こんにちは、映画「ある町の高い煙突」のパンフレットをお持ちですが、もしかしたら映画の聖地めぐりですか?
そうですか。急にお声を掛けて申し訳ありません。私は、映画「ある町の高い煙突」を応援する会の井手といいます。映画の作成を通して、この町・日立の魅力を多くの方に知っていただきたいと活動しているボランティアグループです。
映画と日立のことなら何でも聴いてください。きっと素晴らしい聖地めぐりのお手伝いができると思います。
ここ平和通りは、昭和26年に開通。1キロメートルの道のりにソメイヨシノが約120本植えられています。その美しさは、かみね公園とともに日本さくら名所100選に選ばれています。
もう少し山側に行っていただくと、からくり仕掛けの山車「日立風流物」が見られます。高さ15メートル、奥行き8メートルその5段になった壇上でからくり人形が演じられるます。最大の見せ場は、“表館”と“裏山”が180度、まさに回り舞台のように回転するのです。重さが5トンもあるのですが、それを200人近くの人力で回転させるのです。その迫力は凄いですよ!
この風流物、国指定の文化財になっています。また、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。
1基だけでも凄いのですが、7年に一度、神峰神社の大祭礼の際は、この風流物が4基すべて引き回されるのです。今年(2019年)の10連休、5月3日〜5日、大雄院通りでこの見事な出し物が見られます。5月にも是非また来てくださいね!
さて、平和通りの桜を満喫されたらどのようにされますか?
もう1箇所、さくらのお勧めのスポットを紹介させてください。
熊野神社をご案内したいと思います。ここは、日立製作所の守り神として百年前からずっと大事に守られてきた場所です。ソメイヨシノが30本植えてあるのですが、管理が行き届いており、それはそれは見事です。
「ある町の高い煙突」では、エンドロールにその満開のさくらが映し出されていました。松村克弥監督もここの風景がとても気に入って、クランクインをする前に、撮影の辻智明さんと共にこの場所のさくらを特別に撮影にきたほどです。これがその証拠写真です。熊野神社のさくらを丹念に何時間も撮影していました。
熊野神社に行くと、多分お昼時になりますね。
ひたちの絶品・お昼ご飯をご案内します。
安くておいしいが、庶民のまち日立のグルメです。
やまがた屋さんのおにぎり弁当と戸来商店のカモ汁うどんがおすすめです。
おにぎり弁当は、かやくとおかかの2種類。おかかの方は、握り具合が柔らかいおにぎりでメチャ旨い!一方、かやくの方は、おこわ風の御飯でモッチリとしたおにぎり。お互い食感の異なるおにぎり。
これに、鶏のからあげ、金平ごぼう、桜漬けがついています。鶏のからあげは冷めてもサクサク。金平ごぼうは、太めのゴボウとニンジンにしっかりと味が浸みて良い感じ。これで、なんと470円なんです。
今日は込んでるかもしれませんが、並んでも食べる価値はあります。
また、戸来商店はうどんの専門店。昔ながらの「足踏み」で作るうどん。しっとりした食感で、コシが強過ぎずスルスルッ!と啜る。鴨汁うどんがお勧め。素朴な味わい。きのこ等の旨みが良い出汁です。
どちらのお店も、熊野神社から大煙突に行く途中にあります。ぜひ、どちらか寄ってみてください。
そして、ここからが、大煙突と日立の産業のルーツを見るコースです。県道を進むと右側に大煙突が見えてきます。100年前155.7メートルと世界最高を誇った煙突ですが、26年前の平成5年2月19日、大煙突は下部約3分の1を残して倒壊してしまいました。高さは低くなってしまいましたが、その存在感は今も変わりません。
さらに県道日立山方線を進み、本山の一本杉を過ぎると、左側に「日鉱記念舘」があらわれます。
日立鉱山の歴史、というよりも日本の産業史を俯瞰することが出来ます。大煙突をつくった久原房之助が築いた日立鉱山から、日立製作所が生まれます。この日立鉱山を中心とする企業グループから、日産自動車や損害保険ジャパン日本興亜や日本コロンビア、ビクター、ニチレイなど幾多の名門企業が生まれたのです。
1階にある当時の坑道の模型は圧巻です。アートと言っても過言でありません。日立鉱山の鉱床と坑道。最も深いところで950m、坑道の総延長は700km。最盛期は1万数千人もの人々がこの鉱山周辺で暮らしていました。その記憶が、この記念館に行くと浮かび上がってきます。
じっくり見ると半日はかかってします。最低でも1時間ぐらいは掛かります。
これだけ充実した内容が、入場料無料はお得です。。
そして、大煙突の旅の締めくくりは、有名な御岩神社です。日鉱記念舘から10分程度で着きます。ある町の高い煙突の主人公・関根三郎こと関右馬允の実家もこの御岩神社の真正面にあります。100年前のたたずまいと全く変わっていませんの、是非実感してみてください。
日立の名の世来は、日立製作所の創業の地であったからではありません。かつて水戸黄門が、この地を訪れた際「朝日の立ち上る様は領内随一」と言ったことが由来です。できれば、日立で御一泊され、その素晴らしい日の出を見ていってください。日立駅から望む、日の出は、一生の思い出になると思います。
いばらき観光マイスターS級試験に挑戦
茨城県では、「おもてなし日本一」を目指し、平成26年11日に「いばらき観光おもてなし推進条例」を施行しました。この条例を踏まえ、県民一人ひとりの観光知識や接遇スキルの向上を図り、おもてなしのスペシャリスト「いばらき観光マイスター」を認定する制度がスタートしました。観光マイスター制度は、県を代表する観光地や地元ならではのグルメなど、観光案内をする上で、十分な知識と接遇マナーを持っていることを筆記試験で認定する「観光マイスター」と、十分な観光知識に加え、おもてなしの心による高い接遇スキルを持っていることをロールプレイニング試験によって認定する「観光マイスターS級」の2段階があります。
私は、昨年11月に「観光マイスター」を受験、この2月「観光マイスターS級」を受験しました。
S級試験は、特定の相手、場所、時期などを想定して、決められた時間内々に擬似的に観光案内・接遇を行います。その模様を専門家や県の担当者が審査する試験です。
今回は、映画「ある町の高い煙突」を観ていただいた方の“聖地めぐり”をより楽しくするための観光案内です。首都圏から自家用車で来県した50代のご夫婦に、日立市の最大の観光イベント“さくらまつり”の観光案内テントの前で接遇にあたっている想定で、試験の原稿を書いてみました。実際の試験は4分間にまとめますが、以下の原稿は、ただ読むだけでも6分以上になります。実際の試験では、アドリブも入りますので、まさにたたき台です。
映画「ある町の高い煙突」が描かれた日立の素晴らしさが少しでも皆さまに伝わればとの思いで、このブログに掲載しました。