ブロック塀の点検のチェックポイント:国土交通省のHPより
 大阪府北部の地震でブロック塀が倒壊し9歳の女の子が死亡したことを受けて、茨城県内の県立学校と県が所有する施設の点検が行われた結果、合わせて102の施設で建築基準法の基準に適合しないブロック塀があったことがわかりました。
 井手よしひろ県議ら茨城県議会公明党議員会は、6月18日、県教育長に学校施設、通学路の総点検を強く要請しました。
 茨城県はこうした声を受けて、県立の学校や県が所有する施設のうちブロック塀がある合わせて238の施設で緊急の総点検を行いました。
 その結果、小中学校では全体の約22%に当たる151校の計212カ所で、ひび割れや傾きなどを含む不具合が見つかりました。このうち172カ所は、「控え壁」と呼ばれる補強材がないなど、建築基準法に不適合でした。全体の43%にあたる102の施設で建築基準法の基準に適合しないブロック塀があったことがわかりました。
 幼稚園は140校のうち12校の計17カ所で、ひび割れや傾きなどを含む不具合が見つかり、建築基準法上の不適合も12カ所ありました。
 小学校は105校の計140カ所、中学校は46校の計72カ所で、それぞれ不具合が確認されました。
 高校は96校のうち約63%の60校で計115カ所の不具合があり、97カ所が不適合でした。
 特別支援学校は23校中6校で計11カ所の不具合が見つかりました。
 学校以外の県有施設で不具合や不適合が確認されたのは、弘道館(水戸市)、県民文化センター(水戸市)、こころの医療センター(笠間市)、取手競輪場(取手市)などです。
 今回の点検は、塀の高さが2.2メートルより低いかやひびがはいっていないか、塀を支える控え壁があるかなどの項目で行われましたが、県内ではこのうち、控え壁について問題を指摘された塀が最も多かったということです。
 茨城県は、今回の点検で基準を満たしていなかった塀について、今月27日までにさらに詳しい点検を行うことにしていて、ここで危険だと判断された塀は、ことし中に撤去や改修をする方針です。
 大井川和彦知事は会見で「法律に適合していないブロック塀は予想していたより多かった。今回の点検は県内の施設が老朽化していることを知るきっかけになったと思う」と話していました。
 さらに、公明党は、通学路にあるブロック塀の安全管理の徹底のほか、民間所有(民家や事業者)のブロック塀についても調査を進め、改修が必要な場合は支援制度を検討すべきと国や県、市町村に訴えています。

高さは2.2メートル以下、控え壁はあるかなどが安全性の確認ポイント
 ブロック塀はプライバシーの確保や防犯・防火等に役立っていますが、地震による倒壊の事例が多いことでも知られています。特に避難路や通学路、多くの人が通行する道路に面するブロック塀については倒壊による被害が拡大するので注意が必要です。
 ブロック塀は所有者の責任において管理することが基本です。構造・耐久性・転倒防止対策を理解し、自己点検してみましょう。
【ブロック塀の点検のチェックポイント:国土交通省のHPより】
1.高さは高すぎないか
  ・塀の高さは地盤から2.2m以下か。
2.塀の厚さは十分か
  ・塀の厚さは10cm以上か。(塀の高さが2m超2.2m以下 の場合は15cm以上)
3.控え壁はあるか。 (塀の高さが1.2m超の場合)
  ・塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した 控え壁があるか。
4.基礎があるか ・コンクリートの基礎があるか。
5.塀は健全か ・塀に傾き、ひび割れはないか。
<専門家に相談しましょう>
6.塀に鉄筋は入っているか
  ・塀の中に直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも80cm間隔以下で配筋されており、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、 横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされているか。
  ・基礎の根入れ深さは30cm以上か。(塀の高さが1.2m超の場合)
参考:建築物の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検等についてhttp://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/blockshei