一人の声から、高崎すすむ県議が動き条例改正
茨城県は未就学児がいる子育て世帯の県営住宅入居優先枠に関して、10年に制限してきた入居期間を子どもが18歳になるまで延長できるよう条例改正し、このほど対象世帯への通知を完了させました。
優先枠での入居は2009年1月5日から開始されており、19年1月から順次退去を迫られることになっていました。「せめて子どもが18歳になるまで」との一人の声に真剣に向き合う公明県議の行動が、入居期間延長実現へと導きました。
水戸市にある県営住宅に菅原絵利香さんが入居したのは、2010年1月。長男が3歳、次男が生まれて間もない頃で、夫と4人で入居しました。2人の子どもが成長し、家計のやりくりが以前よりも大変さを増す中、2014年10月に夫がくも膜下出血で倒れました。命は助かったものの、記憶の一部がなくなるなど後遺症が残り、これまで勤めていた会社からの退職を余儀なくされました。
現在、長男が小学6年生、次男は小学3年生。夫が実家で療養する中、子どもに寂しい思いをさせたくはないが、生活していくためには菅原さんが働く以外に道がないのが現状です。
入居から10年の期限が刻々と近づき、今の住まいをいずれ出て行かなくてはならないことを子どもたちに伝えた。次男は「お友達と別れたくない」と泣き出した。そうした状況がますます菅原さんの不安を駆り立てたました。「せめて、子どもが18歳になるまで住むことができれば…」。
2016年10月、先々の事が心配で仕方なかった菅原さんは、すがるような思いで公明党の高崎すすむ県議に相談しました。
県担当者「指摘されて必要性痛感」
高崎県議は、切実な訴えを親身になって聞き、事の深刻さを理解しました。2017年3月の県議会予算特別委員会で、2019年1月から順次到来する入居期限後も子育て世帯が安心して生活できるよう、県営住宅の制度拡充を提案しました。
この提案が県を動かしました。県担当者は「高崎県議に指摘されて初めて期限延長の必要性を痛感した」と語り、他の自治体の取り組みを調査して、制度の改正を検討したと説明します。さらに「公営住宅の子育て世帯枠は、少子化対策の役割を担っている。だからこそ希望者が長くいられるようにするのが本来の目的」と語っています。
今回延長が実現できた背景には、子育て世帯の優先枠制度の導入当時と比べ県営住宅入居を巡る環境の変化があります。募集枠に対する入居希望者が当初より大幅に減少し、子育て世帯が長く住み続けることが、他の希望者の入居を大きく妨げないようになったのも要因の一つです。
菅原さんは「先行きが不安な中で、本当にほっとしている。子どもたちも転校しなくて済むことを喜んでいる」と安堵の表情を浮かべています。
2017年第1回定例県議会予算特別委員会での高崎すすむ県議の質問
子育て向け県営住宅の制度拡充について、土木部長に伺います。
県営住宅においては、子育て世帯を支援するため、未就学児のいる世帯を対象とした優先枠を設定しており、この支援策を活用し、入居されている世帯も多いと聞いております。
この子育て世帯向けの支援策は、平成20年度に導入されたもので、10年間の定期借家制度を活用し、多くの子育て世帯の需要に応えたものでありますが、これらの世帯において平成30年度から順次期限を迎えることとなります。
しかし、その世帯の中には、お子さんがまだ小学校に通っており、転居に伴う転校を迫られるなど、生活環境の変化に対する不安の声も直接聞いております。
そこで、このような状況を踏まえ、こうした世帯が今後も安心した生活が送れるようどのような対応をお考えであるのか、御所見をお伺いいたします。
土木部長答弁
県営住宅は、通常、入居期限を定めておりませんけれども、少子化対策の一環として、小学校入学前の未就学児のいる子育て世帯の入居を促進するため、10年間の入居期限付きの定期借家制度を平成20年に導入しております。本制度を活用して入居している方は、平成29年2月末現在で、131世帯、495名おります。
制度導入当時は、県営住宅の入居を希望する待機者が1500世帯を超え、待機期間の長期化により入居しにくい状況が続いておりました。こうした背景を踏まえまして、この制度は、待機者が多く、特に入居しにくい子育て世帯について優先入居枠を設けて入居しやすくする一方、10年間の期限付きとして、期限到来後は撤去いただくということで、より多くの世帯へ住宅の供給を図ろうとしたものでございます。
入居している世帯のうち、早いほうでは平成31年1月に入居期限が到来し、これらの世帯につきましては、入居者資格などの要件が合えば他の県営住宅への応募により再び入居いただくことが可能でありますが、委員御指摘のとおり、住みかえを行うことで子どもを転校させなければならない、あるいは病気のため引っ越しが負担となるなどの理由により、期限の延長の御要望もございます。
