全国小中学校エアコン設置率
 7月20日も日本列島は危険なほどの熱波が猛威を振るっています。テレビのニュースなどでは、1学期終了式を冷房が効いた教室で大なったという報道がなされています。
 こうした中開催した県政懇談会で、「学校現場でエアコンの設置が遅れているのではないか?」とのご指摘をいただき、早速県の教育庁より聴き取り調査を行いました。
 その結果は、全国の約半数の公立小中学校では、エアコンがない教室で、子どもと先生が授業時間を過ごしていることがわかりました。しかも、エアコンが完備されている自治体と、ほとんど設置されていない自治体があり、子どもの教育環境に大きな不公平が生じています。
 エアコン(冷房)の設置状況については、文部科学省が公立校を対象に、おおよそ3年に1回ずつ全国調査をおこなっています(文部科学省「公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況調査の結果について」)。
 普段子どもが授業を受ける普通教室のエアコン設置率は、公立小中学校の場合、1998年は3.7%にすぎませんでしたが、最新の2017年の調査では49.6%にまで上昇しています。地球温暖化が叫ばれるこの20年の間に、普通教室のエアコン設置率は、大幅に高まりました。
 ただそれでもまだ設置率は、全国の教室の半数にとどまっています。教室で授業中に熱中症を発症したなどというニュースが全国を駆け巡らないうちに、学校の教室へのエアコン設置を進めていきたいと思います。
茨城県の小中学校の設置率50.8%。日立市は22.8%と低迷
 2017年4月時点の調査によると、公立小中学校における普通教室・特別教室の全保有室数820,532室のうち、エアコン設備を設置している室数は342,267室であり、設置率は41.7%(前回29.9%、11.8ポイント増)でした。 また、体育館、武道場等の全保有数33,966室のうち、エアコン設備を設置している室数は406室であり、設置率は1.2%でした。
 その他の学校における設置率は、幼稚園58.3%(前回41.3%、17.0ポイント増)、高等学校49.6%(前回43.4%、6.2ポイント増)、特別支援学校74.5%(前回67.5%、7.0ポイント増)でした。
 茨城県の設置状況は、小中学校で42.8%(内普通教室は50.8%)でした。日立市は22.8%(22.9%)と夏の気温も低いためか、県の平均を大きく下回っていました。県内で普通教室が、ほぼ100%の設置率となっているのは、土浦市、石岡市、龍ヶ崎市、常総市、取手市、牛久市、潮来市、稲敷市、かすみがうら市、行方市、つくばみらい市、大洗町、大子町、美浦村、河内町、境町、利根町の11市5町1村です。反対に設置率がほぼゼロ(1%未満)の市町村は、結城市、常陸太田市、高萩市、笠間市、常陸大宮市、城里町、八千代町の5市2町となっています。

茨城県内市町村の小中学校エアコン設置率