
1月12日、石井啓一国土交通大臣は、水戸市三の丸で復元整備が進む「水戸城大手門」や茨城国体の会場となる水戸市緑町の「東町運動公園新体育館」などを視察しました。柱や梁、屋根などの骨格が姿を見せた大手門を確認した石井国交相は「水戸城にふさわしい、素晴らしい大手門になる」と期待を寄せました。
この日、視察したのは水戸城大手門と新体育館に加え、常磐自動車道水戸北スマートインターチェンジ(IC)、JR常磐線内原駅、千波湖の5ヵ所です。それぞれ市の担当者から、フルインター化や駅橋上化に向けた整備状況について確認しました。この視察には、県議会公明党のたかさき進県議、村本しゅうじ県議も同行し、県都水戸市の各事業について要望や意見活動を行いました。
水戸城大手門は国の景観まちづくり刷新事業を活用し、国体前9月の完成を目指しています。水戸市の秋葉宗志副市長が水戸城の歴史的背景のほか復元に使用する木材について説明すると、石井国交相は一本物の松材を活用した柱に触れながら「曲がりのない立派な柱だ」と高く評価し、「市と連携して秋までの完成を支援したい」と述べました。


アダストリアみとアリーナ(東町運動公園新体育館)を視察
また、茨城国体でレスリングやフェンシングの開催会場となる水戸市緑町の「東町運動公園新体育館」では、工事の進捗状況を確認しました。同体育館は、延べ1.6万平方メートル規模のアリーナ施設で、メーンアリーナ(3200平方メートル:3938席)とサブアリーナ(1000平方メートル:198席)を擁し、レスリング場(410平方メートル)、フェンシング場(261平方メートル)、ボクシング場(317平方メートル)などを備えます。今年4月にはこけら落としされます。施工者が設計段階から協力するECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式を採用して建設を進め、総事業費を100億円内に納めました。
県産木材を使った天然木化粧パネルを多用し、明るく落ち着いた内装となっています。メインアリーナの可動式観客席や音響装置の状況も調査した石井国交相は「設備や音響も素晴らしい。多目的アリーナとして水戸のスポーツ、文化、芸術の拠点として大いに期待したい」と語りました。たかさき県議らは「自家発電施設など防災拠点としての機能も充実している。駐車場スペースに下水道直結式の仮設トイレなども整備してもらいたい」と、市担当者に要望しました。
水戸市では、「東町運動公園新体育館」にネーミングライツ方式(施設命名権方式)を採用。新名称を「アダストリアみとアリーナ」と決定しています。ネーミングライツスポンサーの募集に衣料品販売のアダストリアが応じ、10年間で総額1億5000万円の契約を交わしました。アダストリアは、1953年に水戸市で創業し、「グローバルワーク」や「ローリーズファーム」などのブランドで、国内に約1300店舗を展開する衣料品販売事業者です。バスケットボールB2リーグ「茨城ロボッツ」のユニホームデザインなども手掛けています。


水戸北スマートインターチェンジ・フルインター化工事
引き続いて石井国交相一行は、常磐自動車道の水戸北スマートインターチェンジ(水戸市飯富町)をフルインター化する工事を視察しました。
水戸北スマートICは、2006年に全国初の本線直結型として社会実験が始まり、2009年4月から本格運用が始まりました。しかし現在は、東京方面(上り線)への入り口と日立方面(下り線)の出口しかないため、県内外の利用者から上下線とも乗り降りができるフルインター化を望む声が高まっていました。
フルIC化工事は、上下線出入り口のランプウエーをそれぞれ新たに整備しています。上り線の出入り口は県道に、下り線出入り口は国道123号に、それぞれ接続されます。上り線入り口はすでに2018年夏に完成しており、残りの上り線出口と、下り線出入り口は茨城国体開催直前の2019年秋をめざして工事が急ピッチで進められています。
水戸北スマートICは、水戸市の偕楽園まで約7キロ、弘道館や水戸駅周辺までは約8キロと中心市街地近くに位置しています。フルIC化により、これまでの東京方面だけでなく、県北や東北からの観光客を迎え入れるための利便性が高まるほか、水戸IC周辺の渋滞緩和にもつながります。また、ツインリンクもてぎなど北関東の観光ルートしても主要な結節点となります。さらに、水戸市北部、城里町などの産業振興にも寄与します。
たかさき県議らは、工事担当者に国体前の供用開始を強く求めました。