法テラス茨城
 電話一本で法律上のトラブル解決に必要な情報提供が受けられる法テラス(日本司法支援センター)のサポートダイヤル――その利用件数が1月5日、累計で400万件を突破しました。2006年10月のスタートから毎年度、約30万件ずつ増えてきました。
 今や国民生活に欠かせない法テラスであるが、4月から始まる「新たな外国人材」の受け入れに関しても、不慣れな日本での生活を支援する役割を求められています。人手不足の応援で来日する有能な人材に寄り添い、司法の情報窓口として一層の貢献ができるよう準備を進めるべきです。
 「新たな外国人材」は、ある程度の日常会話ができ、業種に関する一定の専門性・技能を持つことが在留資格の条件とされています。確かに、労働者としては即戦力の人材であろうが、地域社会での生活については自治体を含めさまざまな機関のサポートが欠かせないことは明らかです。
 政府は「新たな外国人材」の受け入れを進めると同時に、共生社会の実現もめざし、そのための総合的対応策を昨年末にまとめました。その中で、在留資格を持つ外国人を孤立させることなく、社会の構成員として受け入れるとの視点で、日本人と同様に公共サービスを受けられる環境を整備する方針が示されました。
 この中で政府は、法律トラブルについて、特に法テラスの「多言語情報提供サービス」に言及しています。
 このサービスは2013年から始まり利用件数は初年度の729件から急増し、2018年度の推計は3800件に上ります。パワハラや交通事故など日本人と変わらぬトラブルの相談も多い。4月以降はさらに増えることが想定されます。
 法テラスはこのサービスの利便性向上のため、4月からネパール語とタイ語を追加する予定で、これにより、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語と合わせて9カ国対応の体制ができます。
 共生社会の実現には寛容の心で相手の自由と権利を尊重することが大切であり、それを守る最後の砦が法律です。法テラスが司法への窓口として「新たな外国人材」から頼りにされる存在となることを期待したいと思います。