期限到来により撤去となることで生活環境の変化に対応せざるを得ないという不安を抱える世帯もある一方で、三和団地や百合が丘団地など人気のある団地では、依然として次の子育て世帯を含めた多くの世帯が入居を待っておられますので、10年間という期限を延長するかどうかは、両者のバランスを図りながら検討を進める必要があると考えております。
このため、今後、県といたしましては、お子さんの就学状況など入居世帯の状況を十分に調査いたしますとともに、入居を待つ世帯の状況も把握しつつ、平成31年1月から到来する入居期限に間に合いますよう、対応について検討してまいります。
高崎県議は、切実な訴えを親身になって聞き、事の深刻さを理解しました。2017年3月の県議会予算特別委員会で、2019年1月から順次到来する入居期限後も子育て世帯が安心して生活できるよう、県営住宅の制度拡充を提案しました。
この提案が県を動かしました。県担当者は「高崎県議に指摘されて初めて期限延長の必要性を痛感した」と語り、他の自治体の取り組みを調査して、制度の改正を検討したと説明します。さらに「公営住宅の子育て世帯枠は、少子化対策の役割を担っている。だからこそ希望者が長くいられるようにするのが本来の目的」と語っています。
今回延長が実現できた背景には、子育て世帯の優先枠制度の導入当時と比べ県営住宅入居を巡る環境の変化があります。募集枠に対する入居希望者が当初より大幅に減少し、子育て世帯が長く住み続けることが、他の希望者の入居を大きく妨げないようになったのも要因の一つです。
菅原さんは「先行きが不安な中で、本当にほっとしている。子どもたちも転校しなくて済むことを喜んでいる」と安堵の表情を浮かべています。
2017年第1回定例県議会予算特別委員会での高崎すすむ県議の質問
子育て向け県営住宅の制度拡充について、土木部長に伺います。
県営住宅においては、子育て世帯を支援するため、未就学児のいる世帯を対象とした優先枠を設定しており、この支援策を活用し、入居されている世帯も多いと聞いております。
この子育て世帯向けの支援策は、平成20年度に導入されたもので、10年間の定期借家制度を活用し、多くの子育て世帯の需要に応えたものでありますが、これらの世帯において平成30年度から順次期限を迎えることとなります。
しかし、その世帯の中には、お子さんがまだ小学校に通っており、転居に伴う転校を迫られるなど、生活環境の変化に対する不安の声も直接聞いております。
そこで、このような状況を踏まえ、こうした世帯が今後も安心した生活が送れるようどのような対応をお考えであるのか、御所見をお伺いいたします。
土木部長答弁
県営住宅は、通常、入居期限を定めておりませんけれども、少子化対策の一環として、小学校入学前の未就学児のいる子育て世帯の入居を促進するため、10年間の入居期限付きの定期借家制度を平成20年に導入しております。本制度を活用して入居している方は、平成29年2月末現在で、131世帯、495名おります。
制度導入当時は、県営住宅の入居を希望する待機者が1500世帯を超え、待機期間の長期化により入居しにくい状況が続いておりました。こうした背景を踏まえまして、この制度は、待機者が多く、特に入居しにくい子育て世帯について優先入居枠を設けて入居しやすくする一方、10年間の期限付きとして、期限到来後は撤去いただくということで、より多くの世帯へ住宅の供給を図ろうとしたものでございます。
入居している世帯のうち、早いほうでは平成31年1月に入居期限が到来し、これらの世帯につきましては、入居者資格などの要件が合えば他の県営住宅への応募により再び入居いただくことが可能でありますが、委員御指摘のとおり、住みかえを行うことで子どもを転校させなければならない、あるいは病気のため引っ越しが負担となるなどの理由により、期限の延長の御要望もございます。
期限到来により撤去となることで生活環境の変化に対応せざるを得ないという不安を抱える世帯もある一方で、三和団地や百合が丘団地など人気のある団地では、依然として次の子育て世帯を含めた多くの世帯が入居を待っておられますので、10年間という期限を延長するかどうかは、両者のバランスを図りながら検討を進める必要があると考えております。
このため、今後、県といたしましては、お子さんの就学状況など入居世帯の状況を十分に調査いたしますとともに、入居を待つ世帯の状況も把握しつつ、平成31年1月から到来する入居期限に間に合いますよう、対応について検討してまいります。