ホライズン・ニュークリア・パワーの紹介動画
1月11日、日立製作所はイギリスで進められている原子力発電所の建設計画について、事業費の負担をめぐるイギリス政府側などとの調整が難航していることから、計画への参加を中断することも視野に、検討しているとのニュースが日本中を席巻しました。このニュースの真偽に関しては、日立製作所、政府両者の正式なコメントはありません。
日立はイギリス政府と共同でイギリス中部アングルシー島で原発を建設する計画を進めています。しかし、安全対策などでコストが膨らむ見通しになる中、事業費の負担や採算を確保するための電力の買い取り価格をめぐってイギリス政府側などとの調整が難航しています。
このため、関係者によりますと、日立は1月16日以降、取締役会を開き、計画への参加について「中断」することも視野に検討することにしています。
日立は計画への参加のため、平成24年にイギリスの電力関連会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収して用地の買収なども済ませ、中断を決めた場合、2000億円規模の損失を計上する見通しです。また、建設準備についている人材をどのように再配置するかも懸念されます。
日本国内で新たな原発の建設が事実上ストップする中、この計画は日本企業の原発事業の新たな収益確保や技術の継承の面からも注目されてきました。
日立製作所がイギリス政府とともにイギリス中西部アングルシー島で計画し、2020年代前半の運転開始を目指していました。
この建設計画は計画は日立の英原発子会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」が手がけるものです。安全対策の強化などで事業費が当初予定の2兆円から1.5倍の3兆円規模に膨んでいました。
原発輸出をアベノミクスの成長戦略の目玉としてきた安倍政権は、安倍首相自らがインドやトルコなどにトップセールスを行ってきました。
2016年にイギリスで就任したメイ首相がキャメロン前首相の中国重視の姿勢を翻すと、これを絶好のチャンスとして1兆円規模の支援を決定。この際に提示されたのは日本政府が国際協力銀行(JBIC)と日本政策投資銀行を通じてホライズンに投融資し、日本貿易保険が信用保証枠を設定し、日本のメガバンクやHephaestusといった日英大手金融機関を呼び込んで資金を融通する計画です。
さらに17年にはこの原発建設に対し、日本のメガバンクが融資すると想定される数千億円について、日本政府が全額を補償する方向で検討している事が報じられるなど、日本政府として強力に原発輸出をバックアップしようという姿勢が明確になりました。
日立市の地域経済にも影響が懸念される
しかし、17年末の時点で日立の東原敏昭社長は「企業だから、採算がとれないものはできない。政府の支援をいただきながら、採算性がきちんと取れる形で、投資家をどんどん募れる環境づくりをやっていくことが重要」と発言。採算の見通しが厳しく、着工の条件としている出資者の確保が難航することが見込まれることから、日本政府に支援を求める考えを示していました。
これを受けて18年頭に三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクと国際協力銀行を含む銀行団が、総額1.5兆円規模の融資を行う方針を示し、事故などによる貸し倒れに備えて日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証する事が決定されました。これは、イギリスの原発開発に、最悪の場合は日本人の税金が投入される仕組みです。
こうして政府主導の「オールジャパン体制」で総額3兆円規模に上るイギリスへの原発輸出が進められていた訳ですが、その計画が大幅に見直されること可能性が出てきました。
日立製作所の原子力部門(GE日立ニュークリア・エナジー)の拠点が立地する日立市にとっても、関心が集まる大きな問題です。
日立製作所がイギリス政府とともにイギリス中西部アングルシー島で計画し、2020年代前半の運転開始を目指していました。
この建設計画は計画は日立の英原発子会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」が手がけるものです。安全対策の強化などで事業費が当初予定の2兆円から1.5倍の3兆円規模に膨んでいました。
原発輸出をアベノミクスの成長戦略の目玉としてきた安倍政権は、安倍首相自らがインドやトルコなどにトップセールスを行ってきました。
2016年にイギリスで就任したメイ首相がキャメロン前首相の中国重視の姿勢を翻すと、これを絶好のチャンスとして1兆円規模の支援を決定。この際に提示されたのは日本政府が国際協力銀行(JBIC)と日本政策投資銀行を通じてホライズンに投融資し、日本貿易保険が信用保証枠を設定し、日本のメガバンクやHephaestusといった日英大手金融機関を呼び込んで資金を融通する計画です。
さらに17年にはこの原発建設に対し、日本のメガバンクが融資すると想定される数千億円について、日本政府が全額を補償する方向で検討している事が報じられるなど、日本政府として強力に原発輸出をバックアップしようという姿勢が明確になりました。
日立市の地域経済にも影響が懸念される
しかし、17年末の時点で日立の東原敏昭社長は「企業だから、採算がとれないものはできない。政府の支援をいただきながら、採算性がきちんと取れる形で、投資家をどんどん募れる環境づくりをやっていくことが重要」と発言。採算の見通しが厳しく、着工の条件としている出資者の確保が難航することが見込まれることから、日本政府に支援を求める考えを示していました。
これを受けて18年頭に三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクと国際協力銀行を含む銀行団が、総額1.5兆円規模の融資を行う方針を示し、事故などによる貸し倒れに備えて日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証する事が決定されました。これは、イギリスの原発開発に、最悪の場合は日本人の税金が投入される仕組みです。
こうして政府主導の「オールジャパン体制」で総額3兆円規模に上るイギリスへの原発輸出が進められていた訳ですが、その計画が大幅に見直されること可能性が出てきました。
日立製作所の原子力部門(GE日立ニュークリア・エナジー)の拠点が立地する日立市にとっても、関心が集まる大きな問題です。