映画「ある町の高い煙突」上映会
 2月28日、日立市を舞台にした映画「ある町の高い煙突」の県内行政関係者、教育関係者を招いた試写会が、県庁講堂で開催されました。松村克弥監督や主演の井手麻渡さんらが登壇し、大井川和彦知事ら約170人が感動の実話を観賞しました。
 松村監督は、水戸市内で撮影を行い低予算ながら大ヒットを記録した映画「カメラを止めるな!」を意識して、「『カメ止め』を超えた大ヒット作品を目指したい」と、力を込めました。日立市出身の大井川知事も「煙突には思い入れがある。上映が楽しみだ」とあいさつしました。
 「ある町の高い煙突」は、日立市のシンボルとして親しまれた高さ約156メートルの大煙突建設をめぐる新田次郎の小説を原作にした映画作品です。日立鉱山の煙害防止のため大正3(1914)年に建てられた日立の大煙突。その建設に至るまでの主人公、関根三郎ら地元住民と鉱山側の人間ドラマを描いています。
 松村監督は「住民と企業の協調」と「そこで生まれる若者たちのつながり」を意識して撮影。「公害に対して、企業側と住民側が協力して解決するという非常に希な事実が、100年以上前にあった奇跡を描いたと」とも語りました。
映画「ある町の高い煙突」ポスター 6月14日(金)にユナイテッド・シネマ水戸(水戸駅南口)とシネプレックスつくば(つくばYOUワールド内)で先行上映され、全国ロードショーは6月22日(土)より、有楽町スバル座を始め全国の劇場66館で上映される予定です(2月28日現在)。
 上映終了後、松村監督は記者団の取材に「特に舞台である日立市の方には絶対見てもらいたい」と語りました。主役を演じた井手さんは「美しいロケ地や歴史など茨城の魅力が詰まった映画なので、ぜひ劇場へ足を運んでほしい」と呼びかけました。

 上映会に先立って、監督らは大井川知事を訪ね、完成報告と今後の上映計画などを説明しました。松村監督は、「茨城県魅力映画支援事業にご選定いただき、その責任の重さを実感しながら製作にあたりました。県の多大な協力にあらためて感謝いたします」と謝意を述べました。大井川知事は、「大煙突は私の幼少期の原風景。この映画をキッカケに日立の、茨城の魅力を全国に発信してもらえると確信しています」と語りました。同席した地元の村本修司県議会議員は「一人でも多く、この物語を茨城の人に知ってもらうために、県内の全ての市町村で上映できるよう支援していただきたい」と、知事に要望しました。
松村監督らが大井川知事を表敬