
5月17日、茨城県は2017年度の犬の殺処分頭数を公表しました。それによると、犬が338頭、猫が375頭で合計712頭で、合計の処分数では前年度の約45%減となりました。
収容頭数の減少と、ボランティアによる引き取り頭数の増加が主な要因です。「県犬猫殺処分ゼロを目指す条例」が、2016年に県議会の議員提案で制定されたのを受け、県は2017年度から啓発活動や対策を強化し、予算も関連予算も大幅増額となり成果につながりました。

県生活衛生課によると、2017年度の1年間に県動物指導センターに収容された犬は計1325頭で、前年度と比べ約2割減少しました。そのうち約6割の828頭がボランティア団体などに引き取られ、122頭が元の飼い主に返還されました。殺処分されたのは収容された犬の約3割の338頭でした。
茨城県の犬の殺処分頭数は、1990年度の1万8611頭をピークに減少傾向にあります。しかし、2005〜12年度に8年連続全国ワースト1を記録。2016年度は前年度比で半減の612頭となりましたが、依然として全国ワースト3位でした。
県犬猫殺処分ゼロを目指す条例の制定を受け、県は2017年度、対策費として6420万円を計上。殺処分減少につながる民間の取り組みを支援したり、動物指導センターに収容された犬猫の新たな飼い主を捜す団体などに餌代を補助したりする事業に創設しました。また、動物指導センターから譲渡された犬猫の不妊・去勢手術費用を補助する事業もスタートさせました。
猫の殺処分頭数も2017年度、前年度と比べ約7割減の375頭となりました。収容された猫の約7割が引き取られました。2017年度から、県は本格的に地域猫対策を導入。今後、入り口対策(収容される猫の減少対策)として効果が期待されます。
確かに、犬猫の殺処分の数は大きく減っていますが、県内外の献身的なボランティアによる引取数の増加によるところが多いとみるべきです。更なる入り口対策の強化や多頭飼育崩壊への対応など、県に課せられた課題はまだまだ多いと認識すべきです。