先国などで取得し、ブランドや産地を保護する取組も進めたいと思ってます。
 これらの取組を進め、現地で生産されたものや他国からの輸入品、日本の他産地との競争が生じる市場環境のなかでも、本県産農産物が消費者に選ばれ、継続的に購入いただけるよう、取組結果についてしっかりと検証を行い、よりレベルの高い取組へとつなげてまいりたいと考えております。


【井手県議要望】
 ちょうど4年前に茨城から、茨城のまさにトップブランドのイチゴをタイに輸出しようというプロジェクトが立ち上がり、その場に私もお手伝いさせていただいた経験があります。
 タイに輸出されますので、県の国際交流課の方にイチゴの説明をタイの言葉に翻訳していただいて、それをテロップを付けていただきました。茨城の人達が、茨城の農家の方々ががこんなに丹精を込めて作っているイチゴですという動画を作って、タイの方々に見ていただいたという記憶がございます。
 そういった意味では、(茨城の農産物の輸出は)単に農業の部門がやればいい、輸出振興する営業戦略部だけがやればいいという事ではないと思います。全庁をあげて茨城の農産物の海外輸出について取り組んでいただきと思います。