ひとり親世帯の税負担軽減
 ひとり親になった原因に関係なく、税負担の軽減を!
 与党の2019年度税制改正大綱には、経済的に厳しい状況に置かれがちな未婚のひとり親への支援策が盛り込まれました。同じひとり親であっても、婚姻歴の有無によって税負担に格差があるという理不尽な現状の打開へ、子どもの貧困対策の観点から公明党が改善を訴えたものです。
 「公明党が押して押しまくって、分厚い岩盤に穴をこじあけた。次につながる一歩が踏み出せた」。子どもの貧困対策に取り組む公益財団法人「あすのば」の小河光治代表理事は、今回の大綱をこう評価しています。
 大綱では、事実婚状態でない未婚のひとり親に対して、2020年の給与収入が約204万円以下であれば、2021年度から住民税を非課税にすると決定。法律婚の配偶者と死別・離婚したひとり親(寡婦、男性は寡夫)と同様の非課税措置が講じられることになりました。
 これにより非課税世帯となった場合は、0〜2歳の子どもがいれば幼児教育・保育の無償化の対象になるなど、教育や福祉の面でも負担が軽減されます。
 加えて、19年度は予算上の臨時・特別措置として、ひとり親家庭などに支給される児童扶養手当に年1万7500円の上乗せを行うことも決まりました。これは、寡婦が対象の所得控除である「寡婦控除」を所得税に適用した場合に見合う減税額に相当します。
 その上で、大綱には検討事項として、未婚のひとり親へのさらなる税制上の対応について「2020年度税制改正で検討し、結論を得る」と明記。与党で引き続き協議することになりました。
 近年、未婚のひとり親は増加傾向にあります。厚生労働省の16年度調査では、母子世帯になった理由のうち未婚は8.7%。11年度の前回調査から0.9ポイント上昇し、死別(8.0%)よりも多かった。一方、母子世帯の母親の年間就労収入を見ると、全体の平均200万円に対して未婚は177万円。しかし、未婚だと寡婦控除による税負担の軽減がない上、課税額を基に算出する保育料などでも不利益を被ってました。
 このため公明党は、不公平の速やかな是正を一貫して主張。その結果、昨年12月に決定した18年度与党税制改正大綱には、未婚のひとり親への対応を「19年度改正で検討し、結論を得る」と明記されました。これを受け、公明党は今回の税制を巡る議論で、自民党と粘り強く交渉を重ねてきました。
 小河代表理事は「公明党が議論をリードしたことに感謝している。今後も、さらなる支援の拡充に取り組んでほしい」と語っています。