ガバメント・クラウドファンディング
 1月31日までに、北海道東部地震の被災農家にモバイル型住宅を無償レンタルする、ふるさと納税型クラウドファンディングが目標を達成しました。
 目標の2500万円に、25,025,133円ものご寄付をいただ今した。ご協力ありがとうございました!
 このふるさと納税型クラウドファンディングは、茨城県境町がふるさと納税の制度を活用して“代理寄付”を受付け、北海道千歳市内に本社を構えるモバイル型ユニット住宅製造販売の老舗「株式会社アーキビジョン21」が住宅を提供するもです。
 昨年(2018年)9月6日に北海道安平町を襲った大地震(北海道胆振東部地震)により、甚大な被害を受けた安平町守田地区の農家の方々は、四六時中、家畜の世話やハウスの管理のため、遠く離れた避難所で生活しながら、1日に何回も仮設住宅と作業場を往復することは困難な状況です。
 そのため、被災農家は全壊した自宅付近で車中泊などの過酷な避難生活を続けています。そこで、安全な生活と営農の継続、コミュニティの維持を支援するため、民間支援として、被害が大きい北海道安平町の農村集落8世帯に、モバイル型住宅を2年間無償レンタルするプロジェクトが企画されました。
 現行の災害救助法の運用では、応急仮設住宅は公有地等に長屋タイプの複数世帯を集合した仮設団地として供給されることが標準となっています。そのため、畜舎や農場から何十キロも離れたところに居住して、そこから通勤・従事することが仮設住宅入居の条件となります。このままでは農業の経営破綻や離農、町外への移住など過疎化を招きかねません。
 そこで、自宅が全壊するなどした酪農・農業従事者の皆さんが、畜舎や農地に隣接する本来の居住地の近くで、安全に避難生活を送りつつ従事できることを支援するために、ふるさと納税によるクラウドファンディングにより、「農家の敷地内に設置が可能なモバイル型レスキュー住宅」の提供を行うこととなりました。

 このモバイル型レスキュー住宅は、現地で雪が降る前の昨年11月には完成し、すでに農家は住み始めています。11月4日、井手よしひろ県議(当時)は安平町早来地区の農家を訪れ、使用が始まったモバイルハウス型レスキュー住宅を視察しました。
 井手県議が訪れた農家は、玉ねぎのハウス栽培を行う4人家族の農家。12年前に滋賀県から北海道で就農したそうです。この農家に提供されたモバイル型住宅ユニットは、2.5m×12mのモバイル型住宅ユニットを2つ組み合わせたタイプ(62m2)でした。寒冷地に対応した高断熱仕様で、窓ガラスは特殊な3重ガラス。暖房は大型のパネルヒーターが取り付けられています。シャワー付トイレ、バスタブ、キッチン、電磁調理器が標準で取り付けられています。
 新たに入居した農家のご主人は、「何より農家にとって作業場に隣接して住宅が確保できることは嬉しい。居住性も、今までの住居より優れており、勿体ないくらいです」と語っていました。二人の男の子は「勉強部屋が確保でき、勉強も快適です」と語ってくれました。

 茨城県境町は3年前の関東・東北豪雨の際に、深刻な被害を受け、その復旧のために全国の皆さまから、ふるさと納税による多くのご支援をいただきました。その恩返しと被災した経験から、2016年の熊本地震の際に被災した自治体に負担のかからない支援方法を考え、ふるさと納税を活用した“代理寄付”を全国に先駆けて開始し、熊本県を支援しました。
 また、昨年7月に西日本を襲った平成30年7月豪雨では、岡山県倉敷市と広島県への“代理寄付”による支援を行い、倉敷市には今回と同様にガバメントクラウドファンディング(GCF)を活用して個室トイレやシャワーなど様々な用途のコンテナハウスを輸送・設置に取組みました。
 北海道胆振東部地震におおても、北海道厚真町への“代理寄付”に加え、ガバメントクラウドファンディング(GCF)を活用して、避難生活を少しでも和らげる一助となるためのモバイル型住宅ユニット設置等を早急に実現するために、実績のある一般社団法人協働プラットフォームと株式会社アーキビジン21の協力により被災地へ向けた支援を行ってきました。

 2500万円という大型のガバメントクラウドファンディング(GCF)が成立しました。今後は地方議員、国会議員のネットワークを活かしながら、国の災害復興の仕組みとして正式に位置付けられるよう努力してまいります。ご協力に感謝すると共に、防災減災への取り組みをさらに強化してまいります。