りんりんスクエアー土浦
 全国初の駅直結型サイクリング拠点――。全長約180キロの日本有数の長さを誇るサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の結節点である茨城県土浦市のJR土浦駅ビルに、県はこのほど、サイクリング拠点施設「りんりんスクエア土浦」を開業しました。サイクリングを通じた交流人口拡大と地域活性化につなげる考えです。

国内有数のコース利用しやすく、レンタル、シャワーなど機能充実
 「つくば霞ヶ浦りんりんロード」は、茨城県内14市町村を縦断する大規模サイクリングコース。平坦でアップダウンが少なく、走りやすさに定評があり、霞ヶ浦、筑波山などの豊かな自然や歴史的文化資産、四季折々の果物、花々などを存分に楽しむことができます。都心から電車で約1時間と近く、手ぶらでサイクリングができる環境づくりなどで、県は各市町村と連携し、サイクリングを通じた地域振興に力を入れてきました。イベントも数多く企画。県によると、利用者は年々増え続け、2017年は約6万人がりんりんロードを自転車で利用しています。
 今回整備されたアクセス拠点「りんりんスクエア土浦」は、約60台のレンタサイクルやセキュリティー完備のシャワー、ロッカー、更衣室、駐輪場などを備えています。JR土浦駅ビルを改装しているのが大きな特徴で、延床面積は959平方メートル。県担当者は「この規模は世界でも例がないのでは」と語っています。
 サイクリスト向けのサービスをワンストップ(1カ所)で提供し、日常からスポーツ、旅行まで多種多様なサイクリングライフの提案も行います。また、サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポットやサイクリングコースの案内など、旬な情報を提供する場所としての役割も担います。
 年中無休で、利用時間は、午前10時〜午後8時。今後、「りんりんスクエア土浦」を活用しながら首都圏の女性やシニア層、訪日外国人客(インバウンド)などの利用を促す施策を、県は積極的に展開していくことにしています。

公明市議が提案し、県議と連携して推進
 公明党土浦市議団では荒井武幹事長が、2003年6月定例会で中心市街地活性化の観点から、土浦駅前の空き店舗を活用したレンタサイクルの設置を提案したのをはじめ、りんりんロードの結節点となる土浦駅に拠点を構えるよう一貫して訴えてきました。
 さらに、茨城県議会公明党(井手よしひろ幹事長)の八島功男県議は、情報発信基地を作り上げる重要性を議会で主張した上で、県と土浦市が十分な連携を取ってサイクリング拠点施設整備事業を進められるよう後押ししてきました。

つくば霞ケ浦リンリンロード
5月はレンタサイクルを大幅割引
 昨年(2017年)5月に施行された自転車活用推進法が定める初めての「自転車月間」に合わせ、茨城県は今月(2018年5月)、自転車関連のイベントを展開します。自転車専用道「つくば霞ケ浦りんりんロード」沿線の8市町でつくる実行委が貸し出す、広域レンタサイクルを大幅に割り引きます。また、観光遊覧船「霞ケ浦広域サイクルーズ」も土浦市と共同で運航します。県は「爽やかな季節に手ぶらでも楽しめる県内サイクリングを」と訴えています。
 レンタサイクル割引は、大人向けのクロスバイクやロードバイク(1500〜2000円)を、5月限定で全て1000円に値下げします。貸し出し・返却場所は、「りんりんスクエア土浦」が新たに加わり、計9カ所となりました。これまでは1日単位の貸し出しだったが、4月からは連続レンタルも開始し、宿泊を伴うレンタサイクル利用でもより便利になりました